ワインの種類や銘柄

スパークリングワインはなぜシュワシュワする?製造法とおいしく飲むポイント

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スパークリングワインって華やかですよね。

シュワシュワしていて見ているだけで気持ちが上がります。

あの泡ってどうやってできるか知っていますか?

今回は、スパークリングワインのお話です。

醸造方法から各国のスパークリングワイン、

コルクの抜き方から、グラスの選び方まで解説しました。

スパークリングワインとは?

発泡性のあるワインのことをスパークリングワインと呼びます。

泡の正体は二酸化炭素です。

方法は色々ありますが、二酸化炭素(炭酸ガス)がワインに溶け込んだまま瓶に入れられると、スパークリングワインになります。

もう少し細かく分類すると、3気圧以上のガス圧をもったものをスパークリングワインと呼びます。

0.5〜1気圧のものは微発泡性ワイン、1〜2.5気圧のものは弱発泡性ワインと呼ばれます。

スパークリングワイン自体は世界共通の呼び方ですが、ヨーロッパでは各国で違う呼び方になっているのですよ。

ヨーロッパ各国でのスパークリングワインの呼び名と、代表的な銘柄をまとめました。

スパークリングワインの総称 代表的なスパークリングワイン
フランス ヴァン・ムスー シャンパーニュ、クレマン
イタリア スプマンテ プロセッコ、アスティ、フランチャコルタ
スペイン エスプモーソ カヴァ
ドイツ シャウムヴァイン ゼクト

スパークリングワインの醸造工程

ここからは、スパークリングワインの醸造について説明しますね。

シャンパーニュ方式(トラディショナル方式)

まずは、シャンパーニュ方式、またはトラディショナル方式と呼ばれているスパークリングワインの製法を見ていきましょう。

先ずはブドウから果汁を搾って、普通の白ワインと同じように一次発酵させることで、果汁の糖分をアルコールに変化させます。

ワインをブレンドして(「アッサンブラージュ」といいます)、ワインと酵母を瓶の中に詰めます(「ティラージュ」といいます)。

すると、ワインが酵母の働きにより、瓶の中で再発酵を始めます。

これが瓶内二次発酵と呼ばれる、シャンパーニュ方式での特徴的なスパークリングワインの製法です。

発酵が終わると、瓶の中にオリがたまるので、このオリを瓶の中から出す必要があります。

オリとは、活動を終えた酵母が瓶底に沈殿したものです。

その作業が「ルミアージュ(動瓶)」と「デゴルジュマン(オリ抜き)」です。

ルミアージュ、瓶を逆さまにして瓶の口に向かってオリを集めます。

出典:サントリーホールディングス株式会社

デゴルジュマン、オリを凍らせて取り除きます。

出典:サントリーホールディングス株式会社

「デゴルジュマン」で噴出した分のワインと甘さを調節するためのリキュールを瓶に加えるのが、「ドサージュ」です。

全部の工程を図解すると、以下のようになります。

出典:葡萄畑ココス

  • ティラージュ:ワインと酵母を瓶に詰めること
  • ルミアージュ:瓶にたまったオリを瓶口に集めること
  • デゴルジュマン:オリを凍らせて取り除くこと

普通のワインも発酵させているのに、なぜ炭酸が含まれないのでしょう。

ワインを造る樽やタンクは密閉されていないので、炭酸は抜けていくのです。

それに対して、瓶は密閉されているので炭酸が抜けないのです。

フランスのシャンパーニュ、クレマン、イタリアのフランチャコルタ、プロセッコ、スペインのカヴァ、ドイツのゼクトなどがこの醸造方法で造られています。

個々のスパークリングワインについては、後から国別に紹介しますね。

シャルマ方式

二次発酵を、瓶ではなく大きな密閉式の耐圧タンクで行います。

  • 熟成に長く時間をかけず、短期間で造る事が出来ます
  • 空気に接触しないのでブドウの香りが残せます
  • 一度に多量に造る事が出来るので、コストが抑えられます

イタリアのプロセッコ、アスティなどがこの醸造方法で造られています。

そのほかの醸造方法

ほかにも、スパークリングワインの醸造方法は幾つかあります。

  • トランスファー方式:瓶で二次発酵させたワインを加圧したタンクに入れ、タンク内で冷却・濾過して、新しい瓶に詰め変えます
  • リュラル方式(田舎方式):発酵の途中でワインを瓶詰めして残りの発酵を瓶の中で行います
  • 炭酸ガス注入方式:瓶に入ったワインに炭酸ガス(二酸化炭素)を吹き込んで造ります。

各国のスパークリングワイン

ヨーロッパ各国で造られているスパークリングワインは、ブドウの生産地や醸造方法が法律で定められています。

フランス(ヴァン・ムスー)

フランスではスパークリングワインはヴァン・ムスーと呼ばれ、微発泡のものはペティヤンと呼ばれています。

シャンパーニュ

  • 主なブドウ:シャルドネ種、ピノ・ノワール種・ピノ・ムニエ種
  • 生産地:シャンパーニュ地区

有名なシャンパーニュ(シャンパン)もスパークリングワインの一種なのです。

シャンパーニュ地区はフランスの首都パリから東へ約170kmのところにあります。

厳密には、醸造方法や使えるブドウ品種などの規定を満たしたものだけが、シャンパーニュを名乗ることができます。

ドンペリニヨン 白 2010 

出典:Amazon com.

クレマン

  • ブドウ:食品に関する法律で認められている8つの各産地で栽培したもの
  • 生産地:食品に関する法律で認められている8つの産地
  • シャンパーニュより価格がお手頃
  • 産地によって個性が豊か

食品に関する法律は、正確には「原産地呼称法」と呼ばれています。

その法律について、詳しく書かれた記事はこちらになりますので、参考にして下さい。

ブルゴーニュワインはどんなワイン?特徴や主な産地、オススメも紹介

クレマン・ド・ブルゴーニュ・ブリュット

出典:Amazon com.

イタリア(スプマンテ)

イタリアではスパークリングワインはスプマンテと呼ばれ、微発泡のものはフリッツァンテと呼ばれます。

フランチャコルタ

  • 主なブドウ:シャルドネ種、ピノ・ビアンコ種、ピノ・ネーロ種
  • 生産地:食品に関する法律で定められた、イタリア ロンバルディア州フランチャコルタ
  • 口当たりは柔らかく、フルーティーな味わい

フランチャコルタ・グランデ・キュヴェ・アルマ・ブリュット 

出典:Amazon com.

プロセッコ

  • 主なブドウ:グレラ種(最低85%)
  • 生産地:食品に関する法律で定められた、イタリア ヴェネト州プロセッコ
  • シャンパーニュやカヴァと並ぶ世界の3大スパークリングワインのひとつ
  • 軽やかな甘みがほんのりと感じられるフルーティーな味わい
  • 気軽に楽しめる価格帯のものが多い

プロセッコ・ヴァルドッビアーデネ スペリオーレ

出典:Amazon com.

アスティ

  • 主なブドウ:マスカットの一種であるモスカート・ビアンコ種
  • 生産地:食品に関する法律で定められた、イタリア ピエモンテ州アスティ
  • フレッシュな花の香りとフルーティーで爽やかな味わい
  • アルコール控えめで甘口、飲みやすい

マルティーニ アスティ・スプマンテ

出典:Amazon com.

スペイン(エスプモーソ)

スペインではスパークリングワインはエスプモーソと呼ばれ、微発泡のものはヴィノ・デ・アグーハと呼ばれています。

カヴァ

  • 主なブドウ:マカベオ種、チャレロ種、パレリャーダ種
  • 生産地:食品に関する法律で定められた、スペイン カタルーニャ地方
  • シャンパーニュ、プロセッコに次ぐ世界3大スパークリングワインのひとつ
  • 温暖な気候で育った固有品種から造られるカヴァは酸味が穏やかで飲みやすい
  • 価格もお手頃なものが多い

コドルニウ・クラシコ ブリュット

出典:Amazon com.

ドイツ(シャウムヴァイン)

ドイツではスパークリングワインはシャウムヴァインと呼ばれ、微発泡のものはパールヴァインと呼ばれています。

ゼクト

  • ドイツの冷涼な気候ならではのすっきりとした酸味
  • 品種由来の華やかな香りが感じられる個性的な味わい
  1. ドイチャー・ゼクトb.A.
    ドイツで醸造し、ドイツの13指定栽培地域ぶどうのみを使用
    産地名を表示するには産地のぶどうを100%使用
    収穫年や品種名を表示するには、そのぶどうを85%以上使用
  2. ドイチャー・ゼクト
    ドイツで醸造し、ドイツのブドウのみを使用
  3. ゼクト
    ドイツ産以外のワインを使って作ることがきる

リースリング・ゼクト・ブリュット 

出典:Amazon com.

スパークリングワインの開け方

次は、スパークリングワインの開け方を解説します。

スパークリングワインを開けるには、力や技術がいると思っている方もいらっしゃいますが、正しい手順さえ知っていれば簡単に開けることができます。

  • スパークリングワインをしっかり冷やしておくこと
  • 吹きこぼれを防ぐために衝撃を与えないこと
  • ワインオープナーは使わないこと
  • コルクが飛ばないようにすること
  1. まずキャップシールを外しましょう、ボトルの首のあたりに切り取り線とつまむ部分があるので探してください
  2. 金属のキャップが飛ばないように抑えたまま留め金(ワイヤー)を回して緩めます
  3. ワイヤーが緩んだら、金属のキャップを外してください
  4. コルクを押さえながら、ボトルを斜めにして下の方を持ってゆっくり回します
  5. コルクが自然に持ち上ってきたら、瓶内のガスを少しずつ抜いてください
  6. 最後にコルクを斜めに抜くようにすると、静かな音とともにコルクが抜けます

ナプキンをコルクにかぶせておくと、噴きこぼれやコルクが飛ぶ危険を防止することができます。

YouTubeの動画はこちらです。失敗しない!スパークリングワインの開け方とコツ!

ちなみに、スパークリングワインは一度開けると同じコルク栓を使うことはできませんので、飲み残す可能性がある場合は専用のストッパーを用意してください。

出典:Amazon com.

スパークリングワイン用のグラス

最後にスパークリングワイン用のグラスを紹介します。

飲み口が小さく、細長いのが特徴です。

  • 空気に触れる面積が小さいので、炭酸が抜けにくいです
  • 飲み口が小さいため、ワインは細く少しずつ入ってくるので、スパークリングワインの強い酸や炭酸の刺激を和らげてくれるます
  • グラスが細長いので、泡の美しさを視覚的に楽しめます

出典:RSN Japan株式会社

Amazonでのスパークリングワイン用グラスはこちらです

ワイングラスについての記事はこちらになりますので参考にして下さい。

なぜワイングラスにはいろいろな形があるの?味覚嗅覚と形のメカニズム

ワイングラスの形や大きさには意味がある?名称と役割を徹底紹介

まとめ

スパークリングワインは発泡性ワインの総称ですが、ヨーロッパ各国では、それぞれ別の呼び方があります。

各国でも、総称があり、銘柄がありと、混乱する原因が分かりましたね。

また、各国の銘柄によっては原材料となるブドウや醸造方法が決まっているのですね。

各国のおすすめのスパークリングワインを紹介しました。

最後に、開け方とグラスのお話をしました。

華やかなシーンでは是非スパークリングワインを楽しんでください。

ぜひ、コルクはご自身で抜いてみてくださいね。

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