ワインを定期的に届けてくれるサブスクサービスは、店によって全然特徴が違います。
選び方や注意点について記事書いてます
→「お店によって特徴が全然違う!?定期的にワインが届くサブスクを紹介」
世界のワイン用ブドウの品種は、5,000種類ともいわれています。
すべての品種を味わおうと思ったら、毎日1種類飲んでも約14年近くかかるほどです。
今回そんな白ワインに使うブドウの種類と特徴をまとめました。
一口にブドウといっても、いろんな特徴があるのにびっくりしますよ。
白ワインについて
赤ワインは、主に黒ブドウの「果実」、「果皮」、「種子」から造られますが、白ワインは、主に白ブドウの「果汁」で造られます。
ワインの味を構成するのは、主に酸味、甘味、渋味ですが、白ワインの味を構成するのは主に酸味と甘味になります。
ワインの渋味の成分は果皮に含まれているので、白ワインには渋味があまり入りません。
酸味はもちろん品種によって違うのですが、栽培地の気候や土壌にも影響されます。
寒い地域で育てられたブドウは酸味が強くなり、温かい地域で育てられたブドウはそれが弱くなる傾向にあります。
同じブドウを使っても甘口も辛口も造れるのは、甘味は果実自体の甘さに由来するものではないからです。
甘味は、ワインに残っている残糖度によって決まるのです。
(残糖度:発酵させた後にワインに残っている糖の量)
ワインの味わいについての記事が有りますので、紹介します。
ワインで言う「辛口」は辛くない!?辛口の意味とおすすめの辛口ワイン
ワイン特有の苦味が得意でないならデザートワインがピッタリかも!?
白ブドウの三大品種
シャルドネ

出典:サッポロビール株式会社
シャルドネは世界的に最も人気のある白ブドウです。
環境への順応性が高く、病気に強い品種で、ほぼすべてのワイン生産国で栽培されています。
特有の香りや味がなく、栽培環境や醸造方法によって味わいが変化します。
爽やかな酸とミネラル分豊かなキレのあるワインや、香り豊かでコクのあるエレガントなワインなど多様なワインを生み出します。
温暖地で栽培されると、完熟した果実の風味が感じられる、コクのある味わいになります。
一方、寒冷地で栽培されると、柑橘系の香りやすっきりとした酸を備えた上品な味わいになります。
フランス ブルゴーニュ地方の代表的品種でもあり、「シャブリ」や「モンラッシェ」など優れたワインの数多くが造られています。
フランス シャンパーニュ地方では「シャンパン」の主要品種としても使用されています。
代表的栽培国は面積順に、フランス、アメリカ、オーストラリア、イタリア、チリです。
ソーヴィニヨン・ブラン
ソーヴィニヨン・ブランは和食とも相性がよく、日本でもとても人気のある品種です。
レモンやグレープフルーツ、青林檎などをイメージさせる爽やかな酸味と、後味に心地よい苦みが特徴です。
フランスのような冷涼な気候で育てられると、ワインはハーブやライムの爽やかな香りがあり、強めの酸が爽やかで飲みやすくなります。
一方、ニュージーランドのような温暖な気候で育てられると、ワインはトロピカルフルーツの香りがあり、酸が抑えられ柔らかな飲み心地になります。
主要栽培国は面積順に、フランス、ニュージーランド、チリ、南アフリカ、モルドバです。
モルドバは東欧に位置する旧ソ連の構成国で、ワインの生産地として知られています。
リースリング
リースリングは、耐寒性に優れたブドウで冷涼地に多く見られる白ブドウの品種です。
ライムやレモンのような張りつめたシャープな酸味と、白桃や洋梨のようなほのかな甘みを兼ね備えているのが特徴です。
ドイツでは、高級品種として甘口~辛口、貴腐ワインまで様々なタイプの白ワインが造られています。
(貴腐ワイン:独特の芳香と甘美な甘さを持つ極甘口ワイン)
世界三大貴腐ワインの1つである「トロッケン・ベーレン・アウスレーゼ」もリースリング種から造られています。
辛口の場合は爽やかな酸味や花の香り、ミネラル分が特徴となり、甘口になると蜂蜜のような濃密な味わいを楽しむことが出来ます。
寒冷地で栽培されると、林檎などの果実の香りとしっかりとした酸味があります。
やや温暖な気候のもとで栽培されると、柑橘系や桃の香りがあります。
主要栽培国は面積順に、ドイツ、ルーマニア、アメリカ、フランス、オーストラリアです。
リースリングについての詳しい記事はこちらになりますので、参考にどうぞ。
白ワインの原料である高貴品種リースリングの特徴と生産地のおすすめワイン
フランスの白ブドウ品種
フランスは三大品種を使った高品質な白ワインが有名ですが、三大品種以外も様々な品種のブドウを使った白ワインが造られています。
フランス全体としては、南部の地中海沿岸を除いては冷涼な気候になるので、酸味のしっかりとしたブドウの栽培が多いです。

ヴィオニエ
ヴィオニエは、アプリコットやジャスミン、紅茶、白い花などの豊かな香りを特徴としており、コクがあり飲み応えのあるワインが造られます。
フランス ローヌ地方のコンドリューでは、ヴィオニエ単独でエレガントな味わいの高級白ワインが造られています。
主要栽培地:フランス ローヌ地方、南アフリカ、アメリカ、オーストラリア
ピノ・グリ
ピノ・グリは、黒ブドウのピノ・ノワール種が突然変異して出来たといわれています。
(ピノ・ノワール:赤ワイン用に栽培されるヨーロッパブドウの一品種)
ピノ・グリは白ブドウでありながら、果皮が赤茶色をしているのが特徴です。
フレッシュで酸味のしっかりしたものから、花梨や蜂蜜の華やかな香りが広がるものまで、生産地によって多様な味わいを生み出します。
主要栽培地:フランス アルザス地方、北イタリア、ドイツ、アメリカ、ニュージーランド
セミヨン
セミヨンは、フランス ボルドー地方のグラーヴでは、主にソーヴィニヨン・ブランとブレンドされ辛口ワインが造られます。
オーストラリアでは、セミヨン100%で辛口ワインが造られています。
その果皮が薄く貴腐化しやすいため、フランス ソーテルヌ地方では濃密な甘口ワインが造られています。
これは、世界三大貴腐ワインのひとつ「ソーテルヌ」です。
主要栽培地:フランス ボルドー地方、アメリカ、南アフリカ、オーストラリア、カナダ、ニュージーランド
ミュスカデ
ミュスカデは、フレッシュな柑橘系の香りとしっかりとした酸を持った、辛口白ワインが造られています。
発酵後に澱を取り除かず、一緒に長期間寝かせることで旨味を引き出す、シュール・リー製法で造られることが多いです。
混同されがちですが、「ミュスカデ」と、「ミュスカ」「ミュスカデル」は別の品種です。
主要栽培地:フランス ロワール地方
シュナン・ブラン
シュナン・ブランは、青林檎や黄林檎を思わせる爽やかな酸味に、メロンやアプリコット、花梨、蜂蜜などの香りが特徴です。
フランス ロワール地方では辛口白ワインだけでなく、スパークリングワインや甘口ワインなど様々なタイプのワインが造られています。
味わいは地域の影響を受けやすく、産地ごとに個性溢れるワインが生まれます。
主要栽培地:フランス ロワール地方、南アフリカ、アメリカ、チリ、アルゼンチン、ニュージーランド
アリゴテ
アリゴテは、一般的には酸味の強いフレッシュな味わいを特徴としています。
フランス ブルゴーニュ地方では、芳醇でふくよかな味わいの白ワインが造られています。
ワインベースのカクテル、キールの原料となるブドウとして有名です。
(キール:白ワインに少量の黒スグリのリキュールを加えたカクテル)
主要栽培地:フランス ブルゴーニュ地方
ミュスカ
ミュスカはマスカット・オブ・アレキサンドリアとも呼ばれます。
マスカットのような甘い香りが印象的な、辛口ワインが造られます。
フランス ラングドック・ルーション地方では、ヴァン・ドゥ・ナチュレルと呼ばれる、
発酵中のワインにブランデーを添加して造る、甘口の酒精強化ワインが有名です。
ちなみに、マスカット・オブ・アレキサンドリアは、日本国内では、岡山県で栽培されています。
県内で、マスカット・オブ・アレキサンドリアを使ったワインの醸造も行っています。
混同されがちですが、「ミュスカ」と、「ミュスカデル」「ミュスカデ」は別の品種です。
主要栽培地:フランス ラングドック・ルーション地方、アルザス地方、イタリア ピエモンテ州、スペイン
ゲヴェルツトラミネール
ゲヴェルツトラミネールは、ライチやマンゴー、白い花などの華やかな芳香を持ち、芳醇でまろやかな口当たりのワインを生み出します。
辛口ワインでは、香りと味わいにギャップに戸惑うほど、甘い香りを放ちます。
甘口ワインも造られるので、味わいは産地によって様々です。
主要栽培地:フランス アルザス地方、イタリア、ドイツ、東欧、アメリカ、オーストラリア、カナダ
シルヴァネール
シルヴァネールは、香りの中に少し土っぽいニュアンスがあるのが特徴です。
基本的に酸味が強く、軽やかな早飲みワインが造られます。
主要栽培地:フランス アルザス地方、ドイツ フランケン地方、ラインヘッセン地方
ピノ・ブラン
ピノ・ブランは、一般的に酸の強い柑橘系のフルーティーな味わいの、辛口白ワインになります。
一部では、他の品種とブレンドされてスパークリングワインも造られています。
主要栽培地:フランス アルザス地方、ドイツ、イタリア
ミュスカデル
ミュスカデルは、単一でワインが造られる事は少なく、ソーヴィニヨン・ブランやセミヨンとブレンドされる事が多いです。
辛口ワインは、蜂蜜のような甘い香りやジャスミンのようなフラワリーな香りが楽しめます。
ミュスカデルが貴腐菌をまとえば、貴腐ワインも造られます。
酸が低くムスクのような花の香りが特徴です。
混同されがちですが、「ミュスカデル」と、「ミュスカ」「ミュスカデ」は別の品種です。
主要栽培地:フランス ボルドー地方、オーストラリア
イタリアの白ブドウ品種
イタリアは全ての州でワインが造られています。
ブドウはヨーロッパ系の代表品種だけではなく、イタリアのみで作られている品種が多いのが特徴です。
気候は温暖で、日照時間が長いことからブドウが完熟しやすいです。
イタリアの白ワインは、全体的にブドウの風味をはっきり感じられるのが特徴です。
フレッシュでさらりと飲みやすいカジュアルなものから、国際品種を使用した高級なものまで造られています。
イタリアワインについて詳しい記事はこちらになりますので、参考にどうぞ。

ガルガーネガ
ガルガーネガは、レモンやグレープフルーツのような爽やかな香りに加え、若干のスパイスを感じます。
ソアーヴェに使われるブドウの品種として有名です。
ソアーヴェとは、イタリア ヴェネト州の辛口白ワインです。
酸味が強く、長期熟成に耐えられるため、高級甘口ワインにも使われます。
主要栽培地:イタリア ヴェネト州、ロンバルディア州、フリウリ・ヴェネツィア・ジューリア州
コルテーゼ
コルテーゼで造られたワインは、柑橘系の果実のようなフレッシュな香りと心地良い酸味をもったすっきりした辛口のワインに仕上がります。
魚介類に合わせるために造られたのが、イタリアピエモンテ州のガヴィです。
ガヴィは、アルコール度数低めで酸の調和のとれた、爽やかなワインです。
主要栽培地:イタリア ピエモンテ州、リグーア州、ロンバルディア州
トレッビアーノ
トレッビアーノは、イタリア国内で最も生産量の多い白ワイン品種です。
レモンなどの柑橘系の香りがあり、酸味の強い品種です。
多くはブレンドされ柑橘系の香りをもった、爽やかでフルーティーな味わいのワインが造られます。
主要栽培地:イタリア トスカーナ州、アブルッツォ州、フランス
イタリアのワインについてもっと知りたい方は、こちらの記事をどうぞ。
スペインの白ブドウ品種
スペインでは、日照量に恵まれ、地域ごとに気候や土壌が異なることから、スペイン固有品種やヨーロッパ品種など個性豊かなブドウが栽培されています。
スペインの白ワインは全体的に、口当たりがよくフルーティーなのが特徴です。
ブドウの風味はイタリアのものと比べてもより豊かです。

アルバリーニョ
アルバリーニョは、イベリア半島北西側の大西洋沿いで、主に栽培されています。
(イベリア半島は、ヨーロッパの南西に位置する半島で、スペインとポルトガルの領土です。)
豊かな果実味と、シャープな酸味のバランスがよく、海の近くの栽培地の影響を受けて、味わいにミネラル感があります。
主要生産地:スペイン ガリシア州、ポルトガル ミーニョ地方
パロミノ
パロミノは、 酸味が強く、独特のフレーバーを持つ辛口の白ワインを生み出します。
シェリーの原料として有名です。
シェリーは、スペインで造られる酒精強化ワインで、造り方により色調、味わいとも色々なタイプがあります。
主要生産国:スペイン アンダルシア州、南アフリカ
アイレン
アイレンは、スペインで一番生産量の多い白ブドウ品種です。
ブランデーの原料として使われることが多いです。
最近は、アイレンから辛口の白ワインやスパークリングワインも造られるようになってきています。
レモンなどの柑橘の香りに、青林檎、パイナップルといったさわやかなフルーツの香りを感じます。
穏やかな酸味、軽快な味わいのワインが造られています。
主要栽培地:スペイン
オーストリアの白ブドウ品種
オーストリアは、朝晩の気温差が大きく、降水量が少なく乾燥した気候です。
アルプス山脈から吹きつける冷風や、チェコからの北風の影響を強く受けるので、気候は冷涼です。
栽培されるブドウにはしっかりとした酸が残ります。
グリューナー・ヴェルトリーナー
グリューナー・ヴェルトリーナーは、オーストリアで最も生産量の多い固有地場品種です。
辛口から甘口、フレッシュで軽快なタイプから重厚なフルボディタイプと様々なスタイルのワインが造られています。
一般的な特徴としては、ハーブや白胡椒のような爽快な香りとミネラル感、比較的味わいが濃く、アルコール度数や糖度の高さがあげられます。
主要栽培地:オーストリア、ハンガリー、スロバキア、チェコ
ハンガリーの白ブドウ品種
ハンガリーの気候は、夏は暑く冬は寒さが厳しいので、白ワインは、酸味が強く爽やかなものが多いのが特徴です。
フルミント
フルミントは、はつらつとしたシャープな酸が特徴です。
若いうちは酸味が強く、熟したリンゴの豊かな芳香があります。
酸が非常に高く糖度も高いブドウ品種なので、熟成が進むと豊かな風味で独特な味わいのワインが造られます。
造り方によって甘口から辛口まで、色々な味わいがあります。
三大貴腐ワインのひとつ、「トカイワイン」に使われるブドウの品種として知られています。
主要栽培地:ハンガリー
日本の白ブドウ品種
日本の白ワインは、酸味がまろやかで上品な甘さと飲みやすさが特徴です。
味わいは、繊細で透明感がありすっきりとした印象で和食にぴったりです。
甲州
甲州は、日本を代表する白ワイン品種で、山梨県勝沼市を中心に栽培されています。
2010年に、国際ブドウ・ワイン機構より日本初の国際品種として認定されました。
ワインは、柚子やカボスなど、日本の柑橘のような風味を感じる軽やかさが特徴です。
主要栽培地:日本
山梨ワインについての記事はこちらになりますので、参考にどうぞ。
日本ワインの誇り「山梨ワイン」が誕生したルーツとおすすめを紹介
まとめ
白ワインのブドウの品種を紹介しました。
三大品種、シャルドネ、ソーヴィニヨン・ブラン、リースリングの他にもたくさんの品種がありました。
やはり、フランス、イタリア、スペインで栽培されている品種が多かったですね。
同じブドウの品種でも、栽培地によって味わいが変わるのは不思議です。
見慣れないブドウの品種の白ワインを見つけたときには、ぜひ一度チャレンジしてみてください。
ワインを定期的に届けてくれるサブスクサービスは、店によって全然特徴が違います。
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