ワインを定期的に届けてくれるサブスクサービスは、店によって全然特徴が違います。
選び方や注意点について記事書いてます
→「お店によって特徴が全然違う!?定期的にワインが届くサブスクを紹介」

地下室全体が大きなワインセラーになってるの見たことありますか?
たまにテレビなどで特集が組まれると、普段見れないようなワインが見れて楽しいですね。
ただ、ワインが横置きされているのを不思議に思ったことありません?
あれはちゃんと理由があるんです。
今回はワインを横置きで保存する理由をお伝えします。
伝統的な見解(ワインボトルは横置きで保存する)
ワインボトルを保存する際に縦置きすると、コルクが乾燥するので横置きにした方が良いというのは、横置きの理由としてよく挙げられています。
ワインラックは大体横置きになっていますし、ワインセラーも横向けに置いてあることが多いように思いますね。
伝統的な見解を正確に言うなら、コルク栓を使ったワインボトルは横置きで保存するべきだということになります。
そもそも、ワインボトルを横置きで保存することが多いのには、ちゃんとした理由が有るようです。
なぜ横置きがおすすめ?
ワインを横置きする理由は、栓の素材であるコルクにあります。
コルクは軽く弾力性があり、密閉性と断熱効果が高いので、ワインを保存するのに適した素材なのです。
また、コルクは酸に強い素材なので、酸を含むワインの保存に適しているともいえます。
でも、コルクは乾燥にあまり強くないのですよ。
コルクは乾燥すると、弾力性がなくなって硬くなってしまいます。
硬くなったコルクは縮んで小さくなります。
空気はコルク自体を通り抜けるだけでなく、コルクとボトルが接触している境目からも、ワインボトルの中に入ります。
コルクが縮んでしまうと、この境目を通り抜ける空気の量が増えますし、それが酷くなっていくとワインが漏れる原因となります。
コルクの特性を生かすには、横置きしてコルクを湿らせることで、乾燥を防ぐ必要があるのですよ。
つまり、横置きするのは、コルクの乾燥を防いでワインの品質を保つためなのです。
これが伝統的な見解です。
横置き保存の意味はない?
2018年に、世界最大のコルク栓メーカーから、ワインを保存する際に横置きすることに関して全く別の意見が出されました。
「コルクで密閉されたワインボトル保存する際に、横置きする意味はなく、むしろコルクを劣化させる可能性がある」という内容です。
そんな新しい見解を詳しく調べてみました。
この見解は、伝統的なコルク栓について書かれており、圧搾コルクを含めてのことではありません。
縦置きしても乾燥しない?
発表によると、コルクが乾燥するのを防ぐために大事なのは、ワインがコルクに触れているかどうかではなく、
ワインボトル内の湿度が十分であるかどうかだというのです。
ボトルを横置きすることで、コルクがワインに触れた状態が続くと、コルクが劣化するのが早くなります。
そうすると、コルクの柔軟性が失われて、密閉性を損なう可能性があるのです。

出典:東亜コルク株式会社
コルクは上の写真のように、細胞のような構造をしています。
無数の細胞の中にはそれぞれミクロ単位の気泡があって、それぞれの壁も伸縮性に富み、それぞれの細胞も緻密な構造で組み合っています。
この気泡が緩衝材となって、コルクの柔軟性が保たれているのですよ。
コルクを使ってワインを密閉保存するためには、コルクの柔軟性が重要なのです。
気泡が壊れてしまうと空気が抜けて硬くなり、縮んでしまいます。
となると、コルクが乾燥した場合と同じ結果がやってきますよね。
そう、コルクとボトルが接触している境目から、ワインボトルの中に空気が入ります。
これが、「コルクで密閉されたワインボトル保存する際に、横置きする意味はなく、むしろコルクを劣化させる可能性がある。」
という結論に至った理由です。
ワインの劣化についての詳しい記事はこちらになります、参考にどうぞ。
このワイン劣化してるかも?!香り別に判断するワインの状態チェック
横置きでなくても問題ない場合
コルク栓を使用したワインの置き方論争について解説してきましたが、それ以前に、そもそも横置きしなくてもいい場合があります。
最近は、スクリューキャップやプラスチック栓で密閉しているワインも増えています。
これらの場合は乾燥で収縮してしまう可能性がないので、縦置きしても問題ないです。
開栓後のワインを、何日かに分けて楽しみたい場合も縦置きしてください。
開栓後にワインの酸化を防ぐという意味では、空気との接触面を小さくするために縦置きすることが基本となっています。
コルク以外のワイン栓
ワインボトルが一般的に使われるようになったのは、17世紀です。
1650年頃にはコルク栓が普及したといわれています。
現在、コルク以外のワインの栓には以下のようなものが有るようです。
- 合成コルク(プラスチィック)
- スクリューキャップ
- VINOLOK(ガラス)

出典:フィガロジャパン
- ゾーク

- 王冠
コルクには劣化による不快臭の発生の可能性があることと、天然素材なので品質にばらつきがあるという問題があります。
これらの欠点の解決を図るため、コルク以外のワイン栓が開発されてきました。
オーストラリアやニュージーランドでは、スクリューキャップが主流になっています。
少し古い2008年の資料ですが、全世界のワインの生産量のうち、
コルク栓(圧搾コルクを含む)が62%、合成(プラスチック)コルクが23%、スクリューキャップが15%となっています。
スクリューキャップについての、詳しい記事はこちらになります、参考にどうぞ。
安物に感じる?高級ワインにも広がるスクリューキャップのメリット
まとめ
今回は、ワインを保存する際の置き方についてみてきました。
伝統的には、ワイン栓であるコルクが乾燥をするのを防ぐため、横置きにするのが良いとされてきました。
最近は、横置きする意味はなく、むしろコルクを劣化させる可能性がある、という意見も有るようです。
コルク以外のワイン栓、スクリューキャップやプラスチック栓の場合は、横置きする必要はないと言えそうです。
私も、横置きがいいと思っていたのですが、絶対に横置きというわけでもないみたいですね。
ワインを定期的に届けてくれるサブスクサービスは、店によって全然特徴が違います。
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