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ワイングラス、じっくり眺めたことありますか?
長い脚、膨らんだカップに、すぼまった飲み口っていう感じですかね。
今回は、ワイングラスの4つの部分の名称とともに、その役割や、形・大きさの意味についてもお伝えします。
ワイングラスの各部分の名称

ワイングラスは、上の図で分かるように4つのそれぞれの部分に名前がついています。
ひとことで表すとこのようなイメージです。
- リム 縁
- ボウル カップ
- ステム 脚
- プレート 台座
では、ひとつひとつ詳しく見ていきましょう。
リム
飲むときに口を付ける、グラスの縁の部分をリムと呼びます。
ボウルの一番上の円型の部分ですね。
リムは薄いほど唇に触れる感覚が少なくなり、口当たりが滑らかに感じます。
ワイングラスのリムは薄ければ薄いほどよいとされています。
ただ、薄くなればなるほど割れやすくなります。
ワイングラスとビアジョッキのリムの厚さを比べてみましょう。
ワイングラスは繊細さ、ビアジョッキは頑丈さ重視ですね。

ワイングラスの薄いリム

ビアジョッキの厚いリム
リムは口当たり以外にも大切な役割があります。
リムがボウルの膨らんだ部分より狭いことがワイングラスの特徴の一つです。
これは、ワインの香りを長くボウルの内部に留めておくためです。
一般的にはボウルが大きくなるとリムも広くなります。
ボウル
リムより下の丸みを帯びたグラス本体で、ワインが注ぎ入れる部分をボウルと呼びます。
ボウルの形状は最も膨らんだ部分から、ボウルの底に向かっているカーブと、リムに向かっているカーブから成り立っています。
ボウルの高さと広さとカーブの具合になどによってワインの香りが変ってきます。
このボウルの形状の違いこそが、ワイングラス最大の特徴なのです。
ステム
ボウルを支える細い脚の部分をステムと呼びます。
聞きなれない言葉ですが、広義には「軸」のことで植物の茎や幹、人工物の細い部分をさします。
ステムを持つことによって手の温度がワインに影響を与えず、ワインの色を観察するときにも手元が邪魔にならないので、ステムは長い方がいいとされています。
ワインを飲む際に、日本ではステムを持つのがマナーとされていますが、国際的にはボウルを持つのがマナーとされています。
国際的にはステムを持つのはテイスティングをするときだけのようです。
ボウルを持った方が安定して、ワインをこぼす危険性が減るからですね。
プレート
ワイングラスの底の円型の部分をプレートと呼びます。
ステムとプレートがあるのが一般的な形状のワイングラスです。
プレートは安定感を得るため、ボウルの直径と同じ大きさになっているのが一般的です。
テイスティングの際は、ここを持って香りを嗅ぐことがあります。
注目されにくい部分ですが、プレートにデザインを施しているものもあります。
ここまでは、グラスの4つの部分について説明してきました。
グラスの種類(型)分類は、主にボウルの形でなされています。
ボウルの形が変わると、香りや味の感じ方が大きく変わってきます。
ワイングラスの種類
ここからは代表的なワイングラスの種類(型)について簡単に説明していきます。
飲み口の広さと味覚の関係
2種類の白ワイングラスで飲み口の広さの違いを確認しましょう。
飲み口に小さい方が、キャンティ型と呼ばれる白ワイン用のグラスです。

出典:Amazon com. 飲み口が小さいワイングラス
飲み口が大きいのはモンラッシェ型と呼ばれる熟成白ワイン用のグラスです。

出典:Amazon com. 飲み口が大きいワイングラス
飲み口が小さい | 飲み口が大きい | |
容量 | 400ml | 600ml |
高さ | 23.5㎝ | 19.2cm |
膨らんだ部分 | 8.2㎝ | 10.8cm |
プレート | 8.2㎝ | 8.6cm |
舌の上での流れ方 | 早い、幅が狭く直線的 | ゆっくり、幅が広く全体的 |
舌の触れる部分と味覚 | 先端/甘味 | 全体/甘味・酸味 |
飲み口が小さいワイングラスでワインを飲むときは、グラスを少し傾けただけではワインが口に入ってこないため、大きく傾けます。
結果として、ワインが直線的に早く舌の先から奥へ流れていきます。
飲み口が大きいワイングラスでワインを飲むときは、グラスを少し傾けるだけでワインがゆっくりと舌の上に広がります。
飲み口の大きさが変わると、ワインが舌の上のどこを、どれだけの量、どんなスピードで通るかが変わるということです。
それによって味の感じ方が違ってきます。
今度は人間の舌について少し説明します。
舌はその部分によって特定の味に対する敏感さが違うといわれています。
- 舌の先端では甘味を感じやすい
- 舌の付け根に近い両側では酸味を感じやすい
舌の各部分とワインが接触した状態で、味わいが違って感じるのですね。
酸味が強いワインには飲み口が狭いワイングラスが、酸味が穏やかなワインには飲み口が広いグラスがすすめられています。
ボウルの大きさと香りの関係
小さいボウルのワイングラスは、ワインの香りがそのまま伝わりやすく、ワイン本来の香りを楽しめます。
大きいボウルのワイングラスでは、ワインが空気に触れる面積が広くなり、複雑な香りもしっかりと引き出せます。
ボウルが大きいのは、ブルゴーニュ型と呼ばれる熟成赤ワイン用のグラスです。
2種類の赤ワイングラスの大きさと形の違いを見てみましょう。

出典:Amazon com. ボウルが大きいワイングラス
ボウルが小さいのは、ボルドー型と呼ばれる赤ワイン用のグラスです。

出典:Amazon com. ボウルが小さいワイングラス
ボウルが大きい | ボウルが小さい | |
容量 | 770ml | 610ml |
高さ | 24.3㎝ | 22.5㎝ |
ボウルの膨らんだ部分 | 11.3㎝ | 9.5㎝ |
プレート | 9.2㎝ | 8.6㎝ |
下向きのカーブ | 急 | 急 |
上向きのカーブ | やや急 | 緩 |
香りの変化を楽しむワインには大きいワイングラスが、そのままの香りを楽しむワインには小さいグラスがすすめられています。
ボウルの大きさと温度の関係
赤ワイン用のグラスとシャンパン用のグラスで、大きさの違いを確認してみましょう。
ボウルが大きいのは先ほども紹介した、ブルゴーニュ型と呼ばれる熟成赤ワイン用のグラスです。

出典:Amazon com. 赤ワイン用
ボウルが小さいのは、シャンパーニュ型と呼ばれるシャンパン用のグラスです。

出典:Amazon com. シャンパン用
赤ワイン用 | シャンパン用 | |
容量 | 770ml | 445ml |
高さ | 24.3㎝ | 23.5cm |
ボウルの膨らんだ部分 | 11.3㎝ | 8.5cm |
プレート | 9.2㎝ | 8.2cm |
ボウル部分の大きさによって、温度変化の早さに違いが出ます。
ボウルが小さければ温度が上がりにくいので、冷えているうちに飲み切れます。
シャンパンなど、冷やして飲むタイプのワインには小さいボウルがおすすめです。
大きければ温度が上がりやすくなるので、赤ワインなど香りの変化を楽しむタイプのワインにおすすめです。
ワイングラスの進化

ガラス製のワイングラスは、1400年頃イタリアのヴェニスで作られ始めました。
教会で使用する、足の付いた金属製の聖杯の形が原型だといわれています。
- 厚いリム
- 青銅のボウル
- 太く短くステム
- 頑丈なプレート
1950年代後半に、オーストリアのリーデル社が大振りなワイングラスを発表しました。
これが現在の主流となっているワイングラスの起源だとされています。
ワイングラスの歴史は長いですが、形が確立されたのは意外に最近なのですね。
リーデル社といえば、現在もワイングラスのトップメーカーで、この記事で紹介するワイングラスもほとんどがリーデル社のものです。
現代のワイングラスの基本形とは次のようになります。
- ワインの色を見るために無色透明
- ワインの口当たりの邪魔をしない薄いリム
- ワインの香りを溜めるボウルの膨らみとすぼまった飲み口
- 手の温度をワインに伝えにくい細くて長めのステム
- ワイングラスを支えるプレート
ステムとプレートがないワイングラス
長めのステムとプレートがあることはワイングラスの特徴です。
なんと!現在では収納性や耐久性を重視した、ステムとプレートがないワイングラスもあるのですよ。
確かに、ステムは細いと折れる心配がありますし、長いと収納するのに困りますよね。
また、ステムとプレートがない方が、ワイングラスを倒す心配もありませんね。
日常的にワインを楽しむ場合は、ワインの温度変化よりも、ワイングラスの利便性を優先してもいいのかもしれません。

出典:Amazon com. ステムとプレートがないワイングラス
こぼれないワイングラスとは?
ステムとプレートがないワイングラスから、更に進化するとこのようになりました。
サターングラス
起き上り小法師のような原理で、こぼれないワイングラス、サターングラスです。
サターンとは土星のことですから、土星に似せた形ということなのでしょうね。
タンブラー型(ステムとプレートがない形)にしても、やはりワイングラスを倒してワインをこぼす可能性はありますからね。
このサターングラスは、イタリアとスカンジナビアの伝統的ガラス技術を組み合わせたもので、チェコの職人の手作業で作られています。
発信しているのはカリフォルニア州立大学バークレー校で有名な、カリフォルニア州バークレー市にある、ハンドメイドのガラス製品を企画している会社です。
下の写真を注目してください、リムの部分の直径がボウルの部分のそれより小さいというワイングラスの特徴はちゃんと持っているのですよ。

出典:Amazon com. サターングラス
まとめ
ワイングラスの各部分の名称を紹介しました。
- リム 縁
- ボウル カップ
- ステム 脚
- プレート 台座
ボウルの飲み口の大きさと味の関係、ボウルの大きさと香りの関係、温度の関係を、具体的なグラス種類(型)を挙げてお話ししました。
実用性を重視したワイングラスからは、ステムとプレートが無くなっていましたね。
ワイングラスにも目を向けて、あなたのワインライフをより素敵なものにして下さい。
ワインを定期的に届けてくれるサブスクサービスは、店によって全然特徴が違います。
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