ワインを定期的に届けてくれるサブスクサービスは、店によって全然特徴が違います。
選び方や注意点について記事書いてます
→「お店によって特徴が全然違う!?定期的にワインが届くサブスクを紹介」
ワインを水割りにするってあまりイメージないですよね。
ただ、実はそういう飲み方は昔からされてきていました。
なんと、古代ローマ時代からワインを水で割って飲んでいたんですよ。
今回は、ワインの水割りについて、歴史背景も
踏まえながら解説していきますね。
古代のワインは水割りだった?
ギリシャ・ローマ時代は、ワインは水で割って飲むものでした。
ギリシャ北方のスラブ系祖先であるスキタイでは原酒を飲む習慣があったのですが、ギリシャの上流階級ではこれが野蛮な風習だと嫌われていました。
ワインをあまり薄めないで飲んだり、原酒で飲んだりすると、言動や行動が乱れることがあります。
依存してしまう可能性もあり、あまりよくないとされていました。
当時はワインを水で割る主な理由は、アルコールを薄めるだけではなかったようです。
ワインは飲用水?
現代同様、石灰岩土壌の多いギリシャ地方では、生水はミネラルが多すぎてそのまま飲むのは危険でした。
飲むとおなかを壊しちゃうんでしょうね。
ワインは飲用に適した飲み物として工夫されたものです。
当時ワインは、嗜好品として楽しんで飲まれる現代と異なり、飲用水として飲まれていましたので、結果的にたくさんの量を飲むことになりました。
たくさん飲むので、アルコール度数が高いとすぐ酔っ払ったのでしょう。
アルコールを楽しんでいたのではないみたいですね。
この水割り文化は、地中海の沿岸から古代ローマに伝わり、ローマ帝国の拡大で内陸部にも伝わっていきました。
水よりも腐敗しにくいのもワインの特徴です。
中世になっても、長い移動の際にはワインと同量の水を混ぜたものを、飲用水として皮袋に入れて運んでいました。
古代のワインは濃度が濃い!
古代ローマではワインの保存方法がまだまだ未成熟でした。
ワインをピトイという素焼きの壺で保管していました。
この保存方法では水分の蒸発が進み、濃度の濃いワインになっていったようです。
濃縮ジュースを薄めて飲むような感覚で、水割りにしたのだと思います。
古代のワインは甘すぎる?

古代ローマのワインは白ワインが中心で、甘ければ甘いほどよいとされていました。
当時はワインは醸造技術が未熟で、ブドウの糖分のアルコールへの変化が少なく、果汁の濃縮とともに過剰なほど甘口になっていました。
現在はアルコール度数を抑えるために水で割りますが、当時は過剰な甘みを抑えるために水で割っていたんですね。
水でワインを冷やしてたのかも?
古代ローマでは上下水道がすでに完備されており、地下を通る水の温度は夏場でも12~13℃に保てていました。
当時ワインは当然常温で保存されていたのですから、これを冷やすために常温より冷たい水で割っていました。
常温の白ワインを12~13℃の水で割っても、現代では飲み頃とは言い難いですけどね。
歴史上の人物と水割りワイン
水割りワインは、ソクラテスやナポレオンといった有名な人物とも関係があります。
ソクラテスとワイン

古代ギリシャの哲学者プラトンの「饗宴」には哲学者ソクラテスがワインを飲んだことが書かれています。
ソクラテスはいくら飲んでも酔わない酒豪でした。
当時ギリシャでは、ワインを水割りで飲む文化が浸透していました。
フランスの哲学者ロラン・バルトは、古代のギリシャ人が一般的に大量の水で割ったワインを飲んでいたと伝えています。
当時のレシピはワインに対して水の量は8倍といわれています。
古代ワインと現在のワインのアルコール度数が同じだとすると、随分アルコール度数が低いのワインの水割りを飲んでいたんですね。
当時はワインの甘味を楽しんでいたのかもしれませんね。
ナポレオンとワイン

有名なフランスの皇帝ナポレオンもワインを水割りで飲んでいたという逸話があります。
ナポレオンは遠征中の陣内で戦略を練りながらワインの水割りを飲んでいました。
彼は大のワイン好きであったことで知られています。
特にお気に入りだったのは、シャンベルタンでした。
戦いに出向く前には必ず、シャンベルタンを飲んでいました。
また、「シャンパーニュは戦いに勝った時には飲む価値があり、戦いに負けた時には飲む必要がある」という名言も残しています。
ワインの水割りの楽しみ方
ワインの水割りが定着しているヨーロッパでは、水=ミネラルウオーターではなく、水=炭酸入りのミネラルウオーターの場合も多いです。
海外ではミネラルウオーターを頼むときに、「non gas?」とか「with gas?」とか聞かれるらしいですよ。
ドイツでは、白ワインを割る水の炭酸の強さで、飲み物の名前が変わります。
ワインを水で割ることに対する文化の深さを感じます。
水で割ることの主な目的は、アルコール度数を下げて飲みやすくすることです。
アルコールはあまり得意じゃないけれど、ワインの味や香りを楽しみたいという方にはぴったりの飲み方です。
ワインの水割りは冷やした方が美味しく飲めます。
ワインと水の割合は?
ワインの水割りを作る際の黄金比は1対1です。
水が多過ぎると、ワイン本来の味や香りを感じられなくなるので注意してください。
氷が溶けると味が薄くなってしまうので、ワインも水も冷やしておくのがおすすめです。
グラスも冷やしておくとよりおいしく飲めますよ。
ワインの種類に関わらず冷やして準備するようにしてください、理想の温度は5℃位です。
そうすれば飲み頃の7℃までしばらく楽しむことができますね。
できれば氷は使わない方がいいのですが、もし入れるなら少なめにして下さい。
ワインの水割りは、ワインも水も冷やして準備して、作ったらすぐに飲んでください。
水割りに合うワインとは?

水割りにするワインを選ぶ時は、味は酸味が強いもの、香りはフルーティーであるものをおすすめします。
赤ワインの場合はあまりタンニンの強いものはおすすめしません。
生産地では、オーストラリア、カリフォルニア、チリなど、ぶどうがしっかりと熟しフルーティーなワインとなる、温暖な環境で作られたワインをおすすめします。
ブドウの品種では、赤ワインならカベルネ・ソーヴィニョンやシラー、白ワインならシャルドネがおすすめです。
以前の記事でブドウの品種について紹介していますので、参考にしてみてください。
ワインの味を左右するぶどう9品種の特徴を見てわかる味チャートとともに解説
カベルネ・ソーヴィニョン
カリフォルニア、チリが有名で、より豊かで果実味が前に出た、濃密で凝縮したワインが造られています。
他にもオーストラリアやアルゼンチン、イタリア、南ヨーロッパ、東ヨーロッパなど世界中のワイン産地で高品質なワインを生んでいるぶどうです。
シラー
原産地のフランスとオーストラリアが2大産地で、それぞれ違った味わいを持っています。
オーストラリアでは熟した果実味が前面に出るのが特徴で、骨格がしっかりした、滑らかなタンニンを持つ上品な味わいです。
シャルドネ
ワインを生産している国でこの品種を栽培していない国はないと言えるほど、世界中で広く栽培されています。
果実味、酸味、骨格の強さなど、ワイン用ぶどうとしての基本の能力は全て非常に高く、どのような味わいに造っても美味しいワインになります。
まとめ
日本では悩んじゃう、ワインの水割りですが、古代からあった飲み方なんです。
黄金比は1対1ですが、アルコールを調整することが出来るのが、水割りのいいところです。
その日の体調に合わせて楽しんでください。
水割りを作る時は、白ワインも赤ワインも冷やした方が美味しいです。
ワインを水で割ると凄く飲みやすくなっちゃいますよ。
くれぐれも飲みすぎに注意して、素敵なワインライフをお過ごしください。
ワインを定期的に届けてくれるサブスクサービスは、店によって全然特徴が違います。
選び方や注意点について記事書いてます
→「お店によって特徴が全然違う!?定期的にワインが届くサブスクを紹介」