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「カッシェロ・デル・ディアブロ」というワインをご存知ですか?
「カッシェロ・デル・ディアブロ」=スペイン語で「悪魔の蔵」という、恐い名前がついていますが、
実は、ワインを昔から飲んでいる人にはおなじみで、
今でもスーパーやコンビニで気軽に買うことができる、ロングセラーのワインの一つです。
世界に無数にあるワインの中で、これだけ長い間愛され続けるのは珍しいみたいですが、それはなぜだかご存知ですか?
そこで今回は、カッシェロ・デル・ディアブロがどのようなワインなのかと、長年愛される理由について、見ていきたいと思います。
「カッシェロ・デル・ディアブロ」とは?
「カッシェロ・デル・ディアブロ」は、チリの大手ワイン生産者のコンチャ・イ・トロ社が手がけるワインの一ブランドです。
世界140ヶ国以上に輸出・販売されており、その販売数は年間で約500万ケースと言われており、チリの有名ワインブランドの一つです。
簡潔にまとめると、以下のようになります。
生産者:コンチャ・イ・トロ社
ワインのブランド:カッシェロ・デル・ディアブロ
ブランド内のシリーズ:レセルバ、デビルズ・コレクション、レセルバ・プリバダの3つ
日本に輸入販売されるワインの種類数:16種類
「カッシェロ・デル・ディアブロ」というブランドの中で、何種類ものワインが造られている、ということですね。
「悪魔の蔵」から生まれしワイン?!
「カッシェロ・デル・ディアブロ」=スペイン語で「悪魔の蔵」という意味ですが、実はこの名前はある逸話が基にされています。
「カッシェロ・デル・ディアブロ」は、この「悪魔の蔵」をキャッチコピーにしたことで、
多くの人々に認知され、ブランド化することに成功しました。
これが、今でも根強い人気を誇るワインの大きな理由のようです。
では、どういった逸話なのでしょうか?
その昔から、コンチャ・イ・トロ社には、最高のワインを貯蔵しておく特別なセラー(=蔵)があります。
しかし当時から、そのワインのあまりの美味しさに、密かに盗み飲みをする人が後を絶たなかったそうです。
それを防ぐために、創立者のドン・メルチョー氏がある一案を講じました。
「このセラーには悪魔が棲んでいる」という噂を流したそうです。
この案は成功して、その噂はみるみるうちに広がり人々を恐れさせ、その美酒を守ったとされています。
このセラーはのちに「悪魔の蔵」と呼ばれ、今もなお大切なワインが静かに貯蔵されているそうです。
今回紹介する「カッシェロ・デル・ディアブロ」は、その悪魔がワインを守った、という伝説から名付けられたそうです。
現在でも「カッシェロ・デル・ディアブロ」といえば、悪魔のロゴがシンボルマークとなっていて、
ワインやコマーシャルにも、以下のような悪魔のイメージが使われることで、よく知られています。

チリワインブームの火付け役になった2つの理由とは?
「カッシェロ・デル・ディアブロ」が今でも人気が高い理由は、他にもあります。
「カッシェロ・デル・ディアブロ」は、1990年代後半のチリワインブームの時に、リーズナブルワインとして人気を博したワインの一つです。
1995年には輸入量が5万本に過ぎなかったチリワインは、1997年に入り600万本を突破し、わずか2年で10倍以上の伸びを記録しました。
この流れの中、「悪魔の蔵から生まれしワイン」というインパクトのあるネーミングで、
「カッシェロ・デル・ディアブロ」は高い人気を博しました。
では、なぜこれほど爆発的に「カッシェロ・デル・ディアブロ」をはじめとするチリワインに、ブームが起きたのでしょうか。
ここからは、「カッシェロ・デル・ディアブロ」だけではなく、チリワイン全体の話になります。
理由は2つあり、ひとつは分かりやすさ、もうひとつはコストパフォーマンスの高さと言われています。
チリワインの分かりやすさとは?
この当時、「ポリフェノールが豊富な赤ワインは健康によい」とした赤ワイン健康法も日本で紹介され、赤ワインの需要が非常に高い時期でした。
この時、既にフランスなどから低価格のワインが輸入されてはいましたが、
フランスのワイン名(例えば「カオール」や「ラングドック」)を言われても、一般の人は全く味の想像もつきませんでした。
その点チリワインには、ブドウ品種が分かりやすくラベルに表記されており、
これがワインが分からない人にも「分かりやすい」と受け入れられた、大きな要因でした。
この当時、チリワインの中でも、特にポリフェノールが豊富とされるカベルネ・ソーヴィニヨンが非常に高い人気を得て、
チリのカベルネ・ソーヴィニヨンを縮めた「チリカベ」という造語も造られるほど、売上に大きく貢献したそうです。
ちなみに、チリワインの大きな魅力と特徴については、以下の記事で詳しく説明しています。
ニューワールドのワインって何?嬉しい特徴と魅力やおすすめを紹介
また、ワインに含まれるポリフェノールの作用や効果的な摂取方法についても、以前の記事で詳しく紹介しています。
ワインでアンチエイジング!ポリフェノールの作用や効果的な取り方とは?
チリワインのコストパフォーマンスが高い理由は?
また、この1990年代当時、日本で目にするようになったチリのワインは、1000円前後の値段でも十分美味しく、
瞬く間に、当時日本で人気を博していたフランスやカリフォルニアに取って代わり、日本でも大人気となりました。
それだけ当時からチリワインは、価格がお手軽で品質が高い、つまりコストパフォーマンスに優れたワインの代表格と言えます。
なぜそう言えるのかを、以下で見ていきましょう。
良質なブドウを効率よく使った生産が可能なチリワイン
チリワインの大きな特徴として、質の高いブドウを効率よく使ったワイン造りを行うことができるため、
必然的にコストパフォーマンスの高いワインを造ることができる、ということがあります。
ワインの良し悪しは、原料であるブドウの品質が一番重要とされていて、
「きれいに完熟した良質なブドウを使わないと、品質の高いワインは造ることができない」と、世界中のワイン生産者が口にするほどです。
その点で南アメリカ大陸にあるチリは、一年を通して日照時間がとても長いことが影響して、ブドウが完熟するだけでなく、
ブドウの病害も起こりにくい傾向にもあるので、完熟した良質なブドウが収穫しやすいという特徴があります。
加えてチリのワインは、昔からのワイン文化を持つヨーロッパ諸国と比べると、その文化を守るための法律・規制が緩いために、
ワイン造りに必要な最新設備と技術を導入することができるため、安定して品質の高いワインを大量生産することが可能になっています。
そのために、品質が高いブドウを使用して、高い技術を惜しみなく効率的にワイン造りに注ぐことができるため、
チリのワインは、全体的に品質が高く、効率的に生産することが可能となっています。
現在では、スーパーやコンビニの棚に置かれるほど安くて美味しいワインの代表として知られるチリワインですが、
その地位を確立できたのは、1990年代に起きたワインブームがきっかけとされています。
なので、「カッシェロ・デル・ディアブロ」は、昔からワインを飲んでいる方にとっては
悪魔のイメージと、当時チリワインブームを生み出したシンボルの一つというイメージが、今も根強く残っています。
チリのプレミアムワインとして、今も根強い人気
ここから再び、話を「カッシェロ・デル・ディアブロ」に戻します。
日本に多くのチリワインが見られるようになった現在、「カッシェロ・デル・ディアブロ」は、
チリワインの中でもプレミアムワインという位置付けで、他ブランドとの差別化を図り、今も根強い人気を誇っています。
どの辺りが、プレミアムワインであると言えるのでしょうか?
まず「カッシェロ・デル・ディアブロ」は、「レセルバ」シリーズがスタンダードクラスですが、
「レセルバ」(Reserva)とは、英語のリザーブ(Reserve)つまり「熟成」という意味です。
ワインの場合は、熟成して美味しくなるワイン=高級ワインと位置付けられており、
「カッシェロ・デル・ディアブロ」の場合は、一般的にワンランク上のシリーズでも、スタンダードのシリーズとして造っていますよ、
という意味合いが込められているようです。
また、このワインを手掛けるコンチャ・イ・トロ社そのものが、チリでもトップクラスのワイン生産者であることも、その根拠のようです。
コンチャ・イ・トロ社は創業1883年で、これはチリで最も歴史の古いワイン生産者の一つで、
チリでも最も多くのワイン造りの経験とノウハウを積んできた生産者です。
また所有するブドウ畑は、世界でも有数の広大な面積で、約10,000ヘクタールだそうです。
その広大なブドウ畑の中から、良質なブドウのみを選び抜いても、
相当な量のブドウがワイン造りに使えますので、大量にワインを造ることが可能になります。
その結果として、「カッシェロ・デル・ディアブロ」は、世界各国のコンクール数々の賞を受賞し、チリのブランド殿堂入りを果たしています。
このように「カッシェロ・デル・ディアブロ」は、
トップクラスの生産者が品質にも拘って造り、それが高く評価されていることで、チリのプレミアムワインです、と謳っているようです。
どんなワインがある?
では、最後に「カッシェル・デル・ディアブロ」ブランドで、どのようなワインを造っているのか、見ていきましょう。
カッシェロ・デル・ディアブロのワインは赤、白、ロゼ、スパークリングの4種類で、先ほど紹介した通り3つのシリーズに分類されています。
日常的に楽しめるスタンダードなシリーズから最高級のプレミアムワインまで、幅広いスタイルで、
シーンに合わせて選ぶことができます。
スタンダードシリーズ「レセルバ」
「レセルバ」は「カッシェロ・デル・ディアブロ」の顔となるシリーズで、当時から最も生産に力を入れているため、
現在のラインナップは、12種類にまで増えています。
先ほどお話しした通り、チリのプレミアムワインと謳っている「カッシェロ・デル・ディアブロ」は、
他のチリの生産者よりワンランク上のシリーズを、スタンダードとして販売しています。
この「レセルバ」シリーズは、赤・白・ロゼワインと豊富なラインナップで、スーパーやコンビニなどでも気軽に買うことができます。
「レッド・ブレンド」以外は、ワインブームで一世を風靡した当時と同様、ブドウ品種ごとにそれぞれのワインが造られています。
ブドウ品種ごとで、香りや味わいの違いがハッキリ出ているので、品種の違いを理解したい方にも、大変オススメのワインです。

ワンランク上の高級シリーズ「デビルズ・コレクション」
「デビルズ・コレクション」シリーズは、選ばれた畑から生み出されたブドウのみを使用した、ワンランク上のワインです。
このシリーズでは、スパークリングワイン、白ワイン、赤ワインが各1種類、リリースされています。

デビルズ・コレクション ブリュット(スパークリングワイン)
冷涼なリマリ・ヴァレーで収穫されたシャルドネに由来する豊かなミネラル感とバランスのとれたさわやかな酸味が特長の辛口のスパークリングワインです。
シトラスや青リンゴなどの華やかな香り。
豊かなミネラル感とバランスのとれたさわやかな酸味が特長の辛口の味わい。
寿司やシーフード全般、ライムなどを搾ったマリネなどによく合います。
デビルズ・コレクション ホワイト(白ワイン)
シトラスやミネラルの香りが豊か。ほどよい酸味と溌剌とした口中が特長的なブレンドの妙を感じる白ワインです。
グレープフルーツなどの柑橘系、パイナップルやモモの魅力的な香りと、やわらかいミネラルと磯の香りが複雑に絡む。
柑橘系フルーツ、トロピカルフルーツ、ミネラル香が絡む複雑な香りと、溌剌とした口中が特長。
新鮮な魚介類や、様々なタイプのサラダによく合います。
デビルズ・コレクション レッド(赤ワイン)
熟した黒い果実の香りが特長的なブレンドタイプならではバランスの取れた味わいを楽しめる赤ワインです。
熟したブラックベリーや黒スグリの濃縮した香り、そしてチョコレートやスギの香り。
熟した黒い果実、チョコレートやスギの複雑な香り。やわらかく甘いタンニン。熟した果実感とエレガンスが同居する。
赤身の肉はもちろん、ジビエにもよく合います。
最高級シリーズ「レセルバ・プリバダ」
「レセルバ・プリバダ」シリーズは、より品格のあるワインを楽しみたい方に向けた上質な味わいです。
現在の所「カッシェロ・デル・ディアブロ」で、日本で買うことができる中では最高級のシリーズとなりますが、
日本での販売は、カベルネ・ソーヴィニヨンで造られた赤ワイン1種類のみとなります。

レセルバ・プリバダ カベルネ・ソーヴィニヨン(赤ワイン)
ブラックベリーやローストしたコーヒー、チョコレートなどの豊かな香り。
丸みのあるタンニンと力強い酸が融合した豊かなストラクチャーのフルボディ。
スパイシーな肉料理や熟成タイプのチーズとよく合います。
マイポ・ヴァレーのカベルネ・ソーヴィニヨンの魅力を余す事なく引き出した凝縮した果実味が魅力のワインです。
まとめ
今回は、チリの有名ワインブランド「カッシェロ・デル・ディアブロ」について見てきました。
「カッシェロ・デル・ディアブロ」=「悪魔の蔵」の逸話から名付けられたブランドで、
1980年代のチリワインブームの時に、分かりやすさと、コストパフォーマンスの高さも相まって、人気を博したワインの一つです。
「カッシェロ・デル・ディアブロ」は、現在でもチリのプレミアムワインという位置付けで、根強い人気を誇っています。
「カッシェロ・デル・ディアブロ」には、様々なシリーズがあり、
私たちも気軽にスーパーやコンビニで手に入れることができます。
そんな一世を風靡した「カッシェロ・デル・ディアブロ」のワイン、あなたも是非気軽に試してみてくださいね。
ワインを定期的に届けてくれるサブスクサービスは、店によって全然特徴が違います。
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