ワインの種類や銘柄

キャンティワインの魅力と伝統を守るために独立したクラシコの魅力

イタリアワインといえば、キャンティワインが有名ですよね。

今回は、イタリアのキャンティワインのお話です。

総称でキャンティワインと呼ばれますが、「キャンティ」と「キャンティ・クラシコ」のふたつのブランドがあるのです。

混乱する方も結構いらっしゃるみたいですね。

この記事を読んで頂ければ、キャンティワインを選ぶときに、もう悩まなくなりますよ。

キャンティワインとは?

出典:キリンホールディングス株式会社

キャンティワインは、イタリア中部のトスカーナ州キャンティ地区で造られる赤ワインで、サンジョヴェーゼという地元のブドウ品種を主に使用しています

キャンティ地区の作付面積は24万ヘクタールといわれており、これは東京都よりも広く、トスカーナ州全体の面積の10%となる広大なものです。

深いルビーレッドが鮮やかなキャンティワインは、軽やかな口当たりのものが多く、さわやかな酸味とまろやかなタンニンのバランスが魅力です。

口に含むとフレッシュなチェリーやブラックベリーなど赤い果実の香りが広がり、すみれの花やハーブのような風味も感じられます。

生産量は年間1億本以上ともいわれており、イタリアを代表する赤ワインのひとつです。

キャンティワインの歴史

出典:https://www.travel-zentech.jp/

キャンティ地方が公的にワインの産地と認められたのは、1716年でした。

当時、トスカーナ州は16~19世紀にかけてトスカーナ大公国という国でした。

1860年ごろに、イタリア共和国の首相も務めたベッティーノ・リカーゾリ男爵が、混醸比率が「サンジョヴェーゼ70%、カナイオーロ20%、マルヴァジア(白ブドウ)10%」となる「キャンティ」の原型が誕生しました。

(混醸:複数の品種のぶどうを同一の樽で醸造すること)

  • ベースとなる香り高い黒ブドウ品種のサンジョヴェーゼ
  • タンニンを緩和し果実味を補強する黒ブドウ品種のカナイオーロ
  • さらに味わいをまろやかにするため白ブドウ品種のマルヴァジア

この「キャンティ」は飲みやすさが人気となり、ヨーロッパから世界へと広がりました。

世界的に認知された「キャンティ」は、生産地域がどんどん拡大したそうです。

生産地域が拡大した結果、一部で粗悪品も「キャンティ」として市場に出回るようになったのです。

伝統を守る「キャンティ・クラシコ」の誕生

粗悪品が出回るようになって、伝統的なキャンティを造っていた生産者は、品質低下に危機感を抱きました。

1924年、33の生産者達は伝統的なキャンティの品質を守るために、キャンティ・クラシコ協会を設立しました。

1996年、「キャンティ・クラシコ」が「キャンティ」から分かれて、独立した銘柄として認められました。

2006年、「キャンティ・クラシコ」の醸造において、白ブドウの混醸が完全に禁止されました。

これで「キャンティ」と「キャンティ・クラシコ」は全く別のワインといえるようになったのですよ。

一時期のヨーロッパでは安いワインの代名詞だった「キャンティ」は、「キャンティ・クラシコ」として世界の高級ワインの仲間入りを果たしたのです。

「キャンティ・クラシコ」とは?

出典:株式会社ブロードエッジ・ウェアリンク

「キャンティ・クラシコ」とは、イタリア トスカーナ州のフィレンツェとシエナの間の指定地域で作られた赤ワインのことです。

この指定地域の作付面積はおよそ7200ヘクタールで、キャンティワイン全体のわずか3%です。

「キャンティ・クラシコ」は、ブドウの栽培から、ワインの瓶詰めまでのすべての工程を、指定地域内で行うよう規定されています

豊かな果実味としっかりした渋みが特徴で、赤ワインならではの深い味わいが好きな人々に愛されています。

「キャンティ」と「キャンティ・クラシコ」の違い

表でまとめてみました。

キャンティ キャンティ・クラシコ
ひとことでいうと イタリアのトスカーナ州を中心に日常的に楽しまれているテーブルワイン 世界的で楽しまれている高級ワイン
使用するブドウ サンジョヴェーゼ最低75%

黒ブドウ、白ブドウの混醸も可能(ブドウ品種1つあたり最大10%)

サンジョヴェーゼ最低80%

混醸は黒ブドウのみ

白ブドウの混醸は2006年以降禁止

最低熟成期間 4ヶ月 11ヶ月
味わい 酸味と果実味のバランスがとれた味わいが特徴の、親しみやすい味わい 香り高く、酸がしっかりとあり、非常に優美で品質の高さが感じられる
醸造 自由度が高い 規定が厳しい
合う料理 トマトソースやオリーブオイルを使ったパスタや肉料理 フィレンツェ風(Tボーン)ステーキやトマトの煮込み料理

「キャンティ・クラシコ」の発展

ベッティーノ・リカーゾリ男爵が造り上げた「軽くてフレッシュなキャンティ」から、

しっかりとしたボディを持つ熟成されたキャンティ・クラシコ」への歩みはさらに進みます。

(ボディ:赤ワインの味わいを示す表現、詳しくはこちらの記事を参考にして下さい)

「フルボディ」って何?ワインのラベルにある「ボディ」の意味とは?

2000年までに、サンジョヴェーゼ以外の品種に国際品種の混醸比率が、段階的に20%まで認可されました。

国際品種とはこの場合、ボルドーの品種であるカベルネ・ソーヴィニヨンやメルローのことです。

これは、しっかりとしたボディを持つ熟成された「キャンティ・クラシコ」を醸造するためのものです。

カベルネ・ソーヴィニヨン:黒ブドウの品種、しっかりとしたタンニンが特徴で、重厚で飲みごたえのあるワインになります。

メルロー:黒のブドウ品種、きめ細やかなタンニンがあり、まろやかで口当たりの良いワインになります。

国際品種の混醸率を上げた背景には、「キャンティ・クラシコ」の生産者の中での意見の対立があります。

国際市場に対応するべきという意見と、サンジョヴェーゼの混醸率を上げるべきだという意見の双方をたてて、

サンジョヴェーゼの100%使用も、国際品種の混醸率の引き上げも認めたのです。

協会立ち上げ時の「キャンティ・クラシコ」の生産者数は33でしたが、その志に賛同する生産者は増え続け、

2008年には600以上にまでなりました。

2014年には世界の最高級ワインと並ぶ、最上の格付として「キャンティ・クラシコ・グラン・セレツィオーネ」が認定されました。

自社畑で作ったブドウを使用すること最低30カ月の熟成期間(うち3カ月は瓶内熟成)など、厳しい規定があり、

現在このカテゴリーが認定されているワインは「キャンティ・クラシコ」全体の約5%に過ぎません。

おすすめのキャンティワイン

気軽に楽しめるキャンティ「キャンティ カーサ・ディ・ロッコ」

力強く特徴的なブーケの香りは、フルーティーでスミレやチェリーの香りも感じられます。

バランスが良く、味わい深い辛口のワインです。タンニンは軽やかで、柔らかく溶けます。

出典:Amazon com.

国際的にも認められたキャンティ・クラシコ「ロッカ ディ モンテグロッシ キャンティ クラッシコ」

深みのあるルビー色をしており、典型的なサンジョヴェーゼを表す果実の香り、特に野イチゴの香りがよくでています。

サンジョヴェーゼ100%で、バランスがとれており、軽やかなタンニンが楽しめます。

出典:Amazon com.

最高峰のクラシコ「カステッロ・ディ・ブローリオ・キャンティ・クラシコ グラン・セレツィオーネ」

活き活きとした凝縮感のあるルビーレッド色。熟れたベリー系果実やスミレのような花の香りに、ヴァニラやスパイスの風味が織り交ざります。

ブローリオ農園の最上のブドウから造られる、ブドウ畑の特徴を忠実に再現し、

優れた個性にエレガントで豊かな味わいを持つ「キャンティ・クラシコ・グラン・セレツィオーネ」です。

難しいニュアンスですが、ワインは優れたブドウ畑の特徴を活かして作るべきだとされているのです。

簡単に言えば、良いブドウ畑から良いワインができるのですよ。

 

出典:Amazon com.

イタリアのワイン事情についての詳しい記事はこちらになります、参考にして下さい。

ワイン造りに適したイタリアのワイン!個性的なおすすめを紹介

まとめ

イタリアで最も親しまれているキャンティワインについてお話ししました。

キャンティワインの歴史と、「キャンテチィ・クラシコ」誕生について解説しました。

イタリアワインが全世界に広がった裏側には、生産者達の苦悩があったのですね。

伝統を守って、建て直された「キャンティ・クラシコ」に敬意を払いたいと思います。

2014年には、最上位の「キャンティ・クラシコ・グラン・セレツィオーネ」が認められたのですね。

気軽に楽しむ「キャンティ」だけではなく、特別な日やプレゼントに「キャンティ・クラシコ」を選んでみてはいかがでしょうか。

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