ワインを定期的に届けてくれるサブスクサービスは、店によって全然特徴が違います。
選び方や注意点について記事書いてます
→「お店によって特徴が全然違う!?定期的にワインが届くサブスクを紹介」
お祝いや大切な会食の場において、ワインは欠かせない存在。
そして乾杯の定番といえばやっぱりシャンパーニュです。
みんなのグラスに注がれていくだけで「これから楽しいことが始まるぞー」とテンションが高まる、魔法のようなワインですが、
中でも圧倒的シェアNO1を誇るシャンパーニュが画像の、モエ・エ・シャンドン(通称モエ)なのです。
今回の記事ではそんなモエ・エ・シャンドンが現在のブランド力を有することになった背景、
その品質へのこだわり、展開する多くのシャンパーニュの銘柄など、
モエ・エ・シャンドンのすべてを掘り下げてご紹介して参ります。
最後まで記事を読み終えたあなたがもっとモエを好きになってくれたら幸いです。
モエ・エ・シャンドンとは
モエ・エ・シャンドン(Moët et Chandon)は、
シャンパーニュを造るメーカーの名前、および同社が製造するシャンパーニュ(シャンパン)ブランドの名前です。
世界中で最も売れているシャンパーニュの銘柄で、日本でも「モエ」「モエシャン」などの通称で多くの人に親しまれています。
高額商品にも関わらずコンビニなどでもよく陳列されており、また贈り物として選ばれることも多いモエ。
もはや日本人の生活に根付いているとすらいえ、ワインに興味がない人でも「ラベルは知ってる」という人が多いのではないでしょうか。
補足:シャンパーニュとは
シャンパーニュ(Champagne/シャンパン)は、フランス北部シャンパーニュ地方で造られるスパークリングワインのことです。
ラベルには“Champagne”の記載があります。
他のスパークリングワインと比べて「泡がきめ細かい」ことが味わいの大きな特徴です。
スパークリングワインは国によっていろいろな呼び方があり、
- ドイツの「ゼクト/Sekt」
- イタリアの「スプマンテ/Spumante」
- スペインの「カバ/Cava」
などがあります。
数字で見るシャンパーニュ
- 世界のスパークリングワイン売上本数シェアは10%程度
- 世界のスパークリングワイン売上金額シェアは35%程度
フランスという国の中の、ひとつの地方で生産されているシャンパーニュですが、
スパークリングワイン市場において非常に大きな影響力を持っていることや、高値で取引されていることがうかがえますね。
「モエ」はなぜ、こんなに有名なのか
世界一売れているシャンパーニュ「モエ」
日本のワインにあまり興味がない人ですら「ラベルは知ってる」というほどに有名なシャンパーニュです。
なぜここまでの知名度を誇るようになったのでしょうか。
歴史

モエ・エ・シャンドンはフランス革命前の1743年、クロード・モエにより創設されました。
王室や貴族階級の中で評判になり、フランス王室公式シャンパンに認定されます。
皇帝ナポレオンもモエ・エ・シャンドンの大ファンの一人。
同社の三代目当主のジャン・レミー・モエと親しい間柄だったこともあり、
ナポレオンは戦争の後いつもモエ家を訪れ、モエ・エ・シャンドンで勝利の祝杯をあげていたそうです。
この後紹介するモエの代表銘柄「モエ アンペリアル」のアンペリアル=エンペラー(皇帝)は皇帝ナポレオン1世に由来します。
早い時期から国際化にも対応し、国外への輸出に乗り出すと国外でも高い評価を得て、
イギリス王室でも御用達になるど世界的なメーカーとしての地位を築くこととなります。
成功やお祝いの象徴

モエ・エ・シャンドンはパーティや表彰の場でもよく登場します。
スポーツイベントの表彰台などでプレイヤー同士がシャンパーニュをかけ合う姿を目にすることがあります。
これは「シャンパンファイト」といって、
1966年に行われた世界的なカーレース「ル・マン24時間耐久レース」で優勝したドライバーが
喜びのあまりモエ・エ・シャンドンのボトルを振って他の人にかけたことがはじまりです。
また、パーティで行う華やかな「シャンパンタワー」もモエ・エ・シャンドン社が考案した演出です。
このように偶然の産物やアイデアに富んだマーケティングも相まってモエは知名度を高め続け、
今では世界中のイベントにおいてモエ・エ・シャンドンは欠かせない存在になりました。
品質へのこだわり
知名度に影響を及ぼす有名なエピソードはあるものの、モエの人気の本質は「たしかな美味しさ」です。
モエ・エ・シャンドンは、年間約3,000万本が生産されています。
シャンパーニュ全体の毎年の総生産数が2億数千本ですので、
数あるシャンパーニュブランドの中で10%超を占める圧倒的なシェアです。
しかしワインは農作物を原料とする商品。
ブドウの出来、不出来がダイレクトに味に影響する、品質管理が難しいお酒です。
そんな中でも安定した味わいで知られるモエ・エ・シャンドン、いったいどうやってその品質を守っているのでしょうか。
広大且つ、質の高い畑を所有
モエ・エ・シャンドンは1,150ha(東京ドーム約250個分)という、シャンパーニュ最大級のブドウ畑を所有しています。
まず、この畑が非常に高い評価を得ています。
フランスでは造られるワインの品質に応じ、ブドウ畑の階級が分かれています。
ちょっと日本では考えられないことですが、
国家が畑ごとに「こっちの畑は2級、あっちの畑は1級」と格付けをし、品質を保証しているのです。
畑や格付けのことを「クリュ」といいます。
モエ・エ・シャンドン社は保有するクリュの内、
50%がグラン・クリュ(特級畑)、25%がプルミエ・クリュ(1級畑)に格付けされています。
つまり広いだけではなく、極めて質の高い畑を所有していることがわかります。
出来の良いブドウだけを使ったワイン造り
広大で質の高い畑を所有するモエ・エ・シャンドン社ですが、彼らのこだわりはここからです。
同社は所有する323の畑の内、その年に出来がよかった200の畑から収穫されたブドウだけを用いてシャンパーニュを造っています。
残りのブドウはシャンパーニュとしては製品化しません。
トップクラスの畑で造られたブドウをさらに厳選しているということですが、
これは非常に贅沢なブドウの使い方をしていると言えます。
たとえば収穫されたブドウをすべてモエ・エ・シャンドン造りに使うこともできるはずです。
そうすれば超人気商品であるモエ・エ・シャンドンの生産量を2倍近くまで増やすことができ、収益もそれに比例するはずですが、
高い品質を維持するため、この製造方法は伝統として守られて続けています。
モエ・エ・シャンドンのラインナップ8選
ここからはモエ・エ・シャンドンのラインナップをご紹介します。
目にすることが多い「モエ アンペリアル」(写真の1番左)以外にも、たくさんの種類がありますので、
価格・見た目・味わい・さらに飲み方の違いなどを見た上で、お気に入りのモエを見つけてくださいね。
補足 白とロゼの味わいの違いについて

この後、シリーズごとにそれぞれ「白」と「ロゼ」の銘柄を紹介します。
かなり大まかですが、ロゼは白のシャンパーニュと比較して以下の傾向がありますので、
購入に適したシーンや味わいを想像する参考にしてみてください。
- イチゴやさくらんぼなどの赤い果実の風味
- 渋み、コクがある(赤ワインほど強くない)
- 白より少し高額
モエ アンペリアル
価格 :4,500円~
甘さ :★☆☆☆☆(辛口)
モエ・エ・シャンドンといえばコレ!定番タイプのモエです。
辛口、フルーティで爽快感のある味わい。
乾杯の時だけではなく、和洋中・前菜からメインディッシュまでどんなシーンでも美味しく合わせられるシャンパーニュです。
750mlのフルボトルだけではなく、375mlのハーフボトルや200mlのミニボトルなどサイズのバリエーションも豊富です。
ロゼ アンペリアル

価格 :5,800円~
甘さ :★☆☆☆☆(辛口)
辛口で、シーンを選ばない汎用性の高さは「モエ アンペリアル」と同様です。
ラズベリーやチェリーのような香り、コクのある味わいと余韻の深さが特徴です。
脂身の多い料理などには、アンペリアルよりもロゼのほうがより合わせやすいかもしれません。
グラン ヴィンテージ

価格 :7,000円~
甘さ :★★☆☆☆(やや辛口)
出来のよいブドウが収穫された年だけに造られる、ヴィンテージワインです。
簡単に言うと他の種類のモエ・エ・シャンドンは、
複数の年に収穫されたブドウから作ったワインを混ぜて瓶詰め=商品化しています。
これは年ごとのブドウの質の変化による、ワインの味わいへの影響を最小限にするためです。
この方法を採用しているからこそ、いつでも美味しく、価格も大きく変動しないという消費者側のメリットにつながっています。
ちなみにこの方法で作ったワインを「ノン・ヴィンテージワイン」といい、
エチケットにブドウの収穫年は記載されていません。
しかしこの「グラン・ヴィンテージ」シリーズはブドウの品質・収穫量ともに素晴らしい年に、
その年のブドウだけを使って作った超贅沢なシャンパーニュなのです。
熟成期間を長めにとり、きめ細かい泡と若いワインにはないクルミやナッツを感じさせる甘く香ばしい風味が特徴です。
グラン ヴィンテージ ロゼ

価格 :8,000円~
甘さ :★★☆☆☆(やや辛口)
同じく、単一の年のブドウから造られたヴィンテージワインです。
繊細できめ細かい泡、甘く香ばしい香りは白と同様ですが、こちらはベリーを感じさせる風味も含んでいます。
ネクター アンペリアル
価格 :6,000円
甘さ :★★★★☆(やや甘口)
やや甘口のモエ・エ・シャンドンです。
パッションフルーツやパイナップルなど酸味のあるトロピカルフルーツのようなフルーティな香りです。
食後酒として、スイーツやフルーツ、チーズと合わせて飲むのもおすすめです!
ネクター アンペリアル ロゼ
価格 :6,500円
甘さ :★★★☆☆(中辛)
「ネクター」白と比べると、少し甘味が抑えられており、
スタンダードな「アンペリアル:ロゼ」と比べるとより芳醇で力強い
といった印象のシャンパーニュ。熟れた桃や野苺のような香りが特徴です。
アイス アンペリアル
価格 :6,000円
甘さ :★★★★☆(やや甘口)
氷を入れて飲むこと前提にした新しいスタイルのシャンパーニュ。
2015年より夏季限定で販売されています。
- 甘口。且つ氷が溶けることでアルコール度数が下がり飲みやすい
- 氷を入れて飲むのが斬新でSNS映えする
- ボトルがお洒落
などの理由から女性を中心に人気が高まっています。
グアバやマンゴーのような、甘味の強いトロピカルフルーツのような香りが特徴です。
アイス アンペリアル ロゼ
価格 :6,500円
甘さ :★★★☆☆(中辛)
同じく、氷を入れて飲むロゼのシャンパーニュです。
アイス アンペリアルの販売開始から2年後の2017年にリリースされました。
香りはチェリーやイチジクのような香り。
白よりも甘さが抑えられ、コクが強く飲みごたえがある点は他のラインナップのロゼと同じ傾向です。
個人的には、ボトルデザイン・グラスに氷を入れて注いだときの「かわいさ」は白を上回るインパクトがあると思います。
男性の方!
女性との会食の場で乾杯の飲み物として注文すれば、つかみはバッチリですよ。
まとめ
モエの周辺知識
- モエ・エ・シャンドンは世界一売れているシャンパーニュ
- フランス革命以前から王侯貴族に愛されていた
- ナポレオンもモエの大ファンだった
- 世界中のお祝いやセレモニーで用いられる
- 美味しさの秘訣1 広大且つ、質の高い畑
- 美味しさの秘訣2 厳選されたブドウだけを使用
モエのラインナップ
- 定番の「アンペリアル」
- 当たり年ブドウで造った「グラン ヴィンテージ」
- 甘めの味わい「ネクター アンペリアル」
- 氷を入れて飲む「アイス アンペリアル」
- それぞれ白・ロゼがある
シャンパーニュの中でもひときわ高いブランド力を誇るモエ・エ・シャンドンですが、
歴史やワイン作りへのこだわりを知ると、知名度だけが先行している訳ではないことがよくわかります。
これまで定番の「モエ アンペリアル」しか知らなかった人は、ぜひ他のシリーズも試してみてください。
これからも素敵なワインライフをお過ごしくださいね。
ワインを定期的に届けてくれるサブスクサービスは、店によって全然特徴が違います。
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