ワインの種類や銘柄

ワインと同じブドウで造る蒸留酒!「ブランデー」と「グラッパ」

ブドウからつくられるお酒はワインだけではありません。

日本だと、ブランデーがブドウからつくられるお酒として認知度が高いですが、イタリアでは食後酒として定番のものに、グラッパというお酒があったりします。

今回は、ワインとは少し離れてしまいますが、ブドウの蒸留酒について解説していきます。

お酒は造り方で3種類

お酒には、醸造酒、蒸留酒、混成酒があります。

分かりやすくするため、まず醸造酒について説明します。

醸造酒

醸造酒とは糖分を持つ原材料に、酵母を加えて発酵させて造るお酒のことです。

例えば、ワイン、シードル、日本酒、ビール、紹興酒などが醸造酒なのです。

アルコール度数は5~20%程度です。

原材料の味、例えば甘味・酸味・渋味・苦味などが強く残ります。

原材料の色と、発酵や熟成の際につく色があります。

蒸留酒

醸造酒を加熱し蒸発させて、その蒸気を集めて造ったものが蒸留酒です。

例えば、ウイスキー、ブランデー、ジン、ウオッカ、テキーラ、ラム、焼酎などが蒸留酒なのです。

アルコール度数は20%程度から90%以上のものまであります。

素材の味はあまりありません。

通常は無色ですが、樽熟成させると琥珀色になります。

蒸留酒の違いは、原材料に由来する部分が大きいです。

  • ウイスキー:大麦、ライ麦、トウモロコシなどの穀物
  • ブランデー:ブドウ、林檎、サクランボ、木イチゴ、すもも、洋梨などの果実
  • ジン:大麦、ライ麦、ジャガイモなどの穀物
  • ウオッカ:大麦、小麦、ライ麦、ジャガイモなどの穀物
  • テキーラ:竜舌蘭の茎を絞った絞り汁
  • ラム:サトウキビの廃糖蜜または絞り汁
  • 焼酎:米、麦、芋、黒糖、そば、栗など

混成酒

醸造酒や蒸留酒に、果物、薬草、砂糖などをつけて造ったものが混成酒です。

例えば、梅酒、みりん、各種リキュール、カンパリ、サングリア、中国の薬酒や、西洋のチンキなどです。

チンキとは、生薬やハーブの成分をエタノール、またはエタノールと精製水の混合液に浸すことで造ったものです。

醸造酒、蒸留酒、混成酒については詳しく書かれた記事がありますので、参考にして下さい。

ワインと他の酒との違いとは?醸造酒、蒸留酒、混成酒の違いを解説

同じブドウを原料として造られますが、ワインは醸造酒、ブランデーは蒸留酒に分類されます。

ブランデーは原材料で3種類

果実酒から造る蒸留酒は総称してブランデーと呼ばれます。

ブランデーは、原材料によって3つに分けられています。

グレープ・ブランデー

一般にブランデーと呼ばれるのは、ブドウから造ったワインを蒸留して造るブランデーで、世界各国で造られています。

  • 西ヨーロッパ:フランス、スペイン、ドイツ、オランダ、ギリシャ、イタリア、
  • 東ヨーロッパ:ルーマニア、ブルガリア
  • オーストラリア
  • 南アフリカ
  • 南アメリカ:チリ、アルゼンチン
  • 日本

フランスのコニャックやアルマニャックは、産地・原料・製造蒸留工程そして熟成期間等が厳しく管理されています。 

フルーツ・ブランデー

フルーツ・ブランデーは、ぶどう以外の果実酒から蒸留して造られるブランデーです。

林檎、サクランボ、木イチゴ、すもも、洋梨などが原材料です。

ポマース・ブランデー(滓取りブランデー)

ブドウの搾りかすを原材料とする蒸留酒は、今では世界中で造られています。

ポマース・ブランデーは英語での総称です。

もっとも有名なのは、イタリアのグラッパだと思います。

EUがイタリア産以外にグラッパという名称の使用を規制しているため、各国では違う名称があります。

  • イタリア産:グラッパ
  • フランス産:マール(オー・ド・ヴィー・ド・マール)
  • ドイツ産:ヴァインブラント
  • スペイン産:オルホ

グラッパもブランデーの一種として分類されています。

大まかな違いを表にまとめました。

ブランデー グラッパ
原材料 白ブドウの果汁

ブランデーの定義としては他の果実の果汁でもよい

白ブドウ/黒ブドウ

ブドウの搾りかすなので果汁以外にも皮や種も含む

産地 ヨーロッパ、南アメリカ、オーストラリア、南アフリカ、日本など イタリア
発酵 ワインを造る 白ブドウの搾りかすは発酵させる
蒸留 方法が決められている 造り手による
熟成 主に樽 主にガラスやステンレスタンク
長期熟成 一般的 少ない、する場合は樽で
琥珀色 無色透明(熟成は琥珀色)

ブドウの搾りかすで造るグラッパとは?

グラッパはブドウの搾りかすを原材料とするイタリアのお酒です。

水や糖を加えて再発酵させた物はグラッパとは表記できないという規定があります。

基本的に樽熟成をしないため、色は無色透明なものが多いです。

アルコール度数は30〜60%と幅があります。

  • 赤ワインはぶどうを丸ごと発酵させて造るため、搾りかすにはアルコールが含まれています
  • 白ワインは果汁のみを発酵させて造るため、搾りかすにはアルコールは含まれません

これがアルコール度数の幅が広いことの大きな原因です。

味はフルーティーで、華やかなブドウの香りが楽しめます。

ブランデーと比べて安めの価格帯なので、イタリアでは食後酒として楽しまれています。

グラッパの起源

グラッパがいつ誕生したか、またブドウの搾りかすからアルコール飲料が造れることを、誰が発見したかということは分かっていません。

しかし、ワインの歴史からこのようなことが読み取れます。

ワインが庶民に手の届かない贅沢品であった時代、ブドウ搾りの作業が終わると、使用人にはブドウの搾りかすが与えられました。

使用人はそれをに水を加えて「ヴィネッロ(ブドウ発酵飲料)」を造りました。

また、「ヴィネッロ」を蒸留して「アクアヴィーテ・ヴィニカ(ブドウ蒸留酒)」を造ることを思いつきました。

どちらも庶民の知恵から生まれたワインの代用品です。

これらが、グラッパの起源とされています。

15世紀にはすでに北イタリアより、ブドウの搾りかすから造った蒸留酒が輸出されていたという記録があります。

グラッパはもともとワインの代用品でしたが、製造技術の向上と、ブドウの搾りかすの品質の向上で、現在では食後酒としての地位を確立しています。

グラッパの楽しみ方

食事の後は、グラッパをゆっくりと楽しむのがイタリア式です。

グラッパはアルコール度数が高いので、食後の胃をスッキリしてくれます。

グラッパのフルーティーな香りはストレートが一番

グラッパの香りは、ブドウに由来しているのでとてもフルーティーです。

ストレートで飲むと、グラッパの香りを最も楽しむことができます。

冷蔵庫で冷やすとすっきり飲めるので、常温とは違った楽しみ方ができます。

冷凍庫で冷やしても凍ることはないので、とろみがつくくらいまで冷やすと、飲み口がとてもマイルドになります。

香りを楽しむには、グラッパ専用のグラスや、ワインのテイスティンググラス、ブランデーグラスなど、香りが立ちやすいグラスがおすすめです。

出典:Amazon com.

割ったり氷を入れたりしても楽しめます

ストレートで飲むことに抵抗のあるあなたには、水やソーダで割ることや、氷を入れることで、グラッパを楽しむことができますよ。

トワイスアップ(もともとはウイスキーの飲み方です)

まずワイングラスにグラッパを入れて、その上から同量の水を入れます。

香りや甘みを引き出しやすく、水割りにすることで強いアルコールが苦手な方でも楽しめる飲み方です。

冷やすと香りが開きにくくなるので、グラッパも水も常温がおすすめです。

オンザロック

ロックグラスに大きめの氷を入れてから、グラッパを注ぎます。

氷がゆっくり溶けることで、グラッパの味が変化していくのを楽しむことができます。

ハーフロック

トワイスアップに氷を落とす飲み方です。

グラス、グラッパ、水をしっかり冷やしておくと、氷が溶けにくいです。

はじめにオンザロックで楽しんでから、お好みで水を入れてハーフロックを楽しむのも、いいかもしれませんね。

水割り/ソーダ割り

タンブラーグラスを使ってください。

グラッパと水(ソーダ)の割合は1:3がおすすめです。

グラス、グラッパ、水(ソーダ)をしっかり冷やしておくと、氷が溶けにくいです。

かき混ぜすぎると、炭酸が抜けたり、氷が溶けたりするので、気を付けてください。

コーヒーと合わせる

日本人にはなかなか馴染みがないのですが、リキュールとコーヒーを合わせることはイタリアではそう珍しいことではないようです。

レゼンティン

  • まずはエスプレッソに砂糖を多めに入れます
  • 砂糖が全部溶け切らないうちに、エスプレッソを飲み干します
  • 砂糖が溶け残ったカップにグラッパを注ぎ、混ぜて飲みます
  • 砂糖に移ったエスプレッソの香りで、グラッパの味わいが深くなります

グラッパ・コン・モスカ

  • グラスにグラッパを注ぎます
  • その中にコーヒー豆を1〜3粒浮かべます
  • グラッパに火をつけます
  • 火が消えてグラスが冷めたら飲みます
  • コーヒー豆の香ばしい香りが、グラッパととても相性が良く美味しく楽しめます

カフェ・コレット

カフェ・コレットは、エスプレッソに甘いお酒を混ぜた飲み物全般を指す言葉です。

混ぜるお酒の甘さに合わせて、砂糖の量を加減すると美味しく作れます。

基本的にはグラッパを入れることが多いですが、注文する時は入れるお酒の種類を指定すると間違いがないでしょう。

おすすめのグラッパ

ノニーノ グラッパ・モノヴィティーニョ モスカート 

新鮮なモスカートの搾りかすを、温度管理されたステンレスタンクで発酵、蒸留しました。

エレガントでアロマティック、バラやタイム、バニラのニュアンスが感じられる柔らかく繊細な香りです。

12℃前後に冷やし、チューリップ型のグラスで。数分間空気に触れさせてから口に含むと、よりいっそう香りをお楽しみいただけます。

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シボーナ グラッパ リゼルヴァ シェリーウッドフィニッシュ

バルベーラ種のグラッパ・リゼルヴァにシェリー樽のフィニッシュを行いました。

シェリーの風味を伴ったエレガントなグラッパです。

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まとめ

今回はワインと同じブドウで造る蒸留酒についてお伝えしました。

ブランデーにしても、グラッパにしても、ワインと深くかかわっていることがわかってもらえたかと思います。

グラッパって日本ではあまりなじみがなかったと思いますが、この機会に一度飲んでみてはいかがでしょうか。

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