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ケンゾーエステートというワイナリーをご存じですか?
日本の有名大企業「カプコン」の創業者の辻本憲三氏が、ゼロから作り上げたワイナリーなんです。
カプコンといえば、モンスターハンターやバイオハザードなど有名なゲームソフトを造る企業としてよく知られています。
日本でも非常に人気が高く、最も有名なカリフォルニアワインの一つと行っても、過言ではありません。
ケンゾーエステートにはワインが美味しいということだけでなく、実はたくさんの魅力があるんです。
そこで今回は、ケンゾーエステートの魅力をストーリーも交えて解説していきます。
ケンゾーエステートはどんなワイナリー
ケンゾーエステートがどのようなワイナリーなのか、簡単に見ていきましょう。
ケンゾーエステートとはアメリカ、カリフォルニア州のナパ・バレーに位置するワイナリーで、カプコンの創業者である辻本憲三氏が営んでいます。
ナパ・バレーはアメリカ随一の銘醸地で、カベルネ・ソーヴィニヨン種などを使用した高級赤ワインが有名です。
例えば、有名高級赤ワインのオーパス・ワンもナパ・バレーで造られています。
アメリカ西海岸に面しており、雨が少なく太陽の日差しが強いのでブドウがよく熟し、濃厚で力強い味わいのワインに仕上がります。

(引用:GoogleMap)
ケンゾーエステートは濃厚な赤ワインだけでなく、白ワインやスパークリングワイン、甘口ワインなど
様々なバリエーションのワインも生産しています。
ブドウ品種の「カベルネ・ソーヴィニヨン」や高級ワインである「オーパス・ワン」については、以下の記事で詳しく説明していますので、
ぜひご覧ください。
ワインの味を左右するぶどう9品種の特徴を見てわかる味チャートとともに解説
オーパス・ワンはなぜ有名?その裏にワインの新世界を開拓した逸話が
ケンゾーエステートの軌跡
なぜゲーム会社であるカプコンの創業者が、わざわざカリフォルニア州のナパ・ヴァレーという地でワインを造り始め、
世界で認められるほど評価されるようになったのでしょうか。
ケンゾーエステートが、ワインをリリースするようになるまでの軌跡を見ていきましょう。
ワイン造りを始めるきっかけ

(出典:Kenzoestate)
辻本氏のワイン造りの軌跡は、カリフォルニア州にあるナパ・バレー内のワイルドホース・バレーという、
東京ドーム310個分の広さの土地を購入したところから始まりました。
この土地は元々は乗馬クラブがあった場所で、負債が膨らんだことで売りに出されました。
実は辻本氏は、ワイン造りを始めるためにこの土地を購入したわけではありません。
最初はユーザーをインドアな遊びに偏らないで欲しいという思いから、
新たな屋外アミューズメント事業(馬と遊べるテーマパーク)の建設を目的に購入しました。
実はワイルドホース・バレーはブドウ栽培に非常に適した土地で、現地のワイナリーから羨ましがられるほどでした。
広大すぎる土地が売りに出されても、高額過ぎて普通のワイナリーでは購入できません。
カプコンという大企業の創業者で資金力のある辻本氏だからこそ、この土地を購入することができたのです。
「ブドウ畑を造りたいから土地を貸してほしい」「敷地内の水を使わせてほしい」というオファーがたくさん舞い込むようになるに連れて、
辻本氏が自身でワインを造りたいと考えるようになりました。
すでに現地でナパ・バレーのワインに慣れ親しんでいた辻本氏は、「ナパ・バレーのワインをもっと日本でも親しめるようにしたい」という想いで、
ワイン造りを始める決意をしたのです。
ゼロからブドウを造り始める
辻本氏は現地のワイナリーと交流をしたりしながら、着実にワイン造りについて学んで準備を整えました。
1998年には1年かけてワイルドホースバレーの中でも、さらにブドウ栽培に適したエリアを調査し、
ブドウを植えられるように大規模な工事を行いました。
1999年にはついに、カベルネ・ソーヴィニヨンなどのボルドー品種をこの地に植え、本格的にブドウ造りがスタートしたのです。
ワイルドホースバレーという広大な土地を購入し、さらに大規模な工事を行うのにはお金もたくさんかかります。
「最高のワインを造りたい」という強い信念を持つことができたからこそ、辻本氏はゼロからワイン造りをスタートさせることができたのです。
運命の出会いとリスタート
2001年にはついにブドウが収穫され、ワインがリリースされると思いきや、なんとそのブドウでワインが造られることはありませんでした。
その理由は、全てのブドウ樹を植え替えて1からやり直すことになったからです。
きっかけは、新たにケンゾーエステートのチームに加わった、デイビッド・エイブリュー氏が提示した条件でした。
エイブリュー氏は、ハーランエステートやコルギンといった、高級ワインを造る畑の栽培チームを指揮していたという実績のある人物です。
ケンゾーエステートの畑のポテンシャルには、最高のブドウができるもの凄い可能性を感じるとともに、
畑づくりはまだまだ完璧ではないことをエイブリュー氏は悟ります。
元々クリエイターである辻本氏は、エイブリュー氏の感性に惹かれてケンゾーエステートのチームに加わって欲しいとオファーしました。
しかし、完璧主義者であるエイブリュー氏は「全ての樹を引き抜き、畑をゼロから作り直すこと」という条件を提示します。
辻本氏は、世界最高峰のワインを造りたいという想いから、エイブリュー氏の提案を受け入れてまたゼロからブドウ栽培を始めることとなりました。
ついに初リリース
エイブリュー氏が参戦し、畑が徹底的に整備されて最高のブドウを作るための準備が着々と進められていく中で、
新たな仲間がケンゾーエステートに加わります。
その名はハイディ・バレット氏、彼女はマヤやスクリーミングイーグルといった数万円もするような、高級ワインを造った経歴のある人物です。
ブドウ栽培チームはエイブリュー氏、ワインを造る醸造はハイディ・バレット氏というナパワインの大スターが加わり、
ついに2008年に初リリースされます。
リリース後は芳醇で素晴らしい味わいが話題となり、即完売になるほどの人気でした。
こうしてケンゾーエステートは、高品質なワインを造れるようになるまで成長することができたのです。
ケンゾーエステートが評価される理由
辻本氏が18年かけてリリースしたワインは、瞬く間に世間に評価され人気ワイナリーの仲間入りを果たしました。
ケンゾーエステートのワインが、世間で評価されているのには理由があります。
その理由は最高のブドウを造るための努力や、徹底的な品質管理を行なって確実に消費者に高品質のワインを届けているからです。
評価されている理由を詳しくみていきましょう。
ワインに対するこだわり
ケンゾーエステートは素晴らしいワインを生み出すための、強いこだわりを持っています。
例えば最高のブドウを栽培するために、470万坪の広大な敷地の中から、ブドウ栽培に適したたったの5%のみがブドウ畑になっています。
敷地内のほとんどは手付かずの大自然で、排気ガスや排水などの化学的なものから徹底的に畑を隔絶しているのです。
そうすることで、ケンゾーエステートが求める最高のブドウを造ることができます。
さらにケンゾーエステートのワインは、法律によって認められた「エステイトボトル」の称号を与えられています。
エステイトボトルとは、ワイナリーと同じエリアで地震があった管理する畑で造られたブドウのみを使い、
醸造から樽熟成から瓶詰めまで全て一貫してワイナリーが敷地内で行うことで、得られる称号です。
自然豊かで非常に高品質なブドウを産む、ケンゾーエステートの畑で造られたブドウを厳選して使用し、
醸造から瓶詰めの全ての工程において、こだわり抜いて生産されたプレミアムワインなのです。
徹底的な品質と販売管理
ケンゾーエステートのワインは、普通のスーパーやワインショップでは購入することができません。
基本的には、ケンゾーエステートの直営店か一部の認められたデパートでの販売、一部のレストランへの卸しのみ行なっています。
その理由は、ワインの製造から販売まで一貫して行うことで、確かな品質を保ち確実に美味しい状態でお客様に提供するためなんです。
理想的な環境でワインを保存しないと味わいが変化する危険性があるので、ここまで徹底して販売を行なっています。
また、希少性が高く品薄になりがちなので転売されるケースも少なくないのです。
ケンゾーエステートでは転売は固く禁じるように呼びかけられていますし、品質が保証されないので、直営店から購入するようにしましょう。
アメリカや日本で高評価
ケンゾーエステートは特にアメリカや日本で、高い評価を受けています。
ソーヴィニヨン・ブラン種を使用した「あさつゆ」はワイン評価アプリ「Vivino」が毎年表彰するワインアワードで、
2014年から3年連続でアメリカの「ベスト・オブ・ソーヴィニヨン」に選ばれました。
「藍」や「紫」といった赤ワインは、アメリカのワインインスティテュートという権威ある情報誌で、高得点をマークしています。
最近では全米メディア「ポンフォーツワイン&スピリッツジャーナル」で栄誉ある世界のワイナリートップ100にも選ばれました。
また、「りんどう」という赤ワインはANA国際線のファーストクラスにも採用された実績があります。
ケンゾーエステートのおすすめワイン3選
ケンゾーエステートはどんなワインを造っているのでしょうか?
そこでおすすめ銘柄を3つ紹介していきます。
朝露(あさつゆ)

(出典:Kenzoestate)
あさつゆはケンゾーエステートが造る辛口白ワインです。
夜明け前の畑に降りた朝露をイメージしたネーミングで、爽やかな香りと芳醇な味わいが特徴です。
ブドウ品種はソーヴィニヨン・ブラン種が主体で、全米の「ベスト・オブ・ソーヴィニヨン」にも選ばれていました。
日本食にも寄り添う透明感があり、ワイン初心者でも飲みやすい味わいなので非常におすすめの銘柄です。
紫鈴(りんどう)

(出典:Kenzoestate)
紫鈴はケンゾーエステートが造る赤ワインの中でも、最もスタンダードな銘柄です。
紫は高貴なものを示す色、鈴は「鈴なり」にブドウが実る様を表現しています。
カベルネ・ソーヴィニヨン種を主体のボルドー・ブレンドで、濃厚なプラムやカシスを思わせる香りと、濃厚な味わいが特徴のフルボディな味わいです。
濃厚で渋みがありながらも繊細な口当たりが魅力ですので、ぜひ試してみてください。
夢久(むく)

(出典:Kenzoestate)
夢久はケンゾーエステートがリリースする、唯一の甘口ワインです。
覚めない夢を見ているような幸福感を表したネーミングで、ライチや柑橘のような香りとシロップのような濃密な甘みが特徴です。
ぜひ試してみてください。
どこで飲めるの?
ケンゾーエステートのワインは、直営のレストランで楽しむことができます。
営業中の直営店は、東京は広尾と六本木、銀座の3店舗と大阪と京都の合計5店舗です。
レストランとバー、ワインショップが併設していて、ほぼ全種類のワインがグラス1杯から試飲することもできます。
レストランはラグシュアリーで高級感ある雰囲気で、和と洋の融合したかのような料理が楽しめます。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
今回はケンゾーエステートが10年以上の時間をかけて、ゼロからワイナリーを造り有名になるまでの軌跡を見てきました。
高品質なワインを造るためのこだわりと、徹底的な品質管理をしているからこそ、アメリカや日本国内で高い評価を得ています。
また、「あさつゆ」「りんどう」「むく」といった人気銘柄も紹介しました。
まだ飲んだことがないという人も、ぜひケンゾーエステートのワインを試してみてはいかがでしょうか。
ワインを定期的に届けてくれるサブスクサービスは、店によって全然特徴が違います。
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