ワインの知識

ヴィンテージチャートでワインの良し悪しが分かる?その活用法を紹介

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同じワインでも、ヴィンテージによって味が変わることを知っていますか?

同じワインなら、あなたもいいヴィンテージのワインが飲みたいかもしれません。

ただ、世界各地で造られているワインのヴィンテージ、全部覚えられませんね。

そんな時に役に立つのが、ワインのヴィンテージチャートです。

そこで今回はワインのヴィンテージチャートとヴィンテージの重要性、そしてチャートの活用法について見ていきたいと思います。

ヴィンテージチャートとは?

ヴィンテージチャートとは、ワインの生産地ごとで、ヴィンテージ別にブドウの作柄を評価して一覧表にしたものです。

だいたい以下のような形の一覧表になっています。

ヴィンテージチャートを作る人によって、少し評価や表記の仕方は異なりますが、

評価はほぼどれも似ており、各ヴィンテージ毎でブドウの作柄が4〜5段階で評価されていることが多いようです。

ヴィンテージ:ブドウが収穫された年

作柄:ヴィンテージごとのブドウの出来栄え

(出典:キリンビール)

ブドウはたとえ同じ畑で造られたとしても、天候は毎年違うので、ヴィンテージによって作柄は変わってきます。

ヴィンテージチャートを見れば、ブドウの作柄がいいのか悪いのかが一目で判別できます。

ヴィンテージチャートの見方

でもヴィンテージチャートって、どうやって見るのか分かりづらいですね。

そこで、以下のフランス/ボルドー地方の2000〜2011年のヴィンテージチャートを例にして、見ていきましょう。

このチャートは100点満点のポイント方式で、縦軸が各ヴィンテージ毎、横軸が各産地毎のポイントです。

(出典:マイワインクラブ)

縦軸のヴィンテージで見ると、2000年・05年・09年・10年は、3つの産地とも他のヴィンテージより高いポイントなのが確認できますね。

つまりこのチャートからは、この4つは、他に比べていいヴィンテージだと判断できます。

もし、あなたがこの3つの産地いずれかの古いヴィンテージのワインを持っていて、

この4つのヴィンテージいずれかに当てはまっているなら、とても喜ばしいことですね。

また例えば、知り合いの子供のために生まれ年ワインを差し上げたいが、生まれ年のヴィンテージはどうなんだろうと、

すぐに調べることができます。

もしお目当ての産地でヴィンテージがあまりよくないようなら、別の産地で同じヴィンテージを探してみるといいでしょう。

ヴィンテージの良し悪しは世界各地で異なるので、ある産地のヴィンテージがあまり良くないとしても、

違う産地ではいいヴィンテージだった、ということはザラにあるみたいです。

ワインのヴィンテージは重要?

でも、ワインでヴィンテージってそんなに重要なのでしょうか?

ヴィンテージは、ワインの香りや味わいに大きく関係する大事な要素です。

なぜかというと、ワインの品質は、原料であるブドウの品質によって大きく左右されるからです。

とはいえブドウは農産物なので、毎年同じ品質のものを造り続けることはできません。

その年の天候によって、ブドウの作柄が大きく変わります。

そのため、たとえ同じブドウ、同じ場所、同じワインであっても、ヴィンテージが違うだけでワインの品質は変わります。

一般的には、ブドウの作柄がいいヴィンテージは、品質の高いワインができやすい傾向にあります。

そのため、ワイン産地周辺の天候や今年のブドウの作柄については、世界中のワイン愛好家の間で常に注目されています。

ブドウの作柄とは?

ブドウの作柄と言われても、今いちピンと来ないかもしれないので、もう少し見ていきましょう。

「当たり年」や「グレートヴィンテージ」って聞いたことありませんか?

これは、ブドウの作柄がよかったヴィンテージのことです。

具体的にブドウの作柄がいいとは、ブドウが豊作だった、

つまり完熟して糖度が高く、果実味の凝縮されたブドウがたくさん収穫できたということです。

この作柄のいいブドウでワインを造った場合、アルコール度が高くなり、長期熟成も可能なワインができると言われています。

(ちなみに、このようなワインが品質の高いワインと呼ばれます。)

一方で、天候に恵まれずブドウの生育が芳しくなかったヴィンテージは、「外れ年」「オフヴィンテージ」、

または言い方をぼかして「難しい年」などと言われます。

このようなヴィンテージは、長期熟成が難しい、つまり早飲みタイプのワインが多くなる傾向があります。

同じワインを買うなら、より品質がいいものを選んで買いたい人は多いので、当たり年と言わているヴィンテージのワインは値段が上がる、

逆に外れ年と言われるヴィンテージのワインは値段が下がります。

ヴィンテージチャートは目安として使おう

ここまでで、ワインにとってヴィンテージの重要性を見てきました。

ではワインを買う時や調べる時、まずはヴィンテージチャートとにらめっこして、いいヴィンテージを選んだ方がいいのでしょうか?

実は、ワインの品質はヴィンテージだけで判断することはできません。

ヴィンテージチャートは盲信せず、あくまで目安として使った方がいいです。

どういうことなのかを、以下で見ていきましょう。

ヴィンテージの評価はあくまで全体的

ヴィンテージチャートを見て分かるかもしれませんが、ヴィンテージの評価は広い範囲を画一的、平均的に評価しています。

つまり、より狭く限定した範囲内では、ヴィンテージを一括りにして正確に評価することができません。

例えばフランスのブルゴーニュ地方は、地方や地区よりもさらに狭い畑の単位でも違いが生じます。

つまり隣同士の畑であれば同じワイン、同じヴィンテージ、同じ生産者であっても、ワインの味わいや香りが違ってくるということです。

なぜこんなことが起きるかというと、ブルゴーニュ地方は「テロワール」が異なるから、

つまり、ブドウ樹をとりまく自然環境が畑単位で違うから、と言われています。

このようにヴィンテージの評価は、畑単位で環境が異なる場所では、一律にカバーすることまではできません。

今お話しした、ブルゴーニュ地方の「テロワール」についてより詳しく知りたい方は、以下の記事を参考にしてみてください。

ブルゴーニュワインはどんなワイン?特徴や主な産地、オススメも紹介

そのためヴィンテージチャートは、より品質がいいワインを選んで買うために、重要な指標の目安にはなりますが、

お目当てのワインのヴィンテージを正確に反映しているとは限らないので、それだけでワインの良し悪しは判断できない、と言えそうです。

外れ年ワインでもガッカリしなくていい

ここまでで、ヴィンテージチャートだけではワインの良し悪しは判断できないことを、お話してきました。

ここから、外れ年のワインは美味しくないのかというとそうとも言い切れない、と言えそうですね。

つまり、もしあなたが外れ年のワインを持っていたとしても、ガッカリすることはないということです。

外れ年と言われているヴィンテージでも、ワインの品質が低いとは限らず、逆に品質の高いワインが生まれることがあります。

一般的に外れ年と言われているヴィンテージでも、一流の造り手のワインの場合はその中で様々な創意工夫を重ねています。

これによって、ヴィンテージの違いは、同じワインであっても味わいのスタイルの違いが生まれます。

そのため、外れ年であっても、飲んでみたらこっちの方が私は好きだ、

もしくは熟成してみたら美味しくなったというワインもたくさんあるみたいです。

ワインにとってヴィンテージはもちろん重要ですが、当たり年のワインを躍起になって探すのではなく、

ヴィンテージによってワインのスタイルが変わる、とおおらかに捉えた方が、私はもっとワインを楽しく飲めるのではないかなとも思います。

まとめ

今回は、ワインのヴィンテージチャートとその活用法について見てきました。

ヴィンテージチャートは、ワインにとって重要なヴィンテージを評価して一覧表にしたものです。

ワインは、ヴィンテージによって原料であるブドウの作柄・品質に大きく差が出るので、

ヴィンテージはワインにとってとても重要な指標です。

ただし、ヴィンテージチャートの評価とワインの良し悪しは、必ずしも一致しません。

ヴィンテージチャートの評価は、細かい地域・地区までをカバーすることはできず、

正確にお目当てのワインのヴィンテージを反映しているとは限らないからです。

ヴィンテージは大事ですが、ヴィンテージチャートはあくまで目安として活用しましょう。

ヴィンテージの評価が良くないからといっても、決してそのワインが美味しくないというわけではなさそうです。

そんなヴィンテージチャートをうまく活用して、美味しいワインが見つかるといいですね。

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