ワインを定期的に届けてくれるサブスクサービスは、店によって全然特徴が違います。
選び方や注意点について記事書いてます
→「お店によって特徴が全然違う!?定期的にワインが届くサブスクを紹介」

普段お店でワインを選んでいるとき、同じ「ワイン」でもアルコール度数のばらつきがあることが気になったことはありませんか。
「こっちの赤ワインは10%なのに、違う銘柄は13%もあるの?」
ワインは使用しているブドウの品種や生産地の気候、製造方法などによって、
アルコール度数が大きく変化するお酒なんです。
今回の記事では、ワインのアルコール度数の目安と他のお酒との比較、度数の高低はどうやって決まるのかなど、
ワインとアルコールの関係性について掘り下げてお伝えして参ります。
アルコール度数の高い低いはお酒の好みに直結する部分です。
あなたがこの記事を読んだ後、もっと楽しくお酒選びができるようになってもらえれば幸いです。
ワインのアルコール度数の目安
厚生労働省の資料によると、ワインのアルコール度数の目安は12%となっています。
この場合、ワインの液中100mlの中に12mlのアルコールが含まれているということです。
なお同資料には「適切な飲酒量」についても記述があり、成人男性の場合
一日平均で20gの純アルコール量を推奨しているようです。
ワインの場合は、グラス1杯半くらいの量ですね。
お酒と健康管理のバランスを考えるときのひとつの基準にしてみてください。
他のお酒と比較すると
では他のお酒と比べるとワインの度数は高いのか、低いのか。
これも気になるところです。
厚生労働省の同資料に他のアルコール飲料の度数の目安がありますので、比較してみましょう。
醸造酒
- ビール 5%
- ワイン 12%
- 日本酒 15%
蒸留酒
- 焼酎 35%
- ウイスキー 43%
- ブランデー 43%
ワインのアルコール度数はビールよりは高く、蒸留酒よりは低いようです。
蒸留酒は、醸造酒を加熱・蒸留してアルコール分だけを抽出したお酒です。
蒸留酒はお水や炭酸、ジュースで割ってのむことも多いので単純比較はできませんが、
ワインのアルコール度数はお酒全体の中で中間くらいといったところでしょうか。
ワインだけ悪酔いする、頭痛がする?
「他のお酒は大丈夫なのに、ワインを飲んだときだけ悪酔い、頭痛がする」という声を聞くことがあります。
アルコール度数が特別高い訳ではないのに、どうしてこういったことが起きるのでしょうか。
これには大きく分けて以下の2通りの原因が考えられています。
ワインに含まれる特定成分への過敏な反応
ワインの液中には「アミン」というアレルギー原因成分が含まれています。
アミンに敏感に反応する体質の場合、頭痛の症状が出ると言われています。
チーズ、たらこ、スモークソーセージなどに含まれているので、
これらを食べて同じように頭痛がする場合はアミンが原因の可能性があります。
また、赤ワインに含まれる「タンニン」にアレルギー反応を示す人もいます。
白は大丈夫なのに赤ワインを飲んだ時だけ体調が悪くなる人は「タンニン」が原因かもしれません。
知らず知らずのうちにたくさん飲んでしまっている?
ワインはビールの2倍以上のアルコール度数がある反面、果実味があって飲みやすいものが多いです。
スイスイ飲んでしまって、いつの間にか飲みすぎに、
なんてことも起こりがち。
お水を挟みながら飲むなど、ペースに気を配りながら楽しみましょう。
ワインの中でもかなり度数の差がある

ワインの度数の目安は12%と前述しましたが、一口にワインといってもその種類は様々。
アルコール度数も5%程度ものから20%を上回るものがあるなど、かなり幅があります。
各種ワインの度数の目安
- 赤ワイン 11%~15%
- 白ワイン 9%~13%
- 酒精強化ワイン 15%~22%
赤ワインのほうが白ワインよりも、少しだけアルコール度数が高い傾向があります。
後に詳しくご紹介する酒精強化ワインにいたっては20%を超える度数!
お店で見かける「焼酎」は20~25%くらいの銘柄が多いですが、これらと同等のアルコール度数ということですね。
酒精強化ワインとは
酒精強化ワイン(別名:フォーティファイドワイン)は、
ワインにブランデーなどの強いお酒を添加することでアルコール度数を高めたワインです。
- シェリー(スペイン)15~19%
- ポート(ポルトガル)19%~22%
- マディラ(ポルドガル)17%~22%
は世界三大酒精強化ワインと呼ばれています。
製法によって特徴は異なりますが、通常のワインにはないコクと高いアルコール度数ならではの飲みごたえ、
開栓後も一か月から数か月品質を維持できる高い保存性などが特徴です。
同じワインなのになぜアルコール度数が違うのか
酒精強化ワインのアルコール度数が高いのはわかりましたが、なぜ通常のワインでアルコール度数がこんなに違うのでしょうか。
その理由は、原料となる「ブドウの糖度」と「発酵期間の長さ」にあります。
ブドウの糖度

ワインは、ブドウ果汁をアルコール発酵させて作ったお酒です。
これは、アルコール酵母がブドウ果汁の「糖分」をアルコールに変化させているのです。
ブドウ果汁に含まれる糖分の量が多いとそれに比例し生成されるアルコール量が多くなり、
度数の高いワインになるのです。
ではブドウの糖度は、どのように増えたり減ったりするのか。
これは「ブドウの品種」と「栽培条件」で決まります。
ブドウ品種による糖度の違い
たとえば、「いちご」というフルーツでも
「とちおとめ」「あまおう」「紅ほっぺ」などその品種によって糖度が違います。
ブドウも品種による糖度の違いがあって、例えば糖度が高いブドウの品種は
- カベルネ・ソーヴィニヨン(赤)
- シラー(赤)
- シャルドネ(白)
などがあります。
これらの品種から造られたワインはアルコール度数も高めで飲みごたえのあるタイプになりやすいです。
栽培条件による糖度の違い
糖度の高いブドウを生育するには以下のような条件が望ましいとされています。
- 適度な降雨量
- 日照時間が長い
- 昼夜の寒暖差が大きい
基本的に「ワイン・ベルト」と呼ばれるワインの栽培に適した地域はこれらの条件を一定以上満たしていますが、
毎年の気候の変化で仕上がるブドウの糖度も変わります。
また人工的にブドウの糖度を高める特殊な方法として、「遅摘み」があります。
ブドウの通常の時期よりも少し遅らせて収穫することでブドウの水分が蒸発して生乾き状態になり、糖度が高まります。
「それができるなら遅摘みで糖度コントロールすればいいんじゃない」と思われるかもしれません。
しかし、遅摘みには「水分が蒸発=採取できる果汁が少なくなり、ワインの生産量が減ってしまう」というデメリットもあり、
遅摘みを採用しているワイナリーはあまり多くありません。
発酵期間の長さ
ワインは、「酵母が果汁の糖分をアルコールに変えて造られる」と前述しました。
つまり「発酵が進むほどアルコール度数は高くなり、甘みがなくなっていく」ということです。
逆にいうと発酵途中でフィルターを使って酵母を取り除き発酵を止めることで、
意図的に「糖分をたくさん残した、アルコール度数の低いワイン」を造ることもできます。
このようにワイナリーは発酵期間を調整することで、甘味とアルコール度数のバランスをとっているのです。
アルコール度数の高いワイン、低いワイン
「強いお酒は苦手」「今日はちょっと気分を変えたい」など時と場所、一緒に飲む相手に合わせてワインを選べるよう、おすすめの
アルコール度数が高いワインを3種類、低いワインを2種類ご紹介します。
アルコール度数が高いワイン
甘口タイプ中心の酒精強化ワイン「ポート」
サンデマン ルビーポート
アルコール度数:19%
容量:750ml
価格:2,300円~
ポートはポルトガル北部で作られる、ブランデーを添加した酒精強化ワインです。
甘口タイプの銘柄が多く、とろっとした舌触りと高いアルコール度数ならではの飲みごたえがあります。
食後酒としてチーズやドライフルーツと一緒にちびちび飲むのがおすすめです。
辛口タイプ中心の酒精強化ワイン「マディラ」
マデイラ セルシアル 5年
アルコール度数:19%
容量:750ml
価格:4,000円~
マディラはポルトガル首都リスボンから南西に約1000kmにあるマディラ諸島で造られる酒精強化ワインです。
ポートと同じくブランデーを添加してアルコール度数を高めていますが、
製造途中で加熱する工程があるのが特徴で、独特の香ばしさがあります。
干しブドウから作った高級ワイン「アマローネ」

アマローネ・デッラ・ヴァルポリチェッラ・クラッシコ
アルコール度数:15%
容量:750ml
価格:6,000円~
アマローネはイタリア北東部ヴェネト州、ヴェローナ地区で生産される赤ワインです。
ブドウを日陰干しすることで水分を蒸発させ、糖度を高めたブドウからワインを造るため、高いアルコール度数の赤ワインに仕上がります。
ブドウの「遅摘み」と同様、果汁採取できる果汁が減るのでワインの生産量が少なくなります。
その品質の高さと希少性から高値で取引される高級ワインです。
なめらかな舌触り、ビターチョコレートのような上品な香りと苦みが特徴です。
アルコール度数は低いワイン
ビール同程度の度数!?「モスカード ダスティ」
カレッタ モスカート ダスティ
アルコール度数:5.5%
容量:750ml
価格:1,600円~
イタリア、ピエモンテ州で造られる、甘口白ワイン。
モスカートは「マスカット」という意味で柑橘類のような香りです。
スティルワイン(非発泡性ワイン)、スパークリングワイン(発泡性ワイン)のタイプがあり、
写真のワインは発泡性ワインです。
アルコール度数は5~6%と、ビールと同程度。
ワイン初心者の人やワインに苦手意識のある人にも安心して飲んでいただけます。
赤のスパークリングワイン「ランブルスコ」
キアリ ランブルスコ ・ロッソ
アルコール度数:7.5%
容量:750ml
価格:1,000円~
ランブルスコはイタリア北部、エミリア・ロマーニャ州で造られる赤のスパークリングワインです。
辛口のもので10%、甘口なら8%くらいのアルコール度数。
微発泡性ということもあり、初心者でも飲みやすいワインであると言えます。
赤のスパークリングというだけでもけっこう珍しいですよね。
赤ワインならではの渋みと炭酸の組み合わせ。
ワインに慣れているあなたも一度試してみてはいかがでしょうか。
まとめ
- ワインのアルコール度数の目安は12%
- ワインの度数はビールよりは高く、蒸留酒よりは低い
- ワインの中だけでも5~22%とアルコール度数の幅がある
- 酒精強化ワインはブランデーなどを加えたワイン
- ワインの度数は「ブドウの糖度」と「発酵期間」で変わる
- おすすめの度数が高いワイン、低いワイン
ワインはブドウの品種や生産地などによって味・香りのバリエーションが豊富なのが魅力のひとつですが、
アルコール度数においても同じように多様な選択肢があるのだと再認識させられます。
あなたの周りの人で「ワインは度数が高くて飲みづらい」または「度数が低くて物足りない」と思っている人がいたら、
ぜひ色んな度数のワインがあることを共有してあげてください。
ワイン仲間を増やせるきっかけになるかもしれませんよ。
これからも素敵なワインライフをお過ごしください。
ワインを定期的に届けてくれるサブスクサービスは、店によって全然特徴が違います。
選び方や注意点について記事書いてます
→「お店によって特徴が全然違う!?定期的にワインが届くサブスクを紹介」