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メルローは渋み少ない赤ワインになるブドウ!その特徴とおすすめワイン4選

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メルローは有名な赤ワインのブドウ品種ですが、

メルローのワインにどういう特徴があって、どんな料理と合わせるかは、なかなかはっきりと答えられませんね。

そこで今回は、メルローで造られるワインの特徴、主な産地と、ワインの楽しみ方やオススメのワインを紹介していきたいと思います。

メルローのワインはどんな香りや味わい?

メルロー(Merlot)は、世界中の様々なワイン産地で栽培されている、人気の高いブドウ品種です。

(※「メルロ」と表記されることもあります。)

メルローから造られる赤ワインは、濃縮したフルーツの風味が豊かで、親しみやすい味わいのものが多いです。

また、どの産地で造られたとしても、万人受けしやすい味わいに仕上がりやすいという特徴もあります。

具体的には、メルローから、以下のような特徴を持つ赤ワインに仕上がると言われています。

色:深みのある濃い色合い

香り:プラムやブラックチェリーのような、黒や紫色の肉厚なフルーツを想わせる

味わい:まろやかで口当たりがいい、シルクのような滑らかな舌触り、酸味は少なく力強い、タンニン分は滑らかでふくよか

メルローの赤ワインは、ワインを飲み始めたばかりで、赤ワインのタンニン分や渋みが苦手で飲みにくいと思っている方や、

コクがある赤ワインは飲みたいけれども、ゆったりとリラックスしてワインを楽しみたい時にもうってつけと言えます。

メルローのワインはどの産地が有名?

メルローは、世界各地で栽培が盛んなブドウ品種ですが、

その中でも特に知っておきたい、メルローから造られる赤ワインが、有名なワイン産地を見ていきましょう。

フランス

ボルドー地方

メルローといえば、ワインの本場フランス、ボルドー地方が最も有名です。

ボルドー地方では、メルローと合わせてカベルネ・ソーヴィニヨンという別のブドウ品種の栽培も盛んで、

基本的にこの2つの品種を(または他の品種も加えて)ブレンドして、赤ワインが造られることが多いです。

カベルネ・ソーヴィニヨンからできる赤ワインは、渋みと力強さが特徴とされているのに対し、

メルローからできる赤ワインは、まろやかさ、ふくよかさ、しなやかさを持つと、よく言われます。

この2種のブレンドで、メルローのふくよかさと、カベルネ・ソーヴィニヨンの力強さ・渋みのバランスの取れた味わいの赤ワインができます。

ちなみに、このボルドー地方の赤ワインをお手本にして、

メルローとカベルネ・ソーヴィニヨンなどをブレンドした赤ワインが、現在では世界各地で造られています。

このブレンドは「ボルドーブレンド」と呼ばれ、世界中のワイン愛好家からも人気の高い赤ワインが生み出されています。

(出典:美味しいワイン)

ボルドー地方を、もう少し細かく見ていきましょう。

中央部には、ジロンド河という大西洋に繋がる大きな河があり、この川を境に上流から見て、産地が左岸と右岸に分類されますが、

品質の高いメルローを生み出す産地は、ボルドー右岸のサンテミリオン地区とポムロール地区が、有名です。

特に、ポムロールでも最高級ワインとして有名な「シャトー・ペトリュス」は、メルローのみで造られた赤ワインで、

それだけ、この産地が世界で最も品質が高いメルローを生み出す、とされています。

理由の一つとして、この産地のブドウ畑の、粘土質を多く含む石灰質の土壌が、メルローの栽培に非常に適しているからとされています。

ちなみにボルドーワインについては、以前の記事でより詳しく紹介していますので、参考にしてみて下さい。

ボルドーワインとは?まずは知りたい特徴や格付け、オススメを紹介

その他の地域

ジロンド河の支流をさらに上流に上った地区と、ボルドー地方の南側の地区を合わせたシュド・ウエスト地方(=南西地方)でも、

メルローが栽培されており、ボルドーワインより低価格ながらも質の高い赤ワインが生み出されています。

またフランス南部にあるラングドック=ルーション地区でも、地元消費用として、メルローを使った赤ワインが多く造られており、

その中には、ボルドーワインにも劣らない優れた品質の赤ワインも現れています。

イタリア

イタリアのメルローから造られる赤ワインは、全体的に豊かなフルーツの風味を持つワインが造られています。

ほぼ全国に渡りブドウ栽培が盛んなイタリアですが、メルローが特に栽培されるのは、北部のヴェネツィア州と中央部のトスカーナ州です。

州都のヴェネツィアが有名なヴェネト州では、

メルローはカベルネ・ソーヴィニヨンや他のブドウ品種とブレンドされ、日常的に楽しめるワインが盛んに造られています。

また、イタリア中央部のトスカーナ州では、メルローは特にボルゲリという地区で盛んに栽培されており、

イタリアの地場品種のワインとはまた違うスタイルの、高級赤ワインが盛んに造られています。

(※地場品種=その地方のみで栽培されているブドウ品種のことで、イタリアではネッビオーロやガルガーネガなど多数あります。)

ちなみに、トスカーナ州で造られる地場品種のワインの代表といえば、サンジョヴェーゼ種で造られた赤ワインのキャンティワインですが、

キャンティワインについては、以前の記事で詳しく紹介していますので、参考にしてみて下さい。

キャンティワインの魅力と伝統を守るために独立したクラシコの魅力

チリ

チリでも、メルローはカベルネ・ソーヴィニヨンに次いで生産量が多い、ポピュラーなブドウ品種です。

チリ国内最大のブドウ産地、マウレ・ヴァレーで多く栽培され、メルローのみを使った質の高い赤ワインが多く造られています。

この地区内でも気候・風土が少し異なりますが、日照量が多いチリでは、造られるワインも濃厚かつまろやかな口当たりのものが生まれます。

ニュージーランド

ニュージーランドでも、メルローの栽培は盛んで、ピノ・ノワールに次いで生産量の多い品種です。

ニュージーランドは南北に長い島国で、南半球に位置しているため、北部が温暖で南部は冷涼な気候ですが、

メルローが栽培されている地域は、主に温暖な北部で、オークランド、ホークス・ベイという地域がよく知られています。

ニュージーランドでは、メルローのみから柔らかい味わいの赤ワインや、

カベルネ・ソーヴィニヨンとブレンドされ、味わいに複雑味を持たせたものも造られています。

日本

実はメルローは日本でも栽培されていて、産地としては長野県が最もよく知られてます。

あなたもご存知の通り、日本は基本的に高温多湿な気候条件のため、

ヨーロッパの乾燥した気候を好む、カベルネ・ソーヴィニヨンやピノ・ノワールなどのブドウ栽培には適していないと言われています。

その反面、多くの水分供給が必要なメルローは日本の気候に合っており、

長野県・山梨県ではメルローのみを使って優れたワインが造られています。

ちなみに日本のワインについては、以前の記事でも詳しく紹介していますので、参考にしてみて下さい。

ワインは日本でも造られている!?ワインが造られている地域や特徴とは?

どんな料理と合わせて飲めばいい?

メルローから造られるワインは、どんな料理と合わせればいいでしょうか?

まずメルローのワインは、他のブドウ品種から造られる赤ワインと比較すると、

フルーツの風味、酸味、コク、渋みといった様々な味わいが突出することなく、全体のバランスが取れた味わいに仕上がるので、

幅広いタイプの料理に合わせられます。

例えば、シンプルにグリルした鶏肉やローストビーフ、唐揚げ、タレの焼鳥、すき焼きとは相性がいいですよ。

その他にも、ミートソースのパスタやリゾットといった、イタリア料理にもとてもよく合います。

チーズともよく合い、ウォッシュタイプや白カビタイプ、青カビタイプなどの濃厚な味わいのものがオススメです。

ちなみに、メルローのワインは渋みや酸味が強すぎないので、合わせる料理だけでなく、飲み手を選ばない寛容さがあります。

「メルローの赤ワインは美味しくない」という人には、私は今のところ会ったことがありません。

なので、例えば出席者の多い会食など、赤ワインを準備しなければいけないけどそんなにたくさんの種類が用意できない時のような、

赤ワインの選択肢が限られるシーンでは、メルローの赤ワインはとても心強い存在です。

よりワインと料理を合わせるために

メルローの赤ワインが、幅広い料理と合わせられることはお分かりかと思いますが、

ペアリングの観点から、よりワインと合わせたいならどのような料理と合わせればいいでしょうか?

メルローのワインの特徴として、まろやかな口当たりと味わいのふくよかさ、コクもそこそこにあるので、合わせる基本は肉料理です。

さらに、赤ワインの味わいが柔らかい印象を受けるので、肉料理もまろやかな味わいに仕上げたものと合わせると、より美味しく楽しめます。

ふっくらとした食感や味わいを柔らかく仕上げた肉料理の方が、より相性がよくなります。

例を挙げるなら、ミートボールやハンバーグです。

さらにメルローのワインに寄り添うためには、調理法としては、豪快に焼くより煮込みにする方がオススメなので、

豚の角煮やじっくり煮込んだシチューにも、とてもよく合います。

ちなみにワインと料理の組み合わせも奥が深いので、以下の記事も参考にして、あなたなりの最高の組み合わせを見つけてみてください。

ワインと料理のペアリング!基本を押さえて家ご飯を贅沢に!

「肉料理には赤ワイン」とは限らない!?美味しい組み合わせの方程式

メルローのおすすめワイン4選

最後に、私がオススメしたいメルローの赤ワインを紹介いたします。

メルローは、今回紹介しきれなかった様々な産地でも造られ、デイリーワインから高級品まで幅広く、様々に異なる魅力が引き出されています。

今回紹介するワインを参考にしながら、あなたのお気に入りのメルローが是非見つかるといいですね。

ムートン・カデ・ルージュ(フランス/ボルドー)

(出典:Amazon)

ボルドー地方、メドック地区の格付け1級シャトーを所有するバロン・フィリップ・ド・ロスチャイルド社が手掛ける、

カジュアルタイプのワインです。

ブドウ品種はメルローだけでなく、カベルネ・ソーヴィニヨン、カベルネ・フランもブレンドされています。

しっかりした味わいのミディアムボディで、濃厚なフルーツの風味にバニラ、トーストのような香り、

しっかりしたタンニン分に加えて、なめらかな飲み心地が特徴です。

メルローを使った、典型的なボルドータイプの味わいのワインなので、このワインを基準にして他のワインと比べてみるといいと思いますよ。

モンテス アルファ・メルロー(チリ)

(出典:Amazon)

チリワインの品質の高さを世界に広めたブランドの一つ、モンテスのメルローのワインです。

完熟したブドウで造り、それをオーク樽で熟成させたことにより、

香りにブラックベリー、黒コショウ、チョコレート、バニラのようなニュアンスが加わった複雑な香りと、

凝縮したブドウの風味、滑らかなタンニン分が楽しめます。

世界的に有名なワイン評論家であるロバート・パーカーJr.氏も「エレガントな味わいのワイン」と、高く評価しているワインです。

シレーニ セラー・セレクション・メルロ(ニュージーランド)

(出典:エノテカ)

日本で一番売れているニュージーランドワイン、という触れ込みを持つシレーニというブランドで造られる、メルローの赤ワインです。

特徴は、豊かなブドウの風味と優しいタンニン分です。

シルクのようとも言われる滑らかな舌触りとフルーツのフレーバーがあり、ニュージーランドらしいバランスのよさがあります。

肉料理はもちろん、和食の甘辛い味付けにもよく合い、スペアリブやすき焼き、肉じゃがなどにも寄り添う赤ワインです。

シャトー・メルシャン 桔梗ヶ原メルロー(日本/長野県)

(出典:Amazon)

少し価格は高いですが、最後に日本が誇る高品質なメルローの赤ワインも紹介したいと思います。

日本を代表する造り手の一つ、シャトー・メルシャンが手掛ける、長野県塩尻市桔梗ヶ原地区で造られる1本です。

この桔梗ヶ原メルローが発売されたのは1985年ヴィンテージが最初ですが、それ以降日本を代表する赤ワインの一つとして、

国際的コンクールでのメダル獲得、ブラインドテイスティングの高得点など、非常に高い評価を受けています。

ワインはブラックチェリー、カシス、クローブ、タバコやバニラなどの複雑な香りを持っており、

しっかりしたフルーツの風味とタンニン分のバランスが絶妙で、上品な印象を受ける味わいです。

料理も贅沢に、濃厚なソースをかけた和牛のステーキと是非とも合わせたい1本です。

まとめ

今回は、メルローとそのワインについて見てきました。

メルローとは、赤ワイン用に使われるブドウ品種の一つで、

世界中で栽培される、とても人気が高いブドウです。

メルローは、フランスのボルドー地方が最も有名ですが、

イタリア、チリ、ニュージーランドそして日本でも、メルローから品質の高い赤ワインが産出されています。

メルローの赤ワインに合わせられる料理は、幅広くありますが、

特にまろやかな味わいや煮込みにした肉料理と合わせると、より美味しく楽しめますよ。

メルローの赤ワインは、料理も飲む人にも幅広く受け入れられやすい味わいに仕上がるので、

ワインが必要な様々なシーンで活躍できそうですね。

そんなメルローの赤ワイン、あなたも是非試してみてください。

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