ワインの保存

このワイン劣化してるかも?!香り別に判断するワインの状態チェック

せっかく楽しみに飲もうとしていたワイン、家で飲もうと思ったら、なんか香りがおかしいと感じたことはありますか?

でも香りがおかしいからといって、捨てるにはもったいないワインも、実はあるんです。

それを香りで判断することができるのですが、ご存知でしょうか?

今回はワインが劣化しているのか、健全なのかを判断できるようになる為に、それぞれ具体的にどのような香りが出るか、

また劣化したワインに当たった場合、どうすればいいかについても、ご紹介していきたいと思います。

ワインの劣化について

まず、多くの食品や飲料には賞味期限が記載されていますが、ワインには賞味期限はありません。

なぜワインに賞味期限がないのかというと、ワインは劣化することはあっても腐ることはないからです。

なので、味の問題はさておき、極端に言えばどのワインも何年経っていても飲む事はできます。

ですが、ワインはとてもデリケートなお酒で、すぐに劣化するリスクが伴います。

ワインの劣化とは、カビ・酵母などの微生物、酸素や外部からの熱や光などがワインに作用することで、

ワインの品質が著しく損なわれることを指します。

例えば、船や飛行機で輸送中や倉庫で保管されている時に、長時間熱や直射日光が当たる、また急激な温度変化にさらされると、

ワインはすぐに劣化してしまいます。

ワインが劣化する原因は様々で、生産者側でどんなに気をつけていたとしても、劣化したワインが混じってしまうこともあります。

ワインが瓶詰めされた後に劣化する場合もあるので、そのワインが劣化しているかどうかは、栓を開けて飲んでみないと分からないのが現実です。

その為、レストランでは劣化したワインをお客様に出すことがないよう、ソムリエはワインの栓を抜いた時に毎回状態チェックを行なっています。

ソムリエが抜いたコルクの香りを嗅いでいたり、

ワインをお客様全員のグラスに注ぐ前に、どなたか一人に「状態を確認頂けますでしょうか?」を少しだけワインを注いで香り・味を試すのは

そのワインが劣化していないかどうかを確認する重要な作業なのです。

ちなみに、ワインは劣化していたとしても飲むことはできますし、あなたの体に悪影響を及ぼすことはありません。

味が美味しいか美味しくないかは別として、安心して飲むことができますよ。

おかしな香りでも、劣化していないワインの香りとは?

ワインにおかしな香りを感じ取れるからといって、そのワインが劣化していると言い切れない時があります。

以下にご紹介するワインで感じる香りは、ワインは健全な状態と考えられています。

ドイツのリースリング種白ワインに表れるガソリン香

重油香、灯油香などとも表現されます。

ドイツの白ワインで、リースリングという種類のブドウを使ったものに特徴的な香りですが、健全なワインの香りとされています。

年代の古いワインに表れる熟成香

年代の古いワインに表れる熟成した香りは、劣化臭とは見なされませんが、

ワインの熟成香と、酸化で発生する劣化臭との違いは、紙一重です。

一般的に「熟成」したワインには、それぞれ以下のような香りが感じられるようになります。

・白ワイン

ドライフルーツ、トースト、ナッツ、ハチミツが入り混じった複雑な香り

・赤ワイン

ドライイチジク、キノコ、腐葉土、タバコ、なめした皮が入り混じった複雑な香り

ワインの熟成香と劣化臭を分けて判断するのは、慣れないと難しいです。

年代の古いワインを飲む時は、明らかに劣化臭と分かる場合を除いて、こういう香りがするものだと受け入れた上で、飲む方がいいでしょう。

ちなみに年代の古いワインは「ヴィンテージワイン」とも呼ばれますが、以下の記事で詳しくご紹介させて頂きました事があります。

よろしければ、参考になさってみて下さい。

「古いくていいもの」は間違い!?ワインのヴィンテージの意味とは

有機栽培ワインに表れるビオ臭

有機栽培ワインの香りの中には独特なものもあり、有機栽培でないワインにはない特別な香りという意味で「ビオ臭」と呼ばれる事があります。

以下の香りが有機栽培ワインに表れた場合は、ビオ臭とみなされ、劣化臭ではないと判断されることもあります。

劣化臭にも同じような香りがありますが、有機栽培ワインだと劣化臭とは見なされない、というのも不思議な話に聞こえますね。

・硫黄

・馬小屋

・焦げたような臭い

・セメダイン臭

・揮発酸

・ご飯がすえたような臭い

・ヨーグルト臭

劣化したワインに出る香りとは?

ここからは、劣化したワインに出る香りをご紹介いたします。

お話しした通り、そのワインが劣化しているかどうかは飲む直前まで分かりませんが、

劣化したワインには、健全なワインにはない様々な香りが現れます。

コルク臭

コルク臭のことをフランス語で「ブショネ」と言い、ワインの世界では、この単語はそのままワインの劣化を表しています。

ブショネの臭いの例えは様々で、コルク臭の他にもカビ臭い、水で濡らした段ボールの臭い、濡れた雑巾の臭いと表現する人もいます。

ブショネの原因は、天然の木で造られるワインのコルクが微生物に寄生され、それがコルク洗浄で使う塩素系消毒剤と化学変化を起こす為です。

また、ブショネには程度の違いがあり、明らかにブショネの匂いがするものから、かすかに香る程度の微妙なものまであります。

もしブショネのワインに当たりたくない、という方はスクリューキャップのワインを試してみてはいかがでしょうか?

以下の記事で、ブショネが発生しないスクリューキャップのワインについて紹介してます。

よろしければ参考にしてみてください。

安物に感じる?高級ワインにも広がるスクリューキャップのメリット

すりおろしたリンゴの臭い

美味しそうな臭いのようですが、ワインに含まれるアルコールに酸素が反応することで発生する劣化臭です。

ワインの熟成は、酸素に穏やかに接触することでなされるので、酸素はワインにとってプラスに働くこともあるのですが、

ワインが過剰に酸素に触れすぎると「酸化」と呼ばれる欠陥状態を引き起こすので、そのバランスが難しいようです。

ワインの過剰な酸化を防ぐために、酸化防止剤が使われるわけですが、酸化防止剤については別の記事でも詳しくご紹介しています。

よろしければ参考になさって下さい。

ぶどうだけで造られているワインに添加物?その種類と役割を解説

ワインの酸化防止剤は体に悪い?無添加ワインとの違いもあわせて解説

その他の劣化臭

劣化臭も様々なので、以下にその他を一覧でご紹介します。

人によっては異なる例えで表現することもありますので、カッコ内で示します。

中には美味しそうな例えもありますが、ワインでこの臭いを感じ取れる場合は劣化を疑った方がいいでしょう。

・接着剤の臭い(除光液の臭い、セメダイン臭)

・醤油の臭い(老酒の臭い)

(※老酒:ラオチュウ。中国酒の一つで、米を原料にして陶器の壺や甕で熟成させたお酒です。)

・燻製肉、なめし革の臭い(馬小屋、馬の汗のような臭い)

・薬品箱の臭い(救急箱の臭い)

・ネズミ臭(茹でた枝豆、ポップコーン)

・蒸れた獣の臭い(焦げたような臭い)

劣化したワインはどうすればいい?

もし劣化したワインに当たってしまったら、どうすればいいでしょうか?

香りがおかしいと思ったらすぐに捨てるのではなく、いくつか試して頂きたいことがあります。

まずは以下の方法を試してみては、いかがでしょうか?

しばらく時間を置いてから飲む

グレードが高いワインの場合は、多少の劣化臭があったとしても、かなりの確率で蘇ると言われています。

このようなワインに劣化臭を感じた場合、ワインの瓶を動かさず少し待っていると、運がよければ1~2時間後には、

刺激臭や酸化臭が消えて、そこそこおいしく飲めてしまうそうです。

また、有機栽培ワインのビオ臭でご紹介した硫黄の香りは、有機栽培でないワインにも感じることが稀にありますが、

この香りは、ワインが瓶の中で酸欠(=還元状態)になることが原因で発生します。

還元状態のワインは劣化臭でないのと、ワインを酸素に触れさせることで還元臭を取り除くことができます。

還元臭は、他にも卵の黄身、温泉卵、温泉のような臭いと人によっては感じられますので、

この香りを感じたら少し時間を置いてから飲んでみてもいいでしょう。

購入したお店に相談してみる

ワインが劣化している場合は、購入したお店に相談すれば、交換または返品に応じてくれることもあります。

ただし、劣化の度合いとお店側の対応次第なので、相談すれば必ず応じてくれるわけではないことは覚悟した方がいいです。

以下の2点も、頭に入れておいた方がいいですよ。

できれば翌日までにお店に相談する

変な香りがすると感じたら、なるべく早く、できれば翌日までにお店に持っていくことです。

どうしてもお店に持っていく都合がつかなければ、まずはお店に電話で相談してみましょう。

ワインの劣化も程度がありますので、劣化の状態によっては時間が経つとほとんど分からなくなるものもあるからです。

必ず中身のワインを残した瓶と、レシートを持っていく

中身が空の瓶をお店に持って行き、あなたが「このワイン変な香りがするんだけど」と言っても、お店の人には本当に劣化していたのか判断できません。

香りが変だと感じたら、中身は処理せずに、必ず中身を残したままの瓶をお店に持参して下さい。

また、もしお店が交換・返品対応してくれるなら、レシートも必要になるので、合わせて用意しておきましょう。

料理に活用する

時間を置いても劣化臭が取れない、お店で返品・交換できない時は、少し贅沢な使い方にはなりますが、

料理酒として活用することもできます。

先ほどお話しした通り、ワインは劣化していたとしても飲むことはできますし、あなたの体に悪影響を及ぼすことはありません。

安心して料理にお使いになる事ができます。

赤ワインの場合には、カレーやビーフシチューなど煮込み料理などに使えば、タップリ消費できます。

いつものカレーも、贅沢な赤ワインを入れることでリッチな味わいに仕上がります。

白ワインの場合には、クリームシチューに使ったり、アサリやムール貝などの貝を使った白ワイン蒸しに使うこともできます。

劣化もワインの個性と捉えて飲む

ワインは、同じワインでも瓶によって個性が出てきます。

いっそのこと、劣化もそのワインの個性と捉えて飲む、という寛容さを持つのはいかがでしょうか?

ワインはたとえ同じ中身でも、瓶によって差が出ることがあります。

これは「ワインの個体差」などと呼ばれ、ワインが好きな方の中には、この個体差を人の人生になぞらえる方もいらっしゃいます。

同じ姿・形をしていても、現在に至るまでの経験は人によって違うように、

ワインも瓶によって、どの樽で造られたワインか、どのような経路で生産者から輸送されたかなど、

造られてからあなたの手元に届くまで、様々に異なる状況を経ています。

そのあなたの手元に届くまでに、何らかの原因でワインが劣化してしまったとしても、それもたまたま運が悪かっただけのこと、

と全てを受け入れて飲むということです。

最もこのケースは、あなたが大事に保管していた、または大切な方から頂いたなど、捨てるにはあまりにももったいない特別なワインを飲む時くらいで、

普段はそこまでワインに寛容な心は持てないと思います。

どうしても飲めないし、料理にも使いたくないほど劣化したワインであれば、最後は泣く泣く処分するしかないでしょう。

劣化したワインの活用法については、以下の記事でも書いてます。

飲みかけのワインを保存する方法5選!劣化したワインの活用法も!

まとめ

今回は、劣化したワインについてご紹介させて頂きました。

・ワインの劣化は、香りで判断する事ができる。

・劣化だと思っても、そうでないワインもある。

ワインが劣化していると思ったら、

・まずは時間を置いて様子を見る。

・劣化ならお店に相談することを考えてみる。

・それが難しければせめて料理に活用するか、受け入れて飲む。

ワインの劣化は香りで判断できるとは言え、劣化しているかそうでないかは紙一重な部分もあるので、本当にワインって難しいお酒だと思います。

私はその難しさも含めて、ワインを楽しんでいけたらいいなと思います。

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