ワインを定期的に届けてくれるサブスクサービスは、店によって全然特徴が違います。
選び方や注意点について記事書いてます
→「お店によって特徴が全然違う!?定期的にワインが届くサブスクを紹介」

ショップやレストランで「どんなワインがお好みですか?」と聞かれたり、
一緒に食事している人からワインの感想を求められたとき、あなたはどんなふうに回答していますか。
「おいしい」「飲みやすい」「重い、軽い」だけでも相手は十分かもしれません。
でも、「もっとうまく伝えられたらカッコいいのになー」と思ったこともあるはず。
実はワインの表現はちょっとしたコツをつかむだけでグッと具体性を持たせることができるんです。
この記事ではワインの特徴をつかみ、言語化する仕方をお伝えして参ります。
ワイン表現の練習の仕方も記載しているので、できればワインを片手にお楽しみください。
言葉にできればワインはもっともっと楽しくなりますよ!
ワインは「香り」と「味わい」をセットで表現する
ワインの感想は「香り」と「味わい」をセットで伝えるととても有効です。
「味わい」だけでよくない?と思われるかもしれませんが、
思いのほか「香り」が与える味わいへの影響は大きいのです。
有名な話ですが、カキ氷のシロップが
- イチゴ
- レモン
- メロン
- ブルーハワイ
どれも同じ味・原材料、違うのは香料(と着色料)だけということをご存じでしょうか。
これは香りの違いが同じ味のシロップを違うもののように錯覚させているだけなんです。
また風邪をひいて鼻がつまっているときになにか食べても「味を感じない」ということがあります。
このように食べ物や飲み物の味を判断するためには「香り」の要素が不可欠なのです。
ワインにおいても、「ワインの楽しみの半分以上は香り」といわれるほどに重要視されていますし、
香りを抜きにしてワインの魅力や特徴を伝えることはできません。
「香り」を表現する
ワインの香りは本当に多彩です。
造られたばかりの若いワインはぶどう本来の香りが強く残っていますが、
樽や瓶の中で熟成が進むうち、ワインの香りはどんどん変化していきます。
でもワインの香りにまったく共通点がないかというと、そうでもありません。
多くのワインは、自然界に生きる他の動植物の香りに例えることができます。
フルーツ系の香り

ワインは原料であるブドウと同じ「フルーツ」の香りで例えられることが非常に多いです。
あなたがワインの香りを表現したいと思ったら、まずは似た香りのフルーツを思い出すようにしてください。
例えば、さっぱりした白ワインなどをよく「レモンを感じさせる香り」などど表現します。
一言にフルーツといってもたくさんの種類がありますが、大まかには以下のように分類されます。
酸味の強いフルーツ
- 柑橘類(レモン、ライムなど)
- りんご、洋ナシ
甘味の強いフルーツ
- メロン
- 桃
トロピカルフルーツ
- グアバ
- パイナップル
- パッションフルーツ
ベリー系フルーツ
- イチゴ、野イチゴ
- カシス
- プラム
花や草木の香り

花や草木はフルーツに次いで使用されることの多い表現です。
花
- サンザシ
- ジャスミン
- バラ
- スミレ
- ラベンダー
草木
- 芝生
- 香草系(ハーブ、ミントなど)
- 若葉
- 枯葉
- 松の木
- 杉の木
甘い感じのする植物、およびその加工品

樽熟成期間が長いワインに多いです。
樽の香りがワインに溶け込み、甘い感じの香りが出ます。
- コーヒー
- カカオ
- バニラ
- アーモンド
- ヘーゼルナッツ
スパイス系

赤ワインに多いタイプの香りです。
- シナモン
- コショウ
- ナツメグ
土、キノコ

長期熟成タイプの赤ワインに多いタイプの香り。
- 腐葉土
- マッシュルーム
- トリュフ
その他
原料であるブドウとはかけ離れた感じの香りもあります
- 燻製
- 革
- ゴム
- 鉛筆
ブショネについて

稀にワインから湿った段ボールや雑巾のような悪臭がすることがあり、これを「ブショネ」といいます。
ブショネは、細菌に汚染されたコルクとの接触によりワインの品質が劣化した状態を指します。
つまるところ欠陥品で、とても飲めたものではありません。
フランス語:ブション(bouchon)=コルクが語源で、「このワイン、ブショネしていますよ」などといった使い方をします。
コルクで栓をしたワインの内、およそ5%程度の確率で発生すると言われています。
ブショネが発生した場合レストランの場合は交換してもらえますが、酒屋だと対応はまちまちなので注意しましょう。
香りを表現してみよう!
前述したとおり、ワインを表現するのに「どんな香りか」は欠かせません。
でも、香りを表現する際、難しく考える必要はまったくありません。
グラスに注いだワインの香りを鼻で確かめ、口に含み、ゆっくり飲み込み、鼻から風味が抜けていく。
注意深く香りを感じ、今まであなたが感じたことのある香りの中で近いものを思い出して言葉にしてください。
他の人と一緒に飲める環境なら、
「楽しさ」と「記憶の定着効果UP」「他人との感じ方の違いを確認できる」などさらにオススメです。
繰り返せば、どんどん的確な表現ができるようになっていきますよ!
キーワードは「感じたまま言葉にする」
コツは「何回も繰り返す」です!
「味わい」の表現

ワインの味は味の全体感の中で際立っている味要素をピックアップして表現します。
- 重めの赤ワイン → コクと渋みに富み、長い余韻が特徴的で飲みごたえのあるワイン
- ボージョレ・ヌーヴォー → 爽やかな酸味が印象的で軽快なワイン
こんな感じです。
ワインの味を構成する要素は以下の6項目に分けることができます。
- 甘み
- 酸味
- 苦み
- 渋み
- コク
- 余韻の長さ
項目ごとに「ワイン全体の味わいへの影響」「味わいの表現方法」を見てみましょう。
甘み
甘みの影響力
個人的に、甘みはワインの味わいの要素の中で最も大切な要素だと思います。
なぜなら、「甘い飲み物が好き/嫌い」ということはワインを選ぶ最初の分岐点になるからです。
例えばコーヒーが苦手な人でも砂糖を入れれば飲めたりするように、
ワイン初心者の人にとっては、甘みの有無が飲みやすさに直結します。
甘みの強いワインは「食中酒より食後酒向き」と言われたりもするように、利用シーンも選びます。
このように、他の要素と比べても「甘み」の強弱はワインを選択する際に非常に大きなウェイトを持っているのです。
甘みの表現の仕方
ワインの甘さの強弱は、「甘口(あまくち)」「辛口(からくち)」と表現します。
甘さの強い順番に
- 甘口
- やや甘口
- 中辛
- やや辛口
- 辛口
と呼んでいます。
赤ワインはほとんど辛口
一部の銘柄を除き、ほとんどの赤ワインは甘くない=糖度が低い=辛口です。
白ワインはほとんど甘みを感じないものから、はっきりと甘いと感じるものもあります。
白ワインの裏ラベルを見ると、「甘口」とか「辛口」と記載されていますが、
赤ワインにはほどんど甘さに関する記載はありません。
酸味
酸味はブドウ本来が持つ酸味の強さがそっくりそのままワインに反映します。
酸味が強すぎると酸っぱくて他の味が感じられなくなりますし、逆に弱すぎると味気ない印象になります。
甘みと酸味のバランスはとても重要でこのバランスが取れていないと、
「甘ったるい」または「酸っぱい」という印象の味わいになります。
酸味の表現
「酸味が強い、弱い」といった言い方の他、
「穏やかな酸味」「さわやかな酸味」「フレッシュな酸味」といった表現を用います。
「ボディ」は苦み、渋み、コク、余韻の長さと関係する
ボディとは
ワインの裏ラベルに「フルボディ」「ライトボディ」と書かれていることがあります。
ワインの味わいを大まかに表現する言葉として、「ボディ」があり、これは簡単に言うとワインを飲んだ時の「重量感」のことです。
私たちは食べるものに「重さ」を感じています。
例えば「トンカツ」は「しゃぶしゃぶ」より「重い」ですし、「こってりラーメン」は「そうめん」より重いです。
ワインにも同じように「重さ」があり、量感のあるワインは
- 飲みごたえがある
- しっかり/どっしりとした
- 芳醇な
- ガツンとくる
といった印象。
そして重量感の強いワインから順番に
- フルボディ
- ミディアムボディ
- ライトボディ
と呼んでいるのです。
ワインの味わいを最も簡単に表現できる言葉「ボディ」ですので、知らなかった場合にはぜひ覚えておいてください。
このボディ=重量感を決定づける要素が「苦み」「渋み」「コク」「余韻の長さ」なのです。
ボディは基本、赤ワインに使われる言葉
ワインの「苦み」「渋み」「コク」は、ブドウの果皮や種に含まれる「タンニン」という成分によるところが大きいです。
白ワインは果皮や種を使わず、ブドウ果汁からワインを造りますので、タンニン含有量が少ないです。
そのため総じて赤ワインよりも「苦み」「渋み」「コク」が弱い銘柄が多いです。
白ワインは「ボディ」の代わりに「甘口、辛口」と区別します。
「ボディ」はほとんど場合、赤ワインの表現に用います。
苦み
苦みというと、それだけでネガティブな印象を持つ人もいますが、それは違います。
人はほどよい苦みであれば美味しいと感じます。(個人差はありますが)
コーヒーやビールも、苦さを含めて愛されています。
ワインにおいての苦みは「甘み」「酸味」「渋み」など他の要素ほど極端に銘柄による差があるわけではなく、
「苦い!」とはっきり感じるほど苦みは含まれている銘柄は少ないといえます。
ほどよい苦みは、ワインの後味をすっきりさせたり、甘口のワインの味を引き締めたりすることに影響します。
苦みの表現
「苦みが強い、弱い」「ほのかな苦み」「ほどよい苦み」といった表現をします。
渋み
渋みは「苦み」と同じくタンニン成分に由来します。
ワインの「渋み」の強弱の幅は広く、ほとんど渋みを感じないワインもあれば、おもわず口をすぼめてしまうほどに渋いワインもあります。
ワインに飲みなれていない人にとって渋みの強いワインは「飲みづらい、まずい」という印象につながりがちで、
ワインへの苦手意識を持ってしまう原因になりやすいです。
逆に、重めのワインが好きな人には「渋みのないワインは飲みごたえがない」
「飲んだ気にならない」という物足りなさを感じることが多いです。
このように渋みは「甘み」と同じく、好き嫌いがはっきりするワインの重要な味わいの要素なのです。
渋みの表現
「渋みが強い/弱い」の他、渋みを表現する言葉は多彩です。
- ざらついた渋み
- とげとげしい
- 粗い
- なめらかな
- まろやかな
- シルクのような
- ビロードのような
コク
「コク」は料理の味などにもよく使われる言葉ですが、一体どういう意味なのでしょうか。
実は「コク」の意味は現代においても明確ではなく、敢えて言えば、「味わいの複雑さ」といえます。
コクに対する明確な定義はないが、甘味・うま味・苦味・塩味・酸味の五基本味の総和、さらに香りや食感などが加わり、濃厚感や広がり、複雑さなどを併せ持つと考えられている。
出典:Wikipedia
ポイントとして、コクを感じるには香りや食感の要素も関係し、ワインにおいてはアルコール度数の高さも影響します。
まさにワインの複雑な味わいを表現するのにピッタリな言葉です。
コクの表現
「コクがある/ない」または「コクが強い/弱い」「深いコク」などの表現方法があります。
余韻の長さ
最後に「余韻」についてです。
余韻は「ワインを飲みこんだあとに口の中に残る風味」のことです。
すぐに風味が消えるワイン、いつまでも風味が残るワイン、この差を「余韻が長い/短い」と表現します。
厳密に言うと舌で感じる「味」ではないのですが、ワインを楽しむ上で絶対に切り離せない大切な要素です。
ワインが持つ香りの強さやアルコール度数、諸々の条件が重なって余韻の長さを決定づけます。
上質なワインほど長い時間風味が残り、深い味わいになります。
今まで意識したことなければ、今後一層ワインの違いを楽しめると保証しますので、ぜひ意識してみてください。
余韻の表現
「長い/短い余韻」の他、「余韻は●秒」と秒数で表現することもあります。
目安として
- 3~4秒 短い
- 5~6秒 中程度
- 7秒~ 長い
本当に一部のものに限られますが、長期熟成が上手く成功した上質なワインなど10秒を超える長い余韻を持つワインもあります。
味わいを表現してみよう
味わいを構成する要素を理解したら、実際にワインを飲んで実践してみましょう。
- 口の中にワインを含み、ゆっくりと舌の上で転がす
- 甘みは?酸味は?苦みは?渋みは?印象的な要素を探す
- ワインを飲み込む「ゴクリ」
- 風味が残っている秒数をカウント(なんとなくでいいです)
- コクは感じられたか?
- 味の要素を言葉にします。
はじめは印象に残った度合いごとに整理して文章化するのがおすすめです。
「強く感じられたのは渋みとコク、酸味と甘みは控えめで、苦みはなく、余韻はやや長めで6秒くらい」
こんな感じです。
なんだかできそうな感じがしてきませんか?
変わった香りの表現

ワインの表現のなかには、私たちでは思いつかないような言い方が多くあります。
その一部をご紹介します(実際にソムリエの教本にのっている言葉なんですよ)
- 濡れた犬
- 猫の尿
- はつかねずみ
- 生肉
- 石灰石(せっかいせき)
- 火打石(ひうちいし)
なんだか、ちょっと美味しくなさそうですね。
まとめ
- ワインは香りと味をセットで表現する
- 香りは他の動植物で例えることが多い
- 中でもフルーツ、花や草木が例えやすい
- ブショネとはワインの欠陥品のこと
- 味の要素は甘み、酸味、苦み、渋み、コク、余韻の長さ
- 甘みの強弱はワイン選びの第一分岐点
- ボディとはワインの「重量感」
- 余韻とは「口に残る風味」、長い短いと表現する
ワインは世界に数あるお酒の中でもっとも味と香りのバリエーションが豊富なお酒です。
それだけに特徴を言葉にするのは難しいといえ、また楽しいことでもあります。
素敵な体験は言葉にするともっと輝き、また他の人に伝えることもできます。
ぜひこれからワインを飲むときには、積極的に印象を言葉にしてみてください。
素敵なワインライフをお過ごしくださいね。
ワインを定期的に届けてくれるサブスクサービスは、店によって全然特徴が違います。
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