ワインを定期的に届けてくれるサブスクサービスは、店によって全然特徴が違います。
選び方や注意点について記事書いてます
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リースリングは白ワインの原料となる、白ブドウの品種です。
伝統的に最高品質のワインが造られている品種である高貴品種としても名前を連ねています。
今回は、そんなリースリングを紹介いたします。
ブドウのお話から、栽培地、おすすめのワインまでお伝えしていきますよ。
リースリングはどんなブドウ?
リースリングはフランスのシャルドネ、ソーヴィニヨン・ブランと並ぶ白ブドウの三大品種のひとつです。
ドイツが原産とされる白ブドウの品種で、耐寒性に優れ、冷涼地で栽培されています。
代表的な栽培国はドイツとフランスですが、現在はオーストリア、オーストラリア、アメリカなどでも栽培されています。
栽培地によって違いますが、林檎、桃、洋梨などのフルーティーな香りが特徴です。
ワインはミネラル感が強く、爽やかな果実味と強い酸味を持ち、収斂性があります。
収斂性とは、酸の豊かな白ワインを口に含んだ時に、 歯茎や頬の内側の辺りが「キュッ」と引き締まるような感覚のことなのです。
リースリングの歴史
リースリング種の起源は非常に古く、3,000年前ローマ時代のブドウ、アルジティス・ミノーにあるとされています。
19世紀の外科医、ブドウ品種学者のジャン・ルイ・ストルツによると、リースリング種がラインガウ地方にもたらされたのは9世紀とされています。
ラインガウ地方とはドイツのヘッセン州都ヴィースバーデン市の東のウンターマインから、ヘッセン州リューデスハイム市にあるロルヒハウゼンに至る一帯です。
ドイツの空の入り口、フランクフルトから電車で1時間ぐらいかかります。

843年に、ヴェルダン条約によって誕生した東フランク王国が現在のドイツの原型です。
東フランク王国ではライン川沿いに香りが豊かなブドウが植えられました。
この品種はドイツ語で「流れる」という意味を持つ「リーセン」から「リースリング」と名付けられたのです。
優れた品種であることが認められたリースリング種の栽培は、14世紀にはライン川を渡ってフランスへ広がりました。
19世紀には航海士たちの手によってワインのニューワールド、オーストラリアやアメリカへも広がりました。
次に、リースリングの香りと味わいについて解説します。
リースリングの香りと味わい
リースリングはドイツの代表的な白ブドウの品種です。
ドイツの高級ワインは、糖度の高いブドウを使ったワインの等級が上とされています。
日本では、リープフラウミルヒ・マドンナというリースリング種を使った甘口の白ワインが、1980年代に「正しいドイツワイン」と紹介されていました。
このような背景から、リースリングで造ったワインには甘口というイメージがあるのですが、現在は辛口から甘口、極甘口、スパークリングまで幅広く醸造されており、辛口が60%を占めています。
主要輸出国であったアメリカを筆頭に、世界中でワインの好みが甘口から辛口に変わっていった結果ですね。
栽培地によって異なりますが、リースリング種には白い花の香りや、洋梨、はちみつ、白桃、林檎などを思わせる華やかな香りがあります。
そして石油のような香りもワインの特徴で、熟成を経たドイツやフランスで醸造されたものから感じられることが多いようです。
栽培地によっていろいろな味わいがあるリースリング種ですが、シャープな酸味と透明感のある引き締まった果実味がワインに共通した特徴です。
リースリングに合う料理
リースリングは極甘口から辛口まで幅が広いので、料理も幅広く合わせられます。
透明感のある味わいなので、淡白な白身魚や、素材を活かす味付けの鶏肉や豚肉料理がおすすめです。
極甘口ならフィナンシェやマカロンなどのお菓子や、ナッツ、クリームチーズ、フルーツと相性がいいです。
辛口ならば、ドイツでビールと一緒に食べられているようなアイスバイン、ソーセージ、ザワークラウトなどともよく合いますよ。
アイスバインとは、塩漬けの豚すね肉を、香味野菜や香辛料と一緒に数時間煮込んで作るドイツを代表する家庭料理でベルリンの名物です。
ザワークラウトとは、キャベツを塩と香辛料で漬け込んだもので、キャベツのお漬物のことですね。
最近は、和食に合うワインとして日本でも人気があります。
お刺身を含む魚介料理一般、だし巻き卵、お寿司などにも合うのですよ。
リースリングの代表的な生産地とワイン

ここからリースリングの栽培地を紹介していきます、Amazonでおすすめワインのリンクも用意しました。
ドイツ

ドイツは世界のリースリングの栽培面積の60%を持つ最大の栽培国です。
特にラインガウ地方とモーゼル地方は高品質なワインを生産しています。
ラインガウ地方(地図上のCです)
ラインガウ地方とはドイツのヘッセン州都ヴィースバーデン市の東のウンターマインから、ヘッセン州リューデスハイム市にあるロルヒハウゼンに至る一帯です。
太陽の熱と光を十分に受けることができるだけでなく、ライン川からの反射光とその蓄熱効果によって、ブドウ作りに理想的な環境です。
年間平均気温は10.6度を記録し、気候は非常に穏やかです。
ラインガウ地方は比較的温暖な気候のため、作られたリースリング種は桃の風味が強く、重厚感のある果実に育つことが特徴です。
ワインは、力強さを感じる味わいの中に、エレガントさも感じます。
ラインガウ・リースリング・スウィート・カビネット (甘口)
出典:Amazon com.
モーゼル地方(地図上のBです)
モーゼル地方は、ザールラント州ペルルからラインラント・プファルツ州コブレンツ市に至る、モーゼル川の243キロにわたる流域と、その支流のザール川、ルーヴァー川流域に及ぶ地域です。
天候に守られた地域で、ドイツで最も温暖な地域のひとつで、川沿いの粘板岩土壌の急斜面にあるブドウ畑は、太陽熱を日中に蓄え夜間に放ちます。
気温は安定しており、充分な降水量があります。
モーゼル地方で栽培されたリースリング種は、林檎や洋梨、花を思わせるフルーティーで華やかな香りが特徴です。
ワインは、ボディは軽めでアルコールは低く、酸味が強いのが特徴です。
ドクター ローゼン エルデナー トレップヒェン リースリング カビネット (やや甘口)

出典:Amazon com.
フランス

フランス北部の、ヴォージュ山脈の裾野のアルザス地方で、素晴らしいリースリング種を栽培しています(地図上のGです)。
アルザス地方は隣接するドイツの影響を色濃く受けており、フランスというよりもドイツに近いワイン文化が残っている地域です。
ライン川をはさんでドイツと国境を接するアルザス地方は、緯度はブルゴーニュよりも北にあたりますが、ヴォージュ山脈の影響で夏場は気温が上がります。
夏冬の寒暖差が激しく、ブドウの成育期は天候に恵まれるので、時間をかけて熟したブドウが収穫できます。
また、ヴォージュ山脈が雨雲を遮断するので、年間降雨量が少なくブドウ栽培に適しています。
アルザス地方で作られるリースリング種は、ミネラル感が強く出るということ、白い花のような香りによるエレガントさが特徴です。
アルザス リースリング キュヴェ レゼルヴ(辛口)

出典:Amazon com.
オーストリア

出典:株式会社TABi’Z
オーストリアでは、近年リースリング種の栽培量が増えています。
特に高品質なものは南東部のニーダーエスタライヒ州のヴァッハウで栽培されています。
ユネスコ世界遺産のひとつであるヴァッハウは、ニーダーエスターライヒ州のメルクとクレムスのふたつの町の間、ドナウ渓谷に横たわる、天然の美を誇る地域です。
ウイーンから西へ約100kmの距離です。
若いワインはフルーティーさとフレッシュな味わいを楽しめます。
熟成型のものは、桃、アプリコットなどフルーツの風味が特徴で、ミネラル感が強くあらわれます。
ドメーネ・ゴベルスブルク リースリング (やや辛口)

出典:Amazon com.
オーストラリア

オーストラリアではクレア・ヴァレーとエデン(イーデン)・ヴァレーが、上質なリースリング種の栽培地として知られています。
どちらも、オーストラリア中央南部のサウス・オーストラリア州に属しています。
クレア・ヴァレーは州都のアデレードから北に130kmほどにあり、オーストラリアの中でも最も美しいエリアの一つです。
少量高品質のワイン造りを目指しているワイナリーが、多く集まることで知られています。
酸は比較的穏やかでトロピカルフルーツのような果実味が特徴です。
オーストラリアのバロッサ地区のイーデン・ヴァレーは、州都アデレードの北東約70kmにあります。
ぶどう畑は丘陵地に広がり、標高は400~500mで冷涼な気候を生かして高品質なリースリング種が栽培されています。
土壌がドイツと似ており、酸の強い辛口のワインが高評価を得ています。
ジム・バリー ザ・ロッジ・ヒル・リースリング(辛口)

出典:Amazon com.
アメリカ
アメリカでは、ワシントン州とニューヨーク州が有名なリースリングの栽培地です。
西海岸の北部にあるワシントン州では、冷涼な気候を活かして、豊かな酸と果実味がある、良質なリースリング種が栽培されています。
ニューヨーク州でリースリングの栽培が始まったのは1950年代ですが、ワインに爆発的な人気が出たのは2008年のあるイベントがきっかけでした。
それが、カナダのオンタリオ州出身ポール・グレコ氏が仕掛けた「Summer of Riesling」です。

ニューヨークの、レストランとワインバーのオーナー兼ソムリエであるポール・グレコ氏は、店内のグラスワインのサービスをリースリング種のワインのみにしたのです。
このイベントは「リースリングは甘口」という、ニューヨーカーたちの固定概念を崩し、色々な味わいのリースリングを広めるという、かなり挑戦的な企画でした。
イベントは大成功し以降、同様の企画に参加するレストランやワイナリーが増え、世界各地で開催されるようになっていきました。
キオナ リースリング コロンビアヴァレー(中辛口)

出典:Amazon com.
まとめ
リースリングはフランスのシャルドネ、ソーヴィニヨン・ブランと並ぶ白ワインの三大品種一つです。
ドイツが原産とされる白ブドウの品種で、耐寒性に優れ、冷涼地で栽培されています。
辛口から甘口、極甘口、スパークリングまで幅広く醸造されおり、現在は辛口が60%を占めています。
極甘口から辛口まで幅が広いので、料理も幅広く合わせられます。
生産地は、ドイツ、フランス、オーストリア、オーストラリア、アメリカなどです。
どのリースリングから試してみるか迷いますね。
ワインを定期的に届けてくれるサブスクサービスは、店によって全然特徴が違います。
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