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この記事を読んでいるあなたは、「ピノ・ノワール」というブドウ品種を聞いたことがあるでしょう。
ピノ・ノワールからできるワインの味や香りについて、またどうすれば美味しく飲めるのか、もっと詳しく知りたいと思いませんか?
そこで今回は、ピノ・ノワールについてより詳しく見ていくと同時に、
ピノ・ノワールのワインをさらに美味しく飲む方法も紹介したいと思います。
ピノ・ノワールとは?
まず「ピノ・ノワール」は、赤ワインの原料として造られる「ブドウ品種の一つ」です。
改めて、ピノ・ノワールはワイン名ではなくブドウだということは、一応押さえておくといいですね。
ワインの説明でよく「ピノ・ノワールのワイン」と略して出てきますが、正確には「ピノ・ノワールのブドウ品種から造られるワイン」です。
混乱しないように、この記事の中では、以下のように区別して説明するようにしますね。
ピノ・ノワール種=ブドウ品種
ピノ・ノワール=ピノ・ノワール種から造られるワイン
ではここからは、ピノ・ノワール種がどんなブドウか、そしてピノ・ノワールがどのような特徴かを、以下で見ていきましょう。
どんなブドウ?
ピノ・ノワール種の原産は、フランスのブルゴーニュ地方だと言われています。
気まぐれと言われるほど、気候や環境に敏感に反応するため、栽培するのがとても難しい品種です。
そのため、ピノ・ノワール種はかつては「ブルゴーニュ以外では栽培できない」と言われていました。
しかし近年では、アメリカやニュージーランドで栽培が成功したことをきっかけに、世界中で栽培される品種となりました。
ちなみに、世界中で栽培されるワイン用のブドウ品種のことを「国際品種」と言います。
国際品種は世界中で栽培されているブドウなので、それだけワイン用として人気が高いブドウであると言えます。
もちろん、ピノ・ノワール種も国際品種です。
他に有名な国際品種としては、カベルネ・ソーヴィニヨン、メルロー、シャルドネ、リースリングなどがあります。
この中でリースリングについては、以前に詳しく紹介していますので、参考にしてみてください。
白ワインの原料である高貴品種リースリングの特徴と生産地のおすすめワイン
どんな味や香りのワインになる?
ピノ・ノワール種が世界中で栽培される、人気の高いブドウ品種だということを説明してきました。
その人気が高い理由は、ピノ・ノワールの味わいや香りに魅力があるからのようです。
一般的には、以下のような特徴を持つ赤ワインができるとされています。
味わい:渋みが少なく、酸味が程よい、繊細な口当たりで品格がある
香り:ラズベリー、いちご、チェリーなど、赤いフルーツのような華やかで可愛らしい印象
ボディ:主にミディアムボディ(高級になるとフルボディ)
ちなみに「ボディ」とは、一言で説明するなら、ワインの「コク」のことです。
詳しく知りたい方は、以前の記事で詳しく説明していますので、参考にしてみてください。
「フルボディ」って何?ワインのラベルにある「ボディ」の意味とは?
ちなみに、他のブドウ品種がどういう味わいや香りなのかについても、以前の記事で紹介しています。
よかったら参考にしてみてください。
ワインの味を左右するぶどう9品種の特徴を見てわかる味チャートとともに解説
ピノ・ノワールは、どの国が有名?
ピノ・ノワール種は人気の高いブドウ品種で、世界中の様々な地域で栽培されています。
ではどの国で栽培されるピノ・ノワールが有名なのか、見ていきましょう。
ピノ・ノワールの3大産地として知られている、
フランスのブルゴーニュ地方、アメリカのオレゴン州、ニュージーランドのセントラル・オタゴを中心に、主な国に絞って紹介しますね。
フランス
ブルゴーニュ地方
ピノ・ノワールといえば、本場のフランス、ブルゴーニュ地方が最も有名です。
世界中で造られるピノ・ノワールは、ブルゴーニュ地方のものをお手本にして造られている、と言っても決して過言ではありません。
ブルゴーニュ地方でも、さらにその中のコート・ドール地区で造られるピノ・ノワールが特に品質が高く、最も有名です。
その理由として、この地方は優れたピノ・ノワールを生み出す環境が揃っていると共に、
場所がわずかに違うだけで味わいや香りが変わり、それぞれに魅力的なワインができるため、と言われています。
ブルゴーニュ地方のワインは、品質がとても幅広く、価格も2000円台~100万円以上(!)のものまであります。
ブルゴーニュワインについては、以前に別の記事で詳しく紹介しています。
よろしければ参考にしてみて下さい。
ブルゴーニュワインはどんなワイン?特徴や主な産地、オススメも紹介
その他の地方
またピノ・ノワール種は、ブルゴーニュ地方以外でも栽培されて、素晴らしいワインを生み出しています。
フランス北東部のアルザス地方では、フレッシュな赤ワインを、
フランス北部のシャンパーニュ地方では、素晴らしいシャンパーニュを生み出すブドウ品種として知られています。
このように、フランスは様々な地域でワイン造りを行なっていますので、詳しく知りたい方は、以下の記事を参考にしてみてください。
日本に輸入されているワインはフランス産が1番多い!?フランスワインの魅力とは
またシャンパーニュについては、以下の記事で少し触れています。
よろしければ参考にしてみてください。
スパークリングワインはなぜシュワシュワする?製造法とおいしく飲むポイント
アメリカ
オレゴン州
オレゴン州は、品質の高いピノ・ノワールが生まれることで有名です。
その冷涼な気候から世界的に注目を集める高い品質のピノ・ノワールが生み出されています。
現在では、オレゴン州のブドウ栽培面積の約60%を、ピノ・ノワール種が占めるまでになっています。
ブルゴーニュ地方をはじめとする、世界中の生産者が、新たにワインを造る新天地としてオレゴン州を選んでいることからも、
ピノ・ノワール種の生産地としてのポテンシャルの高さがうかがえます。
カリフォルニア州
アメリカのワイン産地といえば、カリフォルニア州が筆頭で、ピノ・ノワール種の栽培も盛んです。
カリフォルニア州の中でも、特にワイン産地で有名なナパ・ヴァレーでは、ピノ・ノワール種の栽培も盛んです。
カリフォルニア州は、温暖な気候でブドウが完熟するのに適している為、できるワインも果実味豊かで力強い味わいというイメージがあります。
それは、ピノ・ノワールにおいても同様です。
またカリフォルニア州は、太平洋を流れる寒流や、複雑で入り組んだ地形の影響を受けた涼しい地域もあり、
それらの地域では、力強い味わいとはまた一味違う、品格のある味わいのピノ・ノワールも数多く造られています。
ニュージーランド
ワインにおいて、近年急成長を遂げたニュージーランドでは、ピノ・ノワールの生産も盛んに行われています。
特に、ニュージーランドの最南端にあるセントラル・オタゴは、世界でも屈指のピノ・ノワールの産地として知られています。
ここでは、昼夜の寒暖差と乾燥した気候を生かし、きれいな酸味と凝縮感の高い優れたピノ・ノワール種が生み出されます。
またニュージーランドのようなニューワールドのワインは、ヨーロッパとはまた違う魅力を備えており、
何よりコストパフォーマンスに優れているのが大きな特徴です。
以下の記事で詳しく説明していますので、参考にしてみてください。
ニューワールドのワインって何?嬉しい特徴と魅力やおすすめを紹介
ドイツ
ドイツといえば、先ほど少し紹介したリースリングから造られる白ワインが人気ですが、
最近質の高いピノ・ノワールが生み出されるようになりました。
ドイツでは、ピノ・ノワール種のことを「シュペート・ブルグンダー」と呼びます。
ドイツは国全体が冷涼な地域にあるため、ピノ・ノワール種は比較的温暖なドイツ南部での栽培が盛んです。
ただ、元々ピノ・ノワール種の栽培には冷涼すぎるとされたドイツの気候が、
近年の地球温暖化の影響で、ピノ・ノワール種に適した気候になりつつあるという事実を知ると、複雑な気持ちになりますね。
ピノ・ノワールで造られるワインの楽しみ方
ここからは、ピノ・ノワールをどのように楽しめばいいか、見ていきましょう。
ピノ・ノワールを堪能できるワイングラスは?
まずワイングラスは、どのタイプを使うのがいいでしょうか?
香り豊かなピノ・ノワールのワイングラスは、大ぶりで、ふっくらと丸みのある形のものを使うのがオススメです。
口元に向かって強くすぼまった形状なので、豊かな香りがギュッと凝縮して、ワインが舌の先に導かれることで、
口の中で酸味と甘みが整って、バランスの良い味わいに感じられます。

ちなみにワイングラスも奥が深く、グラスが違うだけでワインの味や印象も大きく変わりますので、
詳しく知りたい方は、以下の記事を参考にしてみてください。
なぜワイングラスにはいろいろな形があるの?味覚嗅覚と形のメカニズム
初めてのワイングラスを購入するあなたへ!選び方の4つのポイント
温度はどの位が一番美味しい?
次に、飲むときの温度にも気をつけた方が、よりワインが美味しく飲めますよ。
ピノ・ノワールは、ワインによって多少異なりますが、13〜16℃の温度で飲むと、一番美味しく感じられます。
感覚的には、ワインの瓶を持ったり、口にワインを含んだ時に「ちょっと冷たいかな」と感じるくらいですね。
この温度帯が、ピノ・ノワールが持つチャーミングなフルーツの風味と酸味を、バランス良く感じられるので、美味しく感じられます。
ワインは適した温度で飲む方が美味しいのですが、ワインによって適温は異なるので、難しいですね。
その辺りは以下の記事で説明してますので、参考にしてみてください。
どんな料理と合わせる?
これでワインを美味しく飲む準備ができましたので、あとは料理とも合わせて、より美味しくワインを楽しみたいところですね。
ピノ・ノワールに料理を合わせる時は、肉料理であれば鴨や鶏肉、
もしボディのしっかりしたタイプの厚みのある味わいのピノ・ノワールなら、牛肉をオススメします。
料理はシンプルな味付けの方が、ピノ・ノワールの香りや滑らかな口当たりと合わせやすいので、よりワインの味わいも楽しむことができます。
例としては、鴨のローストやローストビーフなどがいいですね。
ブルゴーニュ地方の郷土料理で「コック・オー・ヴァン(鶏肉の赤ワイン煮込み)」や「ブッフ・ブルギニヨン(牛肉の赤ワイン煮込み)」
がありますが、これらの料理との相性もとてもいいです。
ピノ・ノワールは酸味をしっかりと感じるので、実はサラダにも合わせやすい味わいです。
サワークリームをのせたクラッカーや、マスタードをチーズやサーモンなどに添えて召し上がるのもオススメです。
ちなみにワインと料理の組み合わせも奥が深いので、以下の記事も参考にして、あなたなりの最高の組み合わせを見つけてみてください。
「肉料理には赤ワイン」とは限らない!?美味しい組み合わせの方程式
ピノ・ノワールのオススメワイン5選
最後に、私がオススメするピノ・ノワールを5つ紹介いたします。
ピノ・ノワールは、今回紹介しきれなかった様々な国や産地でも造られ、様々に異なる魅力が引き出されています。
今回紹介するワインも参考にしながら、あなたのお気に入りのピノ・ノワールが是非見つかるといいですね。
ルイ・ジャド ブルゴーニュ・ピノ・ノワール(フランス/ブルゴーニュ)
造り手のルイ・ジャド社は、数あるブルゴーニュ地方の生産者の中でも、
優れた品質のワインを適正価格で提供する生産者として知られています。
ブルゴーニュ地方内でも、様々な品質のワインを手掛けていますが、その中でもお手頃なシリーズになります。
イチゴやラズベリーを想わせるフルーツの風味に、繊細さと奥行きが感じられる、フランスのピノ・ノワールらしい品格のある味わいです。

シャトー・セント・ジーン カリフォルニア・ピノ・ノワール(アメリカ/カリフォルニア州)
豊かなフルーツの風味を感じる、カリフォルニア州の特徴がよく表れたピノ・ノワールの赤ワインです。
口当たりがスムーズで、チェリーやフレッシュなイチゴのようなフルーツの風味に、スパイスのようなニュアンスをほんのりと感じられます。

ドメーヌ・ドルーアン オレゴン・ピノ・ノワール(アメリカ/オレゴン州)
フランスのブルゴーニュ地方でその名を知られる「メゾン・ジョセフ・ドルーアン」が、オレゴン州で手がける、ピノ・ノワールです。
ブラックベリーやチェリー、フレッシュなハーブ、コーヒーを想わせる複雑な香りで、口当たりはソフトです。
ブルゴーニュ地方とはまた異なる魅力を引き出した、ピノ・ノワールの赤ワインです。
ホワイトハウスの大統領晩餐会でも、提供されたこともあるワインでもあります。

シレーニ セラー・セレクション ピノ・ノワール(ニュージーランド)
日本で一番売れているというニュージーランドワイン、という触れ込みを持つ、シレーニ社が手掛けるピノ・ノワールです。
豊かな果実の風味で、チェリーやブルーベリー、スミレを想わせる香りで、口当たりが柔らかく上品な味わいです。

フリードリッヒ ベッカー ピノ ノワール(ドイツ)
上品な味わいを引き出すことに拘って造られた、ドイツのピノ・ノワールです。
イチゴ、チェリー、木イチゴなど赤いフルーツがぎゅっと凝縮したような味わいで、
淡い色合いからは想像もつかない旨味とミネラル感を持つ、品格のあるピノ・ノワールです。

まとめ
今回は、ピノ・ノワール種とそのワインについて見てきました。
「ピノ・ノワール」種とは、赤ワイン用に使われるブドウ品種の一つで、
世界中でとても人気が高いブドウです。
ピノ・ノワールは、フランスのブルゴーニュ地方が最も有名ですが、
最近ではアメリカ、ニュージーランド、ドイツなど他の国でも成功を収めてきました。
ピノ・ノワールを楽しむときは、
大ぶりのグラスを使って、13〜16℃くらいで、肉料理などと合わせてみることをオススメします。
ピノ・ノワールのワイン、あなたも是非試してみてくださいね。
ワインを定期的に届けてくれるサブスクサービスは、店によって全然特徴が違います。
選び方や注意点について記事書いてます
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