ワインの種類や銘柄

ばんしょうはホットワイン?!心も体も温まるヨーロッパの定番飲み物

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「ばんしょう」ってなんだかご存じですか?

万象、番匠、万障、漢字にするとこんなのが出てきますね。

私はあるテレビ番組で見て、何だろうと思って調べてみました。

今日はヴァン・ショー=ホットワインのお話です。

ヨーロッパでは、冬の風物詩として欠かせない飲み物です。

「ばんしょう」じゃなくて「ヴァン・ショー」

「ヴァン・ショー」はフランス語でホットワインのことです。

フランス語ではVIN(ヴァン)はワイン、CHAUD(ショー)はホット、そのままですね。

赤ワインに香りが強いスパイス、フルーツ類や砂糖、シロップなどを加え、温めて飲むワインのことです。

フランスのカフェでは、寒い時期になるとメニューにヴァン・ショーが登場します。

アルザス地方など白ワインの名醸地では、白ワインを使ったヴァン・ショー・ブランと呼ばれるホットワインもあります

ヴァン・ショ―の起源にはいくつかの説があります。

ギリシャ・ローマ時代、そのまま飲むには劣化が進んでしまったワインに、砂糖やスパイスを足して煮出したものが始まりという説。

中世の西ヨーロッパで、苦くておいしくない温めたワインに、スパイスを加えて作ってみたら、甘くて芳醇な飲み物になったという説。

その後、16世紀にはスウェーデンの王室で愛飲されるようになりました。

17世紀には、スウェーデンの国民にも親しまれるようになり、「グロッグ」と呼ばれるようになりました。

19世紀には、ヨーロッパ全土に広がりました。

いろんな国でホットワインは飲まれている

冬の寒さが厳しいヨーロッパで、クリスマスシーズンによく飲まれているホットワイン。

「温める」という意味を含む各国の言葉で呼ばれ、それぞれ飲み方が少しずつ違いますが、基本的には同じホットワインです。

では、フランス以外の国のホットワインを紹介していきましょう。

イギリスではマルド・ワインと呼ばれています。

マルド・ワインはクローブ、ナツメグ、シナモンといった香辛料と、柑橘類のフルーツ、砂糖を入れたホットワインです。

マルドというひと言で、「飲み物を甘くしてスパイスを入れ、温めること」を意味します。

ドイツ語圏のドイツ、オーストリア、スイスなどの国々では、グリューヴァインと呼ばれています。

グリューヴァインのグリューは、ドイツ語で「燃える・熱を帯びる」という意味です。

ヴァインはワインのことですね。

北欧、例えばフィンランドやスウェーデンなどではグロッグと呼ばれています。

グロッグの語源は古いスウェーデン語で「暖める」という意味です。

アーモンドとレーズンを入れて飲むのが北欧流です。

心にも体にも効くホットワイン

ホットワインに使われる赤ワインとスパイスには、どれも血行促進作用や身体を温める作用があります

そのため、一般的なホットドリンクよりも、身体がポカポカしたという実感が得られるのです。

また、ワインに含まれるポリフェノールは不安や緊張感などを緩和することで、気分を落ち着かせる効果があります。

ただし、ホットワインも当然お酒なので、飲み過ぎには注意してくださいね。

ワインの効能

ワインにはアントシアニンやタンニン、カテキン、レスベラトロールなど何種類ものポリフェノールが含まれ、抗酸化作用を発揮します。

活性酸素の働きなどを抑制するため、アンチエイジング効果も期待できます。

血流を促し、美肌や冷え対策にも効果があります。

アルコールには血管を拡張して血行を高める作用がありますので、ホットワインを飲むことで身体がポカポカとしてきます。

アルコールは分解されて排出される途中にアセトアルデヒドという物質がつくられますが、この物質には血管を拡張する作用があるからです。

また、多くのホットワインで使われる赤ワインには、身体を温める食べ物の色である赤い果皮ごと発酵させてつくりますので、身体を温める作用があると言われています。

ワインの健康効果、摂取する適量についての詳しい記事はこちらになりますので、参考にして下さい。

ワインでアンチエイジング!ポリフェノールの作用や効果的な取り方とは?

スパイスの効能

シナモンには、体の冷えを取り除き、血の巡りをよくする成分が含まれています。

そのため冷え症(冷え性)や、冷えからくる肩こり・関節痛・腹痛・下痢・月経痛などの痛みにも効果が期待できます。

クローブには強い鎮痛効果と抗菌効果があります。

クローブに含まれるオイゲノールは抗酸化作用に優れ、老化を防止し動脈硬化を防ぎます

スターアニスには食欲を増進させる効果があります。

スターアニスに含まれるリモネンは、交感神経を刺激し血行を促し、体内の代謝、消化活動を活発にして消化吸収を高める効果があります。

カルダモンにはテルピニルアセテートという胃液や粘膜の分泌を促進して消化を助ける働きのある成分が含まれています。

胃液や粘膜が分泌されて粘膜が鎮静されると、胃のむかつきや胃酸の過剰分泌を抑えることができます。

​​ナツメグに含まれるピネンという成分は胃の働きを正常にし、消化を促進してくれます。

香り成分であるミリスチシンには、消化吸収の増進、整腸作用、腸内ガスの排出の促進、等の作用があります。

ホットワインを作ってみましょう

伝統的なホットワインは、スパイスとしてシナモン、ジンジャー、ナツメグ、スターアニス(八角)、カルダモン、クローブなどを使うのが一般的です。

ホットワインに使うワインは、特に高級なものではなくテーブルワインがおすすめです。

どちらかというと、フルーティーなワインが好んで使われます。

80℃以上になるとアルコールが飛ぶので、くれぐれも沸騰させないように気を付けてくださいね

では、ホットワインの一般的なレシピを紹介します。

ホットワインの作り方

材料(6杯分)

・赤ワイン:750ml
・砂糖:125g
・オレンジの皮:2個
・黒胡椒(粒のまま):10粒
・シナモン(スティック):2本
・クローブ(ホール):3個
・スターアニス :1個

  1. 鍋に赤ワインを入れて、スターアニスを加えて火をつけます
  2. オレンジの皮をむきます
  3. 砂糖、黒胡椒、シナモン、クローブ、オレンジの皮を加えます
  4. 弱火で約20分温め、ざるなどでこしてください

オレンジの果実の部分を加えるとよりフルーティーになります。

はちみつを加えると、のどに優しい味わいになりますよ。

ホットワインの作り方

白ワインのホットワインの作り方

白ワインを使うホットワインは、甘めでよりフルーティーに作るのがおすすめです。

材料(6杯分)

・白ワイン(甘口):750ml
・水:150cc
・砂糖:80g
・オレンジ:1/3個
・レモン:1/3個
・スターアニス:1個
・クローブ (ホール):1個
・シナモン(スティック ):1本
・ナツメグ(パウダー):お好みで

  1. レモンとオレンジは皮をむいて、薄切りにしてください
  2. 鍋に白ワインと水を入れて、スターアニス、クローブ、シナモン、ナツメグ、オレンジ、レモンを加えます
  3. 約10分間、弱火で温めます
  4. 砂糖を加えて、さらに約5分間温めたら完成です
  5. オレンジ、レモンと一緒にグラスに移してお楽しみください。

ホットワインのアレンジレシピ

ホットワインには、決められたレシピはないので、様々なアレンジで楽しまれていますので、いくつか紹介しますね。

まずは、蜂蜜が決め手のイタリア風ホットワインです。

飲む直前にホットワインに混ぜる、蜂蜜の甘味と香りが楽しめてうれしいですね。

オレンジに含まれる豊富なビタミンC、女性ホルモンに似た作用があるシナモンなどは、美容効果もありますし、身体もポカポカして冷え対策にもなるホットワインです。

材料(6杯分)

  • 赤ワイン:1本
  • シナモン(スティック):9本(6本は付け合わせ用)
  • オレンジ:1個
  • クローブ(ホール):8個
  • ローリエ:3枚
  • 蜂蜜:適宜

作り方

  1. オレンジの皮をむきます、果肉は付け合わせ用にスライスします
  2. 鍋にワイン、シナモンスティック、クローブ、ローリエ、オレンジの皮を入れて、中火で煮ていきます
  3. アルコールが飛ばないように、沸騰する手前で弱火にして下さい
  4. ワインの中にフレーバーが溶け込むまで、30分ほどゆっくり煮ていきます
  5. グラスに少量の蜂蜜を入れ、その上にヴァン・ショ―を注ぎます
  6. オレンジスライス、シナモンスティックを添えればできあがりです

次は、香りと味の強いスパイスの代わりに生姜を、オレンジやレモンの代わりに柚子を使った和風のホットワインです。

ほっと和むようなおいしさとともに、生姜の温め効果と柚子のビタミンで風邪に負けない体を作るホットワインです。

材料(6杯分)

  • 赤ワイン:1本
  • 柚子:輪切りにしたもの10枚
  • きび砂糖:大さじ5
  • 水:250ml
  • レーズン:大さじ5
  • 生姜:薄切り10枚
  • ローズマリー:適宜

作り方

  1. 鍋に水、レーズン、生姜を入れて中火にかけ、煮立ったら弱火にして3分ほど煮ます
  2. 赤ワイン、柚子、きび砂糖を加え、温まったらカップに注ぎます
  3. ローズマリーを添えればできあがりです

ホットワインにおすすめのワイン

イエローテイル カベルネ・ソーヴィニヨン 

柔らかな果実の旨みと、落ち着きのある渋味で、しっかりした味わいがあります。

出典:Amazon com.

ピーター・メルテス ツェラー・シュヴァルツェ・カッツ

柔らかい口当たりで、フレッシュな果実味が感じられる白ワインです。

ハチミツ漬けのレモンのような、優しい甘さとキレのある酸とのバランスが楽しめます。

出典:Amazon com.

ちなみに、ドイツではホットワイン用のミックススパイスも販売されており、日本で買うことができます。

Rasalhanut グリューヴァイン スパイス 

出典:Amazon com.

また、ボトルに入った調理済のホットワインも市販されています。

これなら、スパイスやフルーツを準備しなくても、温めるだけで簡単にホットワインが楽しめます。

シュテルンターラー・グリューワイン

出典:Amazon com.

まとめ

ホットワインのことを、フランスでは「ヴァン・ショ―」と呼びます。

ホットワインは、寒さが厳しい季節のヨーロッパで楽しまれている飲み物です。

赤ワインに香りが強いスパイス、フルーツ類や砂糖などを加えて温めて作ります。

フランスのアルザス地方などでは白ワインを使うこともあるみたいです。

日本では、まだあまり馴染みがないですが、ヨーロッパ各地でそれぞれの国の言葉で親しまれています。

ワインの健康効果だけでなく、使われるスパイスで色々な体に良い効果が期待できますね。

ホットワインの、一般的なレシピとアレンジレシピを紹介しました。

あなたも、ぜひホットワインを作ってみてください。

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