ワインの保存

安物に感じる?高級ワインにも広がるスクリューキャップのメリット

あなたはひねって開け閉めする「スクリューキャップのワイン」にどんなイメージを持っていますか。

コンビニやスーパーで売っている「安ワイン」でしょうか。

コルク=高級ワイン、スクリューキャップ=低価格ワイン、というイメージを持つ人は少なくありませんし、

確かにワイナリーが高級ワインにスクリューキャップを使わないという時期もありました。

しかし近年、その構図は崩壊しつつあります。

スクリューキャップの品質管理上の高い性能が広く認知され、高級ワインに使われることが当たり前になっているのです。

そこで今回は、なぜスクリューキャップは安いワインというイメージがあるのか、そしてその多くの利点について紹介します!

詳しく知れば安ワインでも低品質ワインでもないことがわかり、

スクリューキャップのワインをもっともっと楽しめるようになりますよ!

「安っぽい」イメージの背景と変遷

「スクリューキャップ」は、ワインの栓のひとつで「手でねじって開栓できる金属製のキャップ」です。

コルク栓と比べて簡単に栓を抜くことができる手軽さが魅力ですが、

先にも述べたとおり「スクリューキャップはコルク栓のワインと比べると安っぽい」というイメージを持っている人は多いです。

一体どうしてそういったイメージが定着してしまったのでしょうか。

イメージ定着の背景

スクリューキャップがワインの栓として使われ始めたのは1970年頃のこと。

コルク栓と比べて生産コストを抑えられるという利点がある一方、

当時の技術ではワインの品質を長期間維持するのに十分な気密性がありませんでした。

そのため長期熟成させるような高級ワインには採用されず、

低価格なデイリーワインの栓として使われている時期が長く続きます。

これが「スクリューキャップは安いワイン」という構図の背景です。

現在は高級ワインにも使われている

しかし現在では製造技術の進化から、スクリューキャップはコルク栓以上の気密性を持っていると言っていいほどになりました。

イメージの問題からコルク栓にこだわるワイナリーもあるものの、

スクリューキャップの品質維持の信頼性が生産者、消費者ともに広がっており、

1万円以上する高額なワインにもどんどんスクリューキャップが採用されるようになっています。

ニュージーランドやオーストラリアにおいてはワインの等級に関わらずスクリューキャップが主流で、

生産されるワインボトルの90%以上を占めています。

スクリューキャップはコルク栓と比較して安価に生産できる上、後に述べる多くのメリットを備えているため、

今後ますますこの傾向は強まっていくと思われます。

スクリューキャップの3つのメリット

結論から言うとスクリューキャップはコルクが従来も持っていた数々の課題を解決しており、

その実用性はコルクをはるかに上回っていると言えます。

どんなところが優れているのか。

3つの利点を順番にお伝えします。

メリット1:ブショネが発生しない

ブショネとは

ブショネとは、細菌により汚染されたコルクとの接触によりワインの品質が著しく劣化した状態を指し、つまるところ欠陥品です。

フランス語:ブション(bouchon)=コルクが語源で、「このワインはブショネしていますよ」といった使い方をします。

ワインが湿った段ボールや雑巾のような悪臭になり、とても飲めたものではありません。

コルクは木の樹皮を塩素で消毒して作られますが、コルクに潜む細菌がこの塩素と化合して

TCA(トリクロロアニソール)という悪臭物質に変化、時間の経過とともにワインに溶け込んでいくことが原因です。

どれくらいの確率で発生するの?

コルクで栓をしたワインのうち、およそ5%の確率でブショネが発生すると言われています。

20本に1本というと私はけっこう高い確率と感じますが、あなたはいかがでしょうか。

防げないものなの?

コルクの内部には無数の小さな「気泡」が含まれています。

どれだけ殺菌をしても、一定確率で気泡内に微生物が残ってしまいます。

そのため天然のコルクを使用する限り、どれだけ科学技術が進化してもブショネを0にはできないのです。

ブショネしているワインに当たったら

レストランであれば、ウェイターに申告して交換してもらえますが、購入したワインの場合、お店によって対応はまちまちです。

特に高額なワインを購入する場合にはブショネへの対応を確認しましょう。

スクリューキャップはブショネが発生しない

ブショネは天然のコルクが原因ですので、スクリューキャップでは発生しません。

楽しみにしていた会食の席で、

「せっかく準備したワインがブショネしていて台無し」

なんてことが起こらないのは大きなメリットではないでしょうか。

メリット2:品質を長く保ち、味わいが安定する

気密性が高い

スクリューキャップはコルクと比べるとごくわずかしか酸素を通しません。

そのため品質が変化する速度がゆるやかで、ワインの味わいを長く保ってくれます。

酸化防止剤を減らす、または使わないということにも寄与しており、

昨今よく見かける酸化防止剤無添加のワインはほぼ全てスクリューキャップのワインです。

個体差が小さい

コルクはその密度に個体差があり、結果として通気性に差が生じます。

そのためコルク栓のワインを、「同じワインを」「同時に瓶詰し」「同じ保管場所で」「同じ時間」保管した場合でも

熟成の度合いが変わり、同じ味わいにならないことがあります。

保管期間が長いほどのそのバラつきは顕著になります。

その点、スクリューキャップの製品個体差はごくわずか。

安定したワインの味わいを楽しめます。

留意点:熟成について

スクリューキャップはコルクよりも酸素を通さず、品質が変化する速度が遅いと前述しました。

これは、ワインがゆっくりと酸化することによる「熟成」の速度が遅くなるということでもあります。

これについては良いとも悪いとも言えませんが、「コルクと同じようには熟成しない」ということは覚えておきましょう。

メリット3:栓を開けるのが簡単

コルク栓を開けるには道具が必要ですし、それらを使いこなせなければなりません。

そしてたまに失敗してしまい、

出典:エノテカ ホームページ

こんなことに。

その点スクリューキャップは道具も不要、栓を捻れば開栓できます。

アウトドアでワインを飲む場合や、コルクの抜栓が苦手なあなたでもワインを気軽にワインを楽しめますね。

うまく開かない人は開け方が間違ってるかも?

「スクリューキャップがうまく開けられない」という声をよく見かけます。

「キャップをつかんで回すだけでしょ?」と思っているあなた。

それは間違いです。

ワインのスクリューキャップはペットボトルの開け方とは違います。

正しい開け方があるのです。

間違った開け方

出典:(株)モトックス MOT!WINE

写真のように、キャップのミシン目より上を持って開けようとするのは間違いです。

力のある男性なら力ずくで開けられるかもしれませんが、この開け方だと女性や高齢の方では開けられないことがあります。

正しい開け方

出典:サッポロビール(株)ホームページ

  1. 片手でミシン目より下を持ちます。
  2. キャップではなくボトルを回します。
  3. 「パキッ」と音が鳴り、キャップが開きます。

この開け方なら驚くほど力が必要ありません。

よろしければ↓の動画もご参考ください。

サントリーワインスクエア 失敗しないワインの開け方『スクリューキャップ篇』 1分2秒 サントリー – YouTube

コルクの利点は「特別感」

以上のような多くの利点があるにも関わらず、いまだコルク栓は人気があります。

コルクの利点はズバリ、「抜栓時の特別な雰囲気」です。

ワインを飲むときは雰囲気づくりも大切です。

こんなシーンがあったとします。

大切な日に予約したレストラン。

予約した料理に合わせワインのボトルを注文。

ソムリエが持ってきたワインを紹介してくれます。

そして↓の動画(1分30秒)のように、優雅な所作で抜栓

ソムリエの抜栓(コルク抜き)の様子 – YouTube

コルクの香り、見た目に異変がないことを確認した上、

グラスにワインを少しだけ注ぎ、テイスティングを促してくれます。

これだけでワインを飲む前から上質な雰囲気を楽しむことができます。

逆に「パキッ」とスクリューキャップを開けて「どうぞ飲んでください」だとちょっと味気ないかもしれませんね。

このように抜栓に伴う優雅な所作や、その雰囲気も含めてワインの楽しさだと言えます。

私もここぞという大切な日に飲むワインは、コルク栓のワインを選んでしまうかもしれません。

まとめ

  • 昔のスクリューキャップは品質管理性能が低く、安ワインに使われていた。
  • 現在はコルクを上回るほど性能が高くなり、高額ワインにも使われている。
  • スクリューキャップの利点は「品質の安定」「簡単に開閉できる」
  • スクリューキャップには正しい開け方がある
  • コルクの利点は「抜栓時の特別な雰囲気」

スクリューキャップはコルクを上回る高い品質管理性能を持っており、もはや安ワインに使う栓ではありません。

しかしその上で、コルクのワインを選んだほうが楽しめるシーンもあり、

味の良し悪しや効率だけでは語れないワインの奥深さを物語っています。

まるで長所短所の違うスクリューキャップとコルク。

どっちがいいか悩んだときは、飲むときの情景を想像しながら選んでみてがいかがでしょうか。

これからも素敵なワインライフをお過ごしください。

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