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日本ワインの誇り「山梨ワイン」が誕生したルーツとおすすめを紹介

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日本で造られたワインの産地を見てみると、山梨県産のワインが多くあります。

どうして海外のワイン文化が日本にやってきたのか、

そして、なぜ山梨県で多くのブドウが栽培され、ワインが造られているのか気になりませんか?

そこで、今回はどうやって山梨県でブドウ栽培が始まり、ワイン造りが盛んになったのかをご紹介します。

また、山梨県で収穫されたブドウを使って造られたおすすめのワインもご紹介しますよ。

これが山梨県で造られたワインの魅力を知るきっかけになるのではないでしょうか。

 

山梨県は日本のワイン造り発祥の地

日本国内でブドウ収穫量と、ワイナリーの数が1番多いのが山梨県です。

また、山梨県は、日本のワイン造りの発祥の地でもあります。

ここからは海外で行われていたワイン造りが、どうして山梨県でも行われるようになったのかについてご紹介していきますね。

なぜ山梨県でブドウの栽培が始まったのか

そもそも、なぜ山梨県でブドウの栽培やワインの製造が始まったのかという歴史を見てみると、1280年もの歴史があるようです。

山梨で作られているブドウ品種の代表でもある「甲州種」が起源となっており、

江戸時代以前は甲州種が日本で唯一作られていたブドウ品種でした。

甲州種はヨーロッパ系の東洋群に属する品種です。

そんなヨーロッパ由来のブドウが日本に伝わった理由については諸説あり、

  • 山梨県勝沼町の柏尾山大善寺を開いた行基が導入したとされる説
  • 上岩崎の住人・雨宮勘解由伝説

などが言われています。

どちらにせよ、ヨーロッパから中国、日本へとシルクロードを経由して伝わったことなんです。

そして、日本国内で特にブドウの栽培に向いた気候環境、土壌だったのが山梨県でした。

ブドウの栽培には適した気候環境とは、

  • 昼夜の温度差が大きい
  • 日照時間が長く、冷涼な気候の地域
  • 降水量が少ない

の3つの条件のことです。

山梨県には甲府盆地があり、この地域は夏と冬、昼と夜の寒暖差が大きい盆地気候です。

また、山梨県は周りを山に囲まれているので、山が雨雲を遮り、梅雨や台風などの影響を受けにくく、

県内全域で風が弱いというポイントがあるんですね。

それだけではなく、この地域の土壌は粘土層なので、稲作向きではありませんが、

ブドウ栽培には適した土壌であることもブドウ栽培が盛んになった理由でもあります。

ブドウ栽培からワイン造りへ

山梨県特有の土地、気候環境によってヨーロッパからブドウ栽培が伝わりました。

そこからワイン造りが始まったのは1874年頃のことです。

明治新政府の高官が、フランスなどのヨーロッパの国々を視察した際に、

ワイン産業の発展を目の当たりにし、殖産興業政策の一環として日本でもワイン造りを推奨したのがきっかけです。

その時に最初に造られたのが赤ワインで、日本に元々あった山ブドウが原料でした。

そして、白ワインは、その時すでに山梨県で盛んに栽培されていた勝沼産の甲州ブドウから造られました。

日本初の民間ワイン醸造所である「大日本山梨葡萄酒株式会社」が設立されたのもこの頃です。

その後、甲州だけでなく欧州系のブドウや、アメリカ系のブドウ品種も取り入れるようになり、

栽培するブドウの種類を増やしながら、ブドウ栽培やワイン造りを発展させていったんですね。

最近では、2010年に「甲州」が、2013年には「マスカット・ベリーA」が

O.V.I「国際ぶとう・ぶとう酒機構」のリストに登録されました。

そのため、この2つのブドウの品種を使ったワインをヨーロッパに輸出するときには、

ラベルに品種名を記載することが可能になったんです。

また、2013年には山梨県が国税庁から原産地名を保護する「地理的表示」に指定されました。

この「地理的表示」とは、簡単に言えば国のお墨付きであるというということで、

一定の生産基準を満たし、官能検査をクリアしたワインでないと「山梨」の名を名乗れないというものです。

地理的表示をクリアし、「山梨ワイン」を名乗るには、

  • 原料が山梨県産のブドウ100%
  • 「甲州」「マスカット・ベリーA」「カベルネ・ソーヴィニヨン」「シャルドネ」などの指定品種のみを使用
  • 一定の糖度以上のブドウのみを使用
  • 山梨県内で醸造・貯蔵・容器詰めをしている
  • アルコール度数が辛口は8.5%以上、甘口は4.5%以上である
  • 補糖、補酸には一定の制限がある

といった厳しい決まりがあります。

こうした厳しいルールを守り、造られる山梨県産のワインは、「山梨ワイン」と呼ばれ、

今では様々なコンクールで賞を取るようなブランドワインとなっているんですよ。

 

山梨県で作られているブドウの品種

山梨県で作られているブドウ品種の代表と言えば、「甲州」と「マスカット・ベリーA」の2種類です。

甲州

甲州は、日本在来の生食用兼用のブドウで、ワインの材料としてだけでなく、生食用としても楽しむことができます。

日本で最も醸造量が多い品種でもありますよ。

ヨーロッパから中国、日本へとシルクロードを経由して伝わったため、

甲州のDNAを調べてみると、欧・中東系品種のヴィティス・ヴィニフェラのDNAに、中国の野性種のDNAが少し混ざっていることが分かりました。

甲州は、ヴィニフェラ系のブドウの中では大粒なブドウで、果皮が比較的厚く、房に実が密集していないことから、

湿気などによる病害に強い特徴があり、これが日本の多湿な気候でも栽培に成功した理由の1つと言われています。

甲州は、苦味や深みを感じる味わいで、樽熟成の濃厚タイプから、スッキリ爽やかな味わいのものまで幅広く、

白ワイン以外にもオレンジワインや、スパークリングワインも造られています。

マスカット・ベリーA

山梨県で甲州の次に多く作られているのが「マスカット・ベリーA」です。

こちらも生食用兼用の品種で、ヴィニフェラ系のマスカット・ハンブルグと、

アメリカ品種のベリー種を配合した大房・大粒の黒ブドウです。

このマスカット・ベリーAは、甲州とは違って、山梨県以外でも多く栽培されていますが、

国内の生産量1位はやはり山梨県となっており、国内の生産量の6割を山梨県が占めています。

マスカット・ベリーAから赤ワイン、ロゼワイン、スパークリングワインなどの、多くの種類のワインが造られています。

穏やかでカジュアルな味わいのワインが出来上がります。

しかし、最近は栽培地の選定や、完熟を待った遅い時期の収穫、樽熟成などを導入し、

カジュアルさから上質なワインへとシフトチェンジを図る動きもありますよ。

 

おすすめの山梨ワイン

山梨県では主に「甲州」「マスカット・ベリーA」のブドウ品種が作られていることが分かりましたね。

この2つのブドウを使って造られたワインにはどんなワインがあるのか、おすすめのワインをいくつかご紹介します。

グレイス グリド甲州(白ワイン)

甲州種を使った辛口の白ワインで、数々の賞を受賞したクラシックなワインです。

甲州を100%使用しており、料理との相性を第一に考えて造られました。

グレープフルーツのような果実味と、コショウのようなスパイシーな風味を感じることのできるワインで、酸味は控えめです。

相性の良い料理には、天ぷらや、白身魚の塩焼き、クリームコロッケがありますよ。

グレイス グリド甲州

プレステージ・クラス・オランジェ(オレンジワイン)

こちらは、甲州を使って果皮や種から旨味を引き出した珍しいオレンジワインです。

果汁の柔らかいアロマに、果皮から抽出された程よい渋味が特徴で、日本人だからこそ感じ取れる深みのある味わいとも言われています。

大正時代には、宮内庁御用達とされていた特別なワインでもあるんですよ。

相性の良い料理には、お刺身やホタルイカのパスタ、しゃぶしゃぶが挙げられます。

プレステージ・クラス・オランジェ

ハギースパーク 番イ(白スパークリングワイン)

こちらのワインは、山梨県で創業100年を誇る老舗の大和葡萄酒が生産している白スパークリングワインです。

ミネラル豊富な土壌で育てられた甲州を使った、ドライなスパークリングワインで、

リンゴや白桃をイメージさせるフレッシュな果実の風味と、程よい酸味が特徴的です。

相性の良い料理には、貝類のお刺身や天ぷらが挙げられます。

ハギースパーク 番イ

ルミエール・フレール マスカットベイリーA(赤ワイン)

こちらはマスカット・ベリーAを100%使って造られたおすすめのワインです。

かつては宮内庁御用達だったライトボディの赤ワインで、甘酸っぱい果実味が口の中に広がり、柔らかい口当たりを感じることができますよ。

相性の良い料理は、すき焼きや焼き鳥です。

ルミエール・フレール マスカットベイリーA

ガブ(赤ワイン)

こちらも宮内庁御用達とされていたマスカット・ベリーAを使ったライトボディの赤ワインです。

「ガブガブ飲みたい」という意味を込めて「ガブ」と名前がつけられていて、その名の通り大変飲みやすく、

スムースな味わいで、冷やして飲むと美味しい珍しいワインでもあります。

また、スクリューキャップなので、屋外で飲むにも便利ですよ。

相性の良い料理には、トマトソースのパスタ、サーモンサラダ、マグロの漬け丼などがあります。

ガブ

嘉スパークリング・ロゼ(ロゼ・スパークリングワイン)

こちらはマスカット・ベリーAと、メルロを合わせて造られたロゼスパークリングワインです。

1,000円代で買えるロゼスパークリングワインとは思えないほど、丁寧に造られており、酸味が控えめで、ほんのり甘いロゼワインになっています。

相性の良い料理は、前菜、タコス、ショートケーキと、幅広い料理と合いますよ。

嘉スパークリング・ロゼ

まとめ

山梨県でブドウ栽培とワイン造りが根付いたのには、それらに適した気候環境や土壌に理由があったんですね。

明治時代頃からの長いワイン造りの歴史によって、「山梨ワイン」と呼ばれるブランドに発展したワインを、

日本人であれば一度は飲んでみたいと思われたのではないでしょうか。

おすすめワインの中から、あなたの好みのワインを見つけて試してみてくださいね。

 

 

 

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